伝統ある英国の10吋ユニットで聴く、音楽の父のJ.S.バッハ音楽を知る喜び・・・

音楽好きのIIILZ Monitor Goldユニットの箱を改良して楽しむダメオヤジ金ちゃんです。

サラ・ボーンはジャズヴォーガリスト以外でも有名な歌手となったかも知らない、歌の巧さでは私の知ってる限りトップクラスと思う究極の一枚はやはりIt's Magic か?

2019年07月07日 | クラシック音楽・オーディオ

サラ・ヴォーン(Sarah Vaughan, 1924327 – 199043日)は、アメリカ合衆国の黒人女性ジャズボーカリスト。

ソプラノからコントラルトまで幅広いレンジに、美しいヴィブラートの掛かった、オペラ歌手にも匹敵する幅広い声域と、豊かな声量を兼ね備え、大胆なフェイクやスキャットを取り入れた歌唱力をも持ち味とした。ジャズ・ボーカル史上ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルドと並ぶ、女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家の一人と言われている。

今まで、ミスティーという曲といえば、ジョニー・マティスが歌う歌がすきだったが・・・

Johnny Mathis ~ Misty 

ところが、ジャズヴォーカルの女王、サラヴォーンの同曲を聴いて、ジョニーとは、また違った良さがあると感じた次第です。ジョニーの歌は、洗練の極みで、結構あっさりしていますが、サラのそれは、かなりのゆっくりテンポを取り濃厚で、ソウルフルなインパクトを放ちます。

いかにもジャズシンガーが歌うミスティーで彼女としては1947年頃に歌った歌なんです、これが実に心地よく聴こえる。

Misty :Sarah Vaughan / ミスティ :サラ・ボーン 

本名 Sarah Lois Vaughan。ニュージャージー州ニューアーク出身。

1940年代にデビュー。1947年に「It's Magic」が初めてのヒット曲となり、大型新人として注目を集めた。

歌手でトランペッターのビリー・エクスタインに影響を受け、当時最先端のモダン・ジャズであったビバップのスタイルを歌唱に活かした、モダン・ジャズ・シンガーの先駆者である。

 20世紀の最も素晴らしい声ち言われている。ジャズ評論家のレオナルド・フェザーは彼女を「バップ時代から出現する最も重要な歌手」と呼んだ。

エラフィッツジェラルドは彼女を世界の「最高の歌の才能」と呼んだ。

1980年のThe Dick Cavett Showでの2回のインタビューで紹介されたとき、Cavettは(当時の有名なSarah Leeの製品広告スローガンの離陸の中で)皮肉を言っていましたサラ・ヴォーン。

50年近くにわたるキャリアの中で、彼女は歌手の中の歌手でした。Mel TormeからAnita Bakerまでのすべての人に影響を与えます。彼女は彼らのファーストネームによって識別された音楽のエリートの中にいました。 他に類を見ないSarah Vaughanでした。

勿論当時からt's Magic は最高傑作で何度も聴いたが、最近は何故が聴けなかった。何故か?筆者の貧弱な装置では彼女の声の音質が納得いく音が鳴らなかった事なのかもしれない。

Sarah Vaughan - It's Magic 

現在、筆者は虎の子AXIOM TANNOYⅢLZのエンクロージャーでSV-501SEというパワーアンプで聴くが一番感心するのは、やはり何よりも自然な音が響きわたるようだ、

サラ・ボーンのSeptember In The Rainなど聴くとよく分かるが、声の音に特に1957年度辺りの吹込みはJAZZ独特のサ行(シャ・シュ。ショ)の音は全く自然な音で鳴る、まさに実に安心して大人の音が聴ける。

現在安価なPSVANE 300B Hifiを接続しているが、何時かはPSVANE WE300Bへの交換も視野には入れているが、現在の音で十分楽しめる音です。

聞くところによるとこのSV-501SEのアンプは300Bの交換しても効果が薄いと言われて躊躇しているところです。

意外と初段MT管「6BM8」の球交換が音質の変化があり初段管の交換が面白い。PSVANEの製品には国産管の相性が良好であるようである。

勿論エンクロージャーによっても違いはあるようです。

以前トランジスターで聴いていたころは多少気になった節もあったが、300Bではその辺りは解消されている。勿論弱点もありパワーは方チャンネル8Wほどで音量はあまり上げられない、普通家庭で聴くのには全く不安はないがボリュームを上げると欠点が露呈する、これはトランスの能力不足が原因らしい、以外は全くソフトな自然に近い音で実に旨い工合に鳴るようになった。

上記の写真は先日見つけた珍しいNECの初段MT管、音質もそこそこの音はする、購入して間もないので現在慣らし運転中エージングには一週間程すると安定した音が聴けるが、意外と安定した音が聴ける。あとは国産品では気になるのは日立製品が気になりますので、様子を見たいと思ってます。

最近はヴォーガルを聴くことが多くなり、今の所この装置は手放したくない装置になった。以前TANNOYⅢLZを鳴らすのはSV-501SEのアンプが一番と聞いたこともあるが、定かではないが、中古を購入し色々球転がしを楽しんだが、ⅢLZを鳴らすのはこのアンプは音量はあまり大きな音は無理だが適度は音量で聞くには最適のアンプに思える。

ジャズ・ヴォーカルの女王、サラ・ヴォーンが全盛期に残したライヴ盤の最高傑作が登場。

57年8月6日から8日にかけてシカゴのミスター・ケリーズにてライヴ録音された本盤は、

 ジミー・ジョーンズ(ピアノ)、

 リチャード・デイヴィス(ベース)、

 ロイ・ヘインズ(ドラムス)

からなるシンプルなピアノ・トリオをバックに、リラックスした圧巻の歌唱を披露する名盤だ。

ジャズ・ヴォーカルの女王が全盛期に残したライヴ盤の最高傑作。シンプルなピアノ・トリオをバックに、リラックスした圧巻の歌唱を披露する。

★1957年8月6日~8日、シカゴ、ミスター・ケリーズにてライヴ録音

September In The Rain (Live At Mister Kelly's, Chicago/1957)

Sarah Vaughan - September In The Rain 

1954 - 1959年にはポピュラー傾向のあるものをマーキュリー・レコードに、ジャズ方面ではそのサブ・レーベルエマーシー・レコードに膨大な数の録音を残し全盛期を迎える。

この頃の代表作は「With Clifford Brown」、カウント・ベイシー・オーケストラと共演した「NoCount Sarah」など。ジャズに留まらない幅広い音楽性を持ち、ポップスにも挑戦して1950年代には「Whatever Lola Wants」や「Broken-heated Melody」などいくつかのヒット曲があるが、商業的に大きな成功を得るには至らず、通俗性ゆえに批評家からは冷淡な扱いを受けた。

クリフォード・ブラウンがソロも聞かせるサラ・ヴォーンのオリジナルは1954年録音の名盤で1999年リリースのアルバムです。

Sarah Vaughan with Clifford Brown/サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウンSARAH VAUGHAN/サラ・ヴォーンエマーシー・1954

Sarah Vaughan with Clifford Brown.

卓越した歌唱力で、ザ・ディヴァイン・ワンなる異名を得たサラ・ヴォーン。本作は若き天才クリフォード・ブラウンとの出会いが生んだ名作だ。

  A1.September Song 5:46

  A2.Lullaby Of Birdland 4:00

  A3.I’m Glad There Is You 5:10

  A4.You’re Not The Kind 4:43

  A5.Jim 5:51

  B1.He’s My Guy 4:12

  B2.April In Paris 6:21

  B3.It’s Crazy 4:57

  B4.Embraceable You 4:50

  B5.Lullaby Of Birdland [Alt. TK] 4:02*

暗いアルバムですが「バードランドの子守唄」をよく聞きました。有名なジャズ・ミュージシャンが演奏に参加している事を思えば、その分、楽しめると思います。 内容はLPとライナーノーツ(解説)です。LPが割れない様、立体段ボール紙に収納されています

最近筆者のお気に入りは、ソングス・オブ・ザ・ビートルズ(Songs Of The Beatles)Sarah Vaughan - Get back (USA, 1981) 

サラ・ヴォーンがビートルズの名曲を取り上げたらどうなるか? それを実現したのがこのアトランティック盤。ペイチ親子のプロデュースと西海岸の凄腕スタジオ・ミュージシャンが参加した豪華すぎる一枚。

  01.ゲット・バック

  02.アンド・アイ・ラヴ・ハー

  03.エリナー・リグビー

  04.フール・オン・ザ・ヒル

  05.ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー

  06.カム・トゥゲザー

  07.アイ・ウォント・ユー(シーズ・ソー・ヘヴィー)

  08.ブラックバード

  09.サムシング

  10.ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア

  11.ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード

  12.イエスタデイ

  13.ヘイ・ジュード

サラ・ヴォーン(vo) acc by ジョン・スミス (ts-1) トゥーツ・シールマンス (hca-3) デイヴィス・ハンゲイト(p) デヴィッド・ペイチ、マーティ・ペイチ、マイク・ラング(keyboards) スティーヴ・ポーカロ(synt) リー・リトナー、ディーン・パークス、ルーイー・シェルトン(g) ボブ・マグヌッソン (b-2) ジェフ・ポーカロ (perc,d) ボブバイ・ポーター・ホール、ジョー・ポーカロ、スティーヴ・フォアマン(perc)ビル・テッドフォード、ペリー・モーガン、ジム・ギルストラップ(vo)シドニー・シャープ(concert master,strings) マーティ・ペイチ、デヴィッド・ペイチ(rhythm,hrn arr)

録音:1977年カリフォルニア州ユニバーサル・シティ(推定)

世出の歌姫サラの唯一のアトランティック盤。マーティ&デヴィッドのペイチ親子のプロデュースで、完成度の高いビートルズのカヴァー集が完成。全体的にファンキーなサウンドアレンジで聴きやすく、

オリジナルとは一線を画した作品になっていますね。ブラボー!


「ドイツ組曲」とも言われるJ.S.バッハのパルティータ全曲をイルマ・イサカーゼ(irma issakadze)のピアノ演奏で考察

2019年07月05日 | クラシック音楽・オーディオ

最近筆者の音響装置を変更して音質が変わった事は、ピアノ演奏の音が随分良くなった感覚がする。一般的に弦楽器の音が良くなるとピアノの音が悪くなるそうだが、アンプを真空管に替えエージングの進むにつれ、両方共すこぶる音質は向上したようだ。確かにヴィンテージTANNOYは火屋のアンプとの相性は頗る良質な音が響くピアノ曲を聴くのも楽しみになった。

それと今までグレン・グールド盤は敬遠してきた、勿論グレン・グールド自信の演奏は素晴らしいが昔のソニーのレーベルは敬遠して来た、静岡のソニーのプレス工場での苦い体験もあり、またオーディオ装置についてもソニーの音質に疑問を持っていたのが原因であると思うかなり古い時代の事であった。

CD発売された当時はレコードとCDのどどちらが音がいいのか?はオーディオ雑誌でもよく取り上げられていたがオトキチ君は何時の時代にもいるようである、この世界に足を入れると入口さえ見えなくなる時が一番危険状態です。

この時期独特の湿度の多い梅雨時期は苦手であるが、田畑の成長時期には大切な時期であろう・・・

思えば今年も半年過ぎ、真空管アンプを聴き出し半年すぎやっと安定した音楽が聴ける様になってきたやはり演奏に使うピアノは圧倒的にスタインウェイ・グランドピアノが多いようである。スタインウェイ・グランドピアノは、初期の最上のコンサートピアノの完成に満足することなく、現代に至るまで次々に改良を重ね、特許を取得している点が他のグランドピアノと異なる点です。

その設計思想は下記のポイントに要約されます。

強固な構造を持つこと、楽器全体がよく響くこと、高音域は繊細でクリアな音色、しかも豊かで伸びが良いこと、低音・中音域は豊かな音色でかつフォルテッシモ(最大の音)とピアニッシモ(最小の音)の幅、すなわちダイナミックレンジを広げること等が挙げられる。


上記は筆者の使うパワーアンプのSV-501SCは整流管の代わりに6BM8を初段MT管に使っているがこの管での音質の違いも少なくなく今まで多くのMT管を試し最近やっと松下製に落ち着いた。

お欠点はトランスの容量不足のために、大音量は苦手のようだ。だが家庭で普通の音量でのピアノ演奏は隅々まで良く聴こえるような事も含め製作しているのだろう、オーディオ装置でそこそこの音を響かせるのは至難の技共言えるが、小音量で今まで聴けなかった音が聴こえる感じになってきた。

さて真空管アンプに付いて最近聞いた話は昔のヴィンテージアンプのは真空管のポテンシャルを目一杯引き出しているため真空管が長持ちしないことがデメリットと聞く、其の点最近の真空管アンプは其の辺りを考慮して優しい設計をしていると聞く。

スタインウェイ&サンズの創設者ハインリッヒ・シュタインヴェーグは、1836年、ドイツ・ゼーセンの自宅台所で最初のグランドピアノとなる「キッチン・ピアノ」を完成させました。大規模なコンサート会場で、どのような小さな音を弾こうとも、会場の端までその美しい音色がはっきりとメロディを奏でることが必要であり、反対にどのような大音量で弾こうとも、その音色は豊かで美しく心に響くものでなくてはなりません。「神々の楽器」と呼ばれるもうひとつの理由がここにあります。

その他の違いは、スタインウェイのグランドピアノがすべて手作りだという点です。創業者のハインリッヒは、祖父は炭焼き職人、父は林務官という木に造詣の深い家で生まれ育ちました。このため、スタインウェイは伝統的に木材に対するこだわりが強く、グランドピアノの命である響板やリムなどの場所によって、適材適所の木材を選ぶ鑑識眼が脈々と受け継がれています。

グランドピアノの外側を囲む「リム」と呼ぶ板にもこだわりがあります。リムの美しい曲線は15枚から18枚の薄い板を貼り合わせた1枚の合板で作られています。その合板を一挙にグランドピアノの形に成型するという技法は、スタインウェイが開発したものです。

Bach: Partita No. 1, Gould (1959) バッハ パルティータ第1番 グールド 

誠に残念に思うはグールド盤は圧倒的にソニーレコードが多く敬遠してきたが、最近は長年の呪縛から開放されたようにグレン・グールド盤でJ.S.バッハは楽しんで聴いている。

特に「ゴルトベルク変奏曲」等の演奏中にブツブツとハミングして演奏する音はかなりシビアに再現されグレン・グールド盤だと感じる、オスカー・ピーターソンも演奏中にハミングするのがわかる。

勿論何度聴いてもグレン・グールド以上のピアノ演奏家は非常に少ないようだ。今まであまり聴かなかった事に大いに反省する。

筆者が思うが、J.S.バッハの鍵盤楽器を含め透明感のある演奏が良く聴こえ、楽器もむしろピアノ演奏よりハープシコードの演奏がバッハを聴くには良いと思っていたが、どうしてピアノ演奏も澄んだ透明感の強い演奏は数少ないので実に快く聴こえる。

押鍵された鍵盤はテコの原理でアクションに伝わり、ハンマーを上方向に跳ね上げます。力の方向が同一方向に伝わるため、アップライトピアノに比べ打弦エネルギーが2~3倍となり、ダイナミックレンジ(音の強弱)はより広く取れます。

ハンマーが自重で戻るため完全に戻らなくても次の打弦ができるため、素早い連打やトリルが可能です。また、アクション機構は、調整箇所が多いので繊細な調整や整音が可能のようです。ご家庭でピアノ導入されようと思う方は一番小さなグランドピアノ導入を薦める、アップライトと音が全く違う。

今回紹介する表題は「クラヴィーア練習曲集。プレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ、メヌエットおよびその他の当世風舞曲よりなる。愛好家の心を楽しませるために、ザクセン公およびヴァイセンフェルス公の楽長にしてライプツィヒの音楽監督、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲。

作品1、作曲者により刊行。1731年。」この曲集が「ドイツ組曲」と呼ばれたことがあるが、バッハに由来する名称ではないし、様式の上からもこれは適切でない。《フランス組曲》や《イギリス組曲》がそれぞれフランス的、イギリス的な典型とは言えないように、イイタリア語風に《パルティータ》とした。

演奏者はイルマ・イサカーゼIrma Issakadzeは1976年にジョージア州ティフリスで旧ソビエト連邦の最も著名な音楽家の1つに生まれました。彼女は3歳の柔らかい年齢で彼女の母親から彼女の最初のピアノレッスンを受けました。そのときイルマは短いピアノ曲を作曲しました。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番とジョージアン州立管弦楽団による9歳の時のソリストとしての彼女のデビューの後、彼女の特別なキャリアが始まりました。


「彼女こそ、グールドの再来」と評価される、話題の新人だそうである!
彼女の演奏は、アリアの冒頭から心が込められています。いかにも独創的な装飾音の付け方には少々驚く人もいるかも知れませんが、この独特な味付けに慣れていくとどんどん彼女の世界にはまっていくことでしょう。微妙に揺らす右手のメロディと左手のメロディが交錯したところに現れる不思議な響き。これは一体バッハに内包されるべき音なのだろうか? と戸惑ううちに、あっさりと終結部に至ります。アリアだけでここまで心が揺り動かされる演奏はそうそうあるものではないでしょう。
それに続く変奏の見事なこと。聴き手は30の異なる世界へと案内されることでしょう。例えば第3変奏での雄弁な左手の動きや、第4変奏での巨大な建築物がそそり立つような堂々とした音。曲が一つ進むたびに新たな扉が開いていくようです。音楽評では「グールドの再来」と言われています。しかし音楽の作り方は、グールドとは全く違うですが、もしバッハ演奏家の最大の讃辞がその言葉であるのなら、間違いなく彼女のための惹句となり得るでしょう。

筆者が思うに「ゴルトベルク変奏曲」を聴く限りはイルマ・イサカーゼの独特の癖がある演奏が気になった、音符は読めないがニュアンスの違いが気になる、確かにその辺りが彼女の魅力と言われれば、勿論うなずける事ですが・・・・


ここでも1曲1曲を磨き上げ、音に宝石のような輝きを載せて聴かせます。「パルティータ」とは、17世紀にはほとんど「変奏曲」と同じ意味であったジャンルですが、18世紀になると、舞曲と変奏曲の境が曖昧になり、「統一の主題と気分を持った組曲」という意味合いに変化したもので、このバッハの作品も大きな舞曲集に近いものと言えるでしょう。そんな曲集を彼女は丁寧に音にしていきます。

ゆったりとした曲の叙情性がたまりません。オーディオ機材の更新から一番魅力的に感じることは兎も角ピアノの高音の音色の何処までも伸びる透明度であろう、今までの音質との違いに驚いています。

昔聞いた話で子どもたちがピアノを習い初めバイエルを習得し次の課題は意外と多いのがピアノ学習者ならば必ず勉強する「インヴェンション(2声)とシンフォニア(3声)」(全曲)のだそうです。

これら15曲は、バッハが鍵盤楽器の習熟のために書いた練習曲とされていますが、無味乾燥さとは無縁の、創意と工夫に満ちた作品群です。

Partita No. 1 in B-Flat Major, BWV 825: II. Allemande

バッハの練習曲は番号が重なるに連れ難しくなり、番号で練習の進み工合がわかる。

  1.パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV.825

  2.パルティータ 第3番 イ短調 BWV.827

  3.パルティータ 第4番 ニ長調 BWV.828

  1.パルティータ 第2番 ハ短調 BWV.826

  2.パルティータ 第5番 ト長調 BWV.829

  3.パルティータ 第6番 ホ短調 BWV.830

【演奏】イルマ・イサカーゼ(ピアノ)

【録音】2010年3月21-23日, 5月3-5日 バイエルン放送 第2スタジオ

海水水槽を見ながら涼しい部屋で淹れたての熱い珈琲で、今週はデスクワークが続く。

J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988
 Disc1:アリア~第15変奏 [39:53]
 Disc2:第16変奏~アリア(rep) [45:24]
 イルマ・イサカーゼ(ピアノ)
 Grand Piano: Shigeru Kawai SK7

録音時期:2004年8月19~21日
録音場所:カリフォルニア、メディア・ハイペリウム・スタジオ

イサカーゼのデュナーミクは必要以上に強いものではなく、どちらかというと古来のアゴーギクによる表現が主体だ、ゴルドベルクはアリア主題の変奏が30個続くのだが、その内訳は3つの緩徐な変奏曲と1つの急峻なカノンをペアとして整然と並べたものだ。アリアの変奏は割と揺らぎの大きいアゴーギクで滑らかにゆったりと弾かれ、そしてカノンはどれもが耳を疑うほどの高速演奏で、これはグールド云々というレベルではないほど精密で高速だ。カノンでは時間軸方向の揺らぎは全く付けていない代わりに、僅かであるがデュナーミクを効かせていて心地よいバッハだ、彼女は自らの世界を構築することに熱心です。ここでも1曲1曲を磨き上げ、音に宝石のような輝きを載せて聴かせます。

伝記イルマIssakadzeは1976年にジョージア州ティフリスで旧ソビエト連邦の最も著名な音楽家の家に生まれました。彼女は3歳の柔らかい年齢で彼女の母親から彼女の最初のピアノレッスンを受けました。そのときイルマは短いピアノ曲を作曲しました。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番とジョージアン州立管弦楽団による9歳の時のソリストとしての彼女のデビューの後、彼女の特別なキャリアが始まりました。

バッハの『パルティータ』とは、17世紀にはほとんど「変奏曲」と同じ意味であったジャンルですが、18世紀になると、舞曲と変奏曲の境が曖昧になり、「統一の主題と気分を持った組曲」という意味合いに変化したもので、このバッハの作品も大きな舞曲集に近いものと言えるでしょう。そんな曲集を彼女は丁寧に音にしていきます。ゆったりとした曲の叙情性がたまりません。今後のバッハの試みが楽しみでもあります・

彼女は、ロシアのピアニストおよび教育学者であるウラジミール・クラネフと共に、ハノーバーの音楽大学で1996年から2003年にソリストクラスを終えるまで勉強しました。

若いピアニストの並外れた個性は、スペイン、イタリア、ドイツ、ジョージア、スイス、フランス、そしてアメリカの国際舞台で注目を集め続けています。

しかし最後にグレン・グールドのパルティータを聴いたが録音の音質はイルマ・イサカーゼ(ピアノ)が良いが、演奏はやはり筆者としてはグールドが良く聴こえた、やはりこの差は大きい一般的な練習曲パルティータの演奏を聴けば基本をいかに忠実にレッスンしたかが演奏の差になるのであろう。

確かにこの辺りの音の差が感じられるのは伝統ある英国製スピーカーがよく解る、勿論スピーカーにより特徴はあるがその辺りがメーカーを選ぶコツかも知れない。

今週はデスクワークが続くバッハを聴きながらの時間に。ブラボー!