今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

黒の日

2006-09-06 | 記念日
今日(9月6日)「黒の日」
京都黒染工業協同組合が1988(昭和63)年に制定し1989(平成元)年から実施。
「く(9)ろ(6)」(黒)の語呂合せ。伝統染色の黒染めをPRし、黒紋服や黒留袖の普及を図る日として、創設されたもの。
黒留袖や、葬儀のときに着る喪服などを黒色に染める黒染技法は、技術的に非常に難しいものを要求されるものなのだそうだが、喪服などでも洋装が普及していることから近年は売上が低下、今後、その高い技術を継承していけなくなるのでは・・との危機感から設けられたようだ。毎年この日には東京や本場の京都などでキャンペーンが行われるようである。
「黒の日」があれば、当然のように「白の日」( 4月6日。 「し(4)ろ(6)」の語呂合せ。)もあり、単に、「色の日」( 1月6日。「い(1)ろ(6)」の語呂合せ。色に関係する職業の人の記念日)もある。
(英語では、“black”)とはの一つで、無彩色。煤(すす)や墨のような色である。が人間の可視領域における全帯域にわたりむらなく感得されないこと、またはそれに近い状態、ないしそのように人間に感じられる状態をいう。光の黒は、光がないことを意味し、光の三原色で言えば3色ともない状態である。従って、本来ブラウン管では黒として発色することは出来ないため、TV映像では他の色とのコントラストの調整によって人の目には黒として錯覚させているだそうだ。
物体の黒は、すべての波長の光を吸収する色であり、絵の具の三原色の3色を混ぜると黒になる。黒色は昔から油脂類を燃やした煤(すす=ランプブラック)や鉱物の黒鉛(グラファイト)が使われてきた。黒鉛は平面状の分子がきちんと層状に積み重なったもので、分子が不定形に集合したものが煤。煤は現在カーボンブラックとして化学工場で大量生産されている。また絵具では植物を燃やして出来た炭素や動物の骨を燃やしてつくった炭素も黒色顔料として使われているそうだ。
人間の可視領域において6、3、1程度の強度で光が観測される場合、その色は「白」と表現される。一方、全帯域においてほとんど観測されない場合、その色は「黒」と表現される。人間の視覚が色を認識する際には、その光の波長を直接計っているのではなく、眼球の錐体細胞に含まれる3つの色素(「光の三原色」や「色光の三原色」といわれるもの)が光を吸収する割合を計っているに過ぎず、色は3つの光を合成することによって表現することができる。一方、物体の表面を特定の色にするための基本色は一般に「色料の三原色」や「絵の具(インク)の三原色」と言われ、シアンマゼンタイエローの三色を用いることは、プリンターなどで使っているインクを見てく分かるだろう。
このような視覚的な色とは異なる人間には感覚的な色がある。こで採りあげた「黒」に対してはその対比色として、よく「白」と「赤」が採りあげられる。
一般的に、黒はのイメージから、「」「」「恐怖」「災禍」の意味を付加される事が多い。その対象としては「善」、は「生」を意味付される。
これは、日本の伝統芸能の歌舞伎の世界でも見られ、歌舞伎の基調色は、やはり、「白と赤と黒」であり、「白は清浄と純粋さを示す色」、「赤は生命力を表す色」、「黒は紅白とは対照的に死や闇や無を表現する色」であり、歌舞伎の隈取りの描き方にも表されている。又、黒はどの色よりも強い色として使われることもある。喪服の黒、黒紋付の黒などがそれで黒を用いることで人物の輪郭がくっきりと舞台上に浮彫りにされる。ここらの事は、下記参考の「歌舞伎の美学」を見ると良い。
現在日本では、喪服の色は哀悼の意を表す意味として黒を着用していることが多いが、元来、日本の和服の黒は、目出度いものであった。今でも婚礼で親族の既婚女性は黒留袖を着ることになっているし、祇園や浅草などの花街では、黒の紋付きで新年を祝うのを見ても分かる。
『黒』は、特に警戒すべき者が記載された名簿を「ブラックリスト」、又、ぞっとさせるユーモアを、「ブラックユーモア」と呼んだり、ブラックマンデー暗黒の木曜日(ブラック・サーズデー)など、異常な株価下落に対して「ブラック」が用いられることもあり、碌な使われ方をしないが、黒は「格式」「公式」又、荘重かつ、端正なイメージを与えることからスーツや婚礼用衣服などにも使われる。又、黒は宇宙を連想させ神秘的な印象を与える色でもある。
そして、黒は政治的にはアナキズムを象徴し、マルクス主義の「赤」が血の象徴であるのに対してアナキズムの『黒』は「死」を意味し、死するまで自由のために闘うという意味で意志の強さを表している。また、ファシズムを象徴する。これは、父親がアナキストだったベニート・ムッソリーニが、その影響から黒シャツ隊を形成したりしたことに由来する。日本でも、古来から『黒』は天皇家の臣下を意味する色として利用され、右翼の街宣車は黒で塗装されている物が多い。 そして、『黒』は何色にも染まらないという点から「中立」のイメージを持ち、裁判官の法服には黒が使われており、これは、多くのスポーツの審判も同様である。
このように『黒』は必ずしも悪いイメージばかりでなく、祝祭のものとしても使われていたものが、哀悼の意を表す黒に変わったのは、1897(明治30)年の、明冶天皇の嫡母、英照皇太后の葬儀の時だった。明治政府は、哀悼の意を示す方法として、服の左腕や旗の上部に、黒の腕章、記章、布などをつけるよう告示したのが始まりのようである。
もともと日本の喪服は白であったが、明治までに一度黒に変わったことがある。それは、718年に養老喪葬令が出されて「養老喪葬令」に天皇は直系二親等以上の喪に「錫紵(しゃくじょ)」を着るように定められたのがきっかけだという。当時の注釈書によると、「錫紵」とは「いわゆる墨染めの色」のこと。これは中国の『唐書』に「皇帝が喪服として『錫衰(しゃくさい)』を着る」と書いてあり、この中国の制を真似して定めたものと考えられている。ところが、実は唐でいう「錫」とは、灰汁処理した目の細かい麻布のことで、それは白い布のことなのだが、これを金属のスズと解釈し、スズ色、つまり薄墨に染めてしまったというのである。そして、平安時代になると、薄墨だった色合いも次第に濃くなっていき次第に黒い方が深い悲しみを表現すると考えられるようになったというのである。しかし、室町時代になって、喪服は又白色に戻り、江戸時代まで引き継がれている。それは、日本人にはやはり白色への特別な思いがあったからであろう。そして、貴族社会では黒い色になっても大衆の間では、古来より受け継がれていた伝統的な白いものがずっと使われていたようだ。その理由として、伝統を受け継ぐこととは別に、白い布を黒く染めるには染料もいるし、手間もかかり、昔は人の死を「穢れ」と考えていたので、一度着用した喪服は処分していたようで、そんな手間をかけたものを庶民が簡単に捨てたとは考えにくいからだ。そうして、基本的には明治まで白が続いていたが、明治政府の「欧米化政策」に伴い、明治天皇の葬儀から、欧米に合わせて徐々に喪服が黒になっていったようであり、1911(明冶44)年には、今の喪服に直結する黒の上下に黒ネクタイなど、黒ずくめの服装が、皇室喪服規定で定められるが、一般の庶民に広まるきっかけになったのは、第二次世界大戦が終結してからだという。当時、喪服専門の貸衣装屋が、汚れが目立たないからという理由で、喪服を一斉に黒に統一したのを機に「黒の喪服」は広く世間に行き渡り、現在に至っているのだとか。この辺のことは、以下参考の「勘違いが生んだ黒い喪服」、「きもの大辞典/黒紋付と喪服」などが詳しい。日本人にとって黒の喪服は、二度にわたって外国から入ってきた習慣の左右されたといえるが、死装束の白は今も変わっていない。また、地域によっては、今でも白喪服で行われているところがある。以下で白喪服の葬儀の様子が見れる。
葬式に関わるお話 →http://homepage3.nifty.com/byp/sousiki5.htm
話は変るが、松竹芸能所属所属の女性2人のお笑い芸人コンビにオセロ」がいる。コンビ名の由来は、2人が色黒・色白と対照的でオセロの白黒の駒を連想させることから来ているが、色白の松嶋があっけらかんとした性格であるのに対し、色黒の中島はどこかお局様的で腹黒いという含みもあるそうだが、私なんかが見ると、色黒の子の方が機転が利き頭も良いし、見ようによっては、理知的で美人に見えるときもある・・・。何でも黒い方が悪いようにするのは可哀想だね。
ところで、黒歴史って。知ってる?私は、このブログ書くまで知らなかったが、TVアニメ『∀ガンダム』における過去の歴史、『∀ガンダム』を除く全てのガンダムシリーズにおける戦争の歴史のことでだそうである。
『∀ガンダム』(ターンエーガンダム、Turn A Gundam)はサンライズ製作のテレビアニメで、「ガンダムシリーズ」の一作。『機動戦士ガンダム』以来作られてきた「ガンダムシリーズ」の中で語られてきた歴史を「黒歴史」と呼んで収束させた、それらの完結篇とも言える作品だそうである。『∀ガンダム』の(全称記号)という記号は、数学や論理学に用いられる「全てに対して」「全てを含む・包括する」(正しくは「任意の」)という意味の記号であり、「∀ガンダム」にはガンダムを総括したいという思いが込められているのだとか。本来、『黒』には「不吉なもの、よくないもの」という意味の他に、全てを混ぜ合わせた色という観点から「全てを包含する」という意味もある。黒歴史はそれまでの「封印されていた争いの歴史」であり、転じて、「触れてはいけないこと」「(当事者が)忘れたい、なかったことにしたい恥ずかしい過去のこと」を指すのだとか。
ある程度年を重ねたものなら、誰にでも、そういった、忘れたい、なかったことにしたい、触れられたくない過去ってあるんじゃない?私なんかでも、若い頃を思い起こせば、人には言いたくないことが結構あるよ。そのような過去は、きっちりと封印しておきたいよね。貴方なんかはどうですか??
(画像は、江戸時代の武家の葬列。『諸艶大艦』国立国会図書館蔵。NHKデーター情報部編ヴィジュアル「百科江戸事情」より。葬列には白い喪服を着用している)
参考:
黒 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92
歌舞伎の美学
http://www.kagizen.co.jp/kiraku20.htm#d
きもの大辞典/黒紋付と喪服
http://www.suzunoki.co.jp/kimono/dictionary.html
勘違いが生んだ「黒い喪服」
http://www.athome.co.jp/academy/culture/cul18.html
オセロ (お笑い) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%AD_(%E3%81%8A%E7%AC%91%E3%81%84)
皇室服喪令(明治42年皇室令第12号 中野文庫)
http://www.geocities.jp/nakanolib/kou/km42-12.htm
養老律令 Wikipedia (ウィキペディア) 記事検索 - goo
http://wpedia.search.goo.ne.jp/search/%CD%DC%CF%B7%CE%A7%CE%E1/detail.html?LINK=1&kind=epedia
葬儀|日本文化いろは事典
http://iroha-japan.net/iroha/B05_initiation/11_sougi.html
襄公 (晋) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%84%E5%85%AC_(%E6%99%8B)
葬式に関わるお話
http://homepage3.nifty.com/byp/sousiki5.htm