ノーベル賞に輝くほどの頭脳を誇り、数多くの患者の命を救ってきた医師
マイケル・モービウス(ジャレッド・レトー)。しかし、治療法のない血液の難病を
幼い頃から患っており、身体はやせ細り松葉杖を使わなくては歩くことさえ難しかった。
病が命をむしばんでいくと感じた彼は、コウモリから採取した血清を投与するという
治療に懸けてみることに。その結果、病気は回復するが、超音波を発して周囲の状況を
感知する能力や飛行能力を手にすると同時に、血液を激しく欲するようになってしまう。
スパイダーマンの敵役として登場するマーベルコミックのキャラクター、モービウスを
実写映画化マイケル・モービウスは悪人でも悪党でもない・・・
ただ普通の人生を送りたかっただけ…病気で困っている人を助けたかっただけ…
自分を含めた人達への救済の道を探していたけど、先に進むためにその道を
踏み外してしまっただけの悲しい悪役です。 結果的に人殺しのクリーチャーにはなって
しまったがモービウスは天才的な頭脳を生まれ持ってしまった為に自身や友人を蝕む
病気への解決策を見つけてしまった。『天は二物を与えず』という言葉が本当に当て
はまりますね。でも、天才でなかったら普通に死んでいた訳だし・・・
これも運命なのかなぁ、と悲しさを感じつつ注射をキメたら・・
キャプテンアメリカなら倒せそうな戦闘力を発揮した場面はさすがはマーベル映画、
いきなりド迫力でチンピラ雑魚兵士をぐちゃぐちゃにして常時瀕死状態のガリガリ男が
ムキムキマッチョマンに大変身?!
少々暗くて見にくい場面もあるけど、吸血蝙蝠の能力を使った場面は見ごたえ抜群で
使い古された題材でもあるヴァンパイアを現代版にオマージュしたような吸血衝動と
葛藤する悩める主人公にそしてモービウス自身が大変身した後の自己分析で、人を殺して
しまった事への罪悪感に本能を抑えられなくなってしまったらという恐怖と戦う姿と、
勝手にクスリをキメていた友人が衝動のままに暴れまくる対比が、モービウスをまだ
『悪役』にとどめていると感じられます。

ただ、冒頭の洞窟と蝙蝠が、物語にどう繋がったのかが、ちょっと
理解できなかった ☆☆☆