浦項の九龍浦から虎尾串(ホミゴッ)まで行きたいので喫茶店「古里」の人に
バスか何か無いかと聞きましたが「それだったらタクシーで行ったらいい。私が頼んで
あげる」とタクシー会社に電話をしてもらいました。
すぐ、「普通20000w(日本円1600円)を10000w(800円)で行ってくれるそうです。」と
笑顔で教えてくれました。「それは有難い」
九龍浦から虎尾串までは、約10km。
このタクシー制限速度80kmの所を130kmぐらいで走り、赤信号の所もノンストップ。
いくら熟知した道でもそれはないだろうなどと思いました。
タクシーは、約5分で虎尾串に到着。勿論10000wでした。
「虎尾串」とは、韓国の地図を虎にたとえるとちょうど尻尾の所がこの虎尾串です。
(串は先端)韓国でも一番東側に属し、韓国で一番早く日の出が見れるスポットです。
私達が行った時は、もうお昼でしたので日の出はみえませんでしたが、
ここの名物は海にある「右手」のオブジェから日が昇るところです。
この「手のオブジェ」は、高さ5mぐらいでしょうか、海の中に立っています。
また、陸地側は公園で、陸地側にも「手のオブジェ」があります。こちらは左手です。
公園には、「延鳥郎と細鳥女」の記念碑も建っています。
この延鳥郎と細鳥女の伝説は次のようなものです。
「新羅第八代阿達羅王、四年丁酉 東海のほとりに延鳥郎と細鳥女夫婦が住んでいた。
ある日延鳥が浜辺で海藻を採っていると急に一つの岩が現れ彼を乗せて
日本へ運んで行った。その国の人々はただならぬ人物だと思い王に迎えた。
細鳥は、夫が帰ってこないので海辺に探しに行った所、夫の履物が岩の上にあった。
履物をとろうと岩に上がるとまた前と同じように動き出し日本に連れて行った。
その国の人達は彼女を見て驚き、王に報告した。夫婦は再会し細鳥は、
貴紀に定められた。
この時、新羅では太陽と月の光が消え去った。
日官は「わが国にいた日月の精が 日本に行ってしまったためこのような異変が起こった。」
と奉上した。
王は使者を日本に送り帰国するよう頼んだが、延鳥は応じなかった。
「私がこの国に来たのは天命によるものである。従って帰ることは出来ないが、
我が貴紀が織った絹があるのでこれをもって行き天を祭れば
日月の光が戻るであろう」と言い、絹の織物をくれた。
使者は帰国しその通り祭ると日月の光が戻った。
絹の織物を王宮の 倉庫に保管 国宝とし、その倉庫を貴紀庫と呼んだ。
祭典した所を「迎日懸」又は「都祈野」と名付けた。
この伝説を、日本の歴史学者は天照大神、スサノオノミコトなどの説がありますが、
無知な私にはわかりません。ただ、高貴な神様ではないかと思われます。
虎尾串公園には、灯台もあり、灯台記念館などもあります。
1周して見ますと海の中に韓国語で「竹島は韓国の領地だ」と書かれた垂れ幕も
あります。この日本海(韓国では東海)の東の方は、島根県なんです。
一通り回り、浦項に帰ろうと思い、バスの時間を公園の受付の方に聞いてみると
九龍浦行きのバスが12時40分に出ると言われ、バス停を教えてもらいその場所に行く。
然し、12時40分になってもバスが来ない。よくよく見るとこの時刻表始発点の時間を
書いてます。ですからこの公園前には、いつ着くかわかりません。
この公園には、自家用車が入ってきています。
そこで考えました。ヒッチハイクです。
日本では、よく外人さんがヒッチハイクをしていますね。
私もここでは外人、その真似です。(笑)
「浦項」と韓国語で書き、公園から出る車に見えるように掲示します。
殆どの車は無視していきますが、1台だけ止まってくれました。
「何人だい?」と韓国語で言ったのでしょうか、すぐさま「2人」と返事というか、指で2の
マークをします。すると止まってくれた車、1人だったら乗れるけど2人は定員オーバーだ
と走り去りました。 残念です。
そのあと、このバス停に一人のおばさん(オムニ)がやってきました。
現地の人だったらこのバスの時間がわかるのではないかと家内に
片言の韓国語で聞いてもらいます。
このオムニ 家内の韓国語が通じなく、しばし無視されます。
また、家が近いのかすぐ家に帰りました。
しばらくするとまたこのバス停にやってきます。
また家内の片言の韓国語で聞いてみますが、ようやく我々のことがわかってくれた
ようでバスは行ったばかりであと1時間ぐらい待たなくてはいけないと
いうようなことを教えてくれました。そして、今から娘の所に海産物を持って
行くところだ。なども言われました。タクシーがあればタクシーで行くのだが
このあたりはタクシーがつかまらない。
といってまた自宅に戻られました。5分後小さな荷物を持ってまたバス停へ。
その荷物我々にあげるといわれるんです。
中を見ると「干し若布」です。私は海女でこれは、私が海で採って来たものだ。
と言われる。ここで干し若布をいただけるなんてもう想定外です。
私も何かお返しにとバックにつけていた大阪の「ビリケン」のストラップを
「お金が貯まるもの」といって渡しますが、受け取っていただけません。
日本語で言うところの「気持ちだけ」という意味でしょうか、そんなジェスチャーを
されます。いやぁ、あんなに黙っていたオムニがこんなに親切だなんて・・・・・
今回の韓国旅行、家内が毎日韓ドラを見て、少々の韓国語がわかってきたみたいで
家内の片言の韓国語が通じるかどうかの試しの旅でもありました。
然し、こんな贈り物をいただけるなんて本当に有難かったです。
韓国の方は本当に親切です。
このあとですが、、オムニが知っているタクシーが来ましたので
割り勘で九龍浦まで行きました。これも10000wでした。(我々が払ったのは5000w)
タクシーを降り、オムニにお礼を言い、九龍浦から出ているバスセンター行きのバスに
乗って帰りました。