最大の防衛能力を身につけるためには
世界中が
等しく必要とするものの供給権を
逸早くもてば よい
アメリカは戦後
それに成功した国であった
原油を必要とする国は
アメリカの通貨であるドルで決済しなければならない
世界中から掻き集めた富の使い方を
歴代の米政府は誤り続けてきたのだった
そのために
核の拡散を伴う軍事予算の増加(軍拡)と
テロによる破壊活動とを
結果として
同時に生み出す時代を引き寄せたのだ
石油資源を必要とする国では
自国通貨を売って
ドルを為替市場で調達しなければならない
この事情が石油・ドル本位制というものを成り立たせている
ドルを得るために売り渡したその国の通貨は
ドル資本の手によって
当該国の市場で生み出された収益と
もともとそこにあった固有の資産とを
ドルを持つ者の手へと
引き渡すためのビジネスとして使用される
ドルを買った国が等しく貧しくなっていったというのは
必然の帰結であった
中国市場では その経済成長が衰えたときから
13億人以上で成り立っていた消費市場も停滞する
バブル期の日本経済が強い螺旋状の経済成長を遂げていた間
ドル資本は
日本市場へ再投資するという循環作業を果てしなく繰り返していた
ドル資本がやってきていながらも
日本が貧困化していなかったのは
収益の本国への還流がおきずに
日本市場への再投資がおきていたからであった
バブルが潰れた後になってからは
失われた十年を経て
日本の景気は
いざなぎ越えを記録したほど長期間に及んでいたのだったが
国民にその実感は
まったく なかったという事実を思い出すがよい
外資が日本市場で獲得した収益を
すべて持ち去っていったからであった
ドルを調達する金利よりその国の経済成長率が低いとき
当該国の通貨は周期性を帯びた乱高下を繰り返し
株式市場でも予測不能な資本の流出がおきるようになる
このようにして
国外からやってきた流動性は
ローカル市場から逃げ出すのだ
利益を確定したそのあとで
余ったドルを用いたドル安政策で
資本の再流入がおきると
外貨の価値が高められ
資本の回収をより有利に進めることができるようになる
日本の国内市場でカネが回らなくなったというのは
資本の流出を止められなかった政府の無思慮が原因となっておきたこと
労働階級がそのシワ寄せを真っ先に受け
賃金の増加ではなく
その反対である収入の減少を
こぞって甘受せざるを得ないような展開へと陥ってしまった
外資導入を政策として掲げ
実行してきた当時の政府内閣が
日本にワーキングプアを誕生させ
国際金融資本の収益率を昨夏最大化したのだったが
その同じ年の秋には
もう
当のその国際金融組織が
呆気なく破綻してしまったのだった
その後 国際経済は
百年に一度という未曽有の不況へと突入することとなったのである
ドル資産を大量に抱え込んでいた国のうち
経済的に余力の残されていた国が集まって
G20と呼ばれる対策を討議するための会議を開いたのだったが
ドルの過剰流動性を点検せずに
資本の供出だけを参加国に行わせるよう仕向けたアメリカの意向に沿って
資本の増強だけが実施されることとなったのだ
急場を乗り切ろうと謀ったアメリカの意向を知らないすべての参加国は
国際経済の牽引役になるチャンスとこの危機を捉え
率先して資本の供出に応じたのである
国際経済は
ドル安政策の実行を是としたのだったが
産油国がもつドル資産が大きく目減りしてしまったことから
米政府はドル安政策を実施していなかがらも
その一方で
強いドルを望む
というステートメントを発表し続けるようになったのである
見え透いたリップサービスを真に受けなければならないほど
ドル経済圏を構成していた国々は
目減りする一方のドル資産を抱えて
それを処分することもできないという状況に喘いでいる
米国債を保有するという行為は
外貨準備高を増やすという意味をもつ
このため
国際市場で信用力が高まるのだ
だが
ドル安政策の実施でその通貨価値は
目減りする一方となる展開をたどることになる
帳簿上ではドル建ての価値に換算されているので
損失がでていてもそれは数値として確定したものではなく
国民の知るところとはならない
日本の場合
一ドルが360円だった時代に政府日銀が買った米国債は
いまでは90円の値打ちしかなくなっている
270円に相当する価値がドル安政策の結果
アメリカの債務残高から消え去ったということなのである
たとえ利息がついていたとしても
それが売ることができない処分不能の不良資産であるのなら
それは債権保有国にとって
何の意味ももたない
円高状態のときに
ドル資産を円転しようとするのなら
為替差損を同時に引き受けなければならない
その反対であるドル高円安の状態になっている場合にだけ
在外資産を取り戻すことができるのである
資本の流出がおきて困る米政府は
ドルが強くあるべきだと口では言いはするものの
実際には
ドル安政策をこれからも延々と続けていかなければならない立場なのだ
発行し過ぎて市場でダブつくようになったドルは
どこかの貿易黒字国に押し付けてしまうのが 手っとり早い
余ったドルでその国の通貨を買えば
それだけでドル安の状態が簡単に導ける
ドルを売って手に入れたその国のローカル通貨は
国に固有の資産であるところの不動産や農産物
加工品などのビジネスを一時的に活発化するのだが
その国の市場が生み出した収益の悉くが
ドルを提供した者の元へ向かって出てゆくのである
配当を実施する義務を
ドル資本は負っている
これが貧困を生みだしていたメカニズムの正体だったのだ
日本という国では
困ったことに
政府自らが外資を呼び入れ
国内市場を提供しただけでなく
円高となる状況を輸出産業に受け容れるよう強制していたのだった
この外資導入政策によって日本の輸出産業が蒙った損害は
計り知れないものがある
この損害を埋め戻す目的で
財務省と日銀は
為替市場へと率先して介入し
高くなった円を売って
ドルを買い
元の水準へと円の通貨価値を引き下げていたのである
この操作を繰り返した結果として
外貨準備高がどんどん高くなっていったということなのだ
無策以外のなにものでもないだろう
アメリカに従順な政府をもつと
国の産業と労働環境が同時に衰えるだけでなく
出生率までが下がっていくのだ
人口の減少は年金制度を根底から揺るがし
政府の税収全体を大きく引き下げるものとなる
こんなことを与党がこぞってやっていたのだったから
国が繁栄する道理はなかった
このことは 特定の政党だけの責任だけではない
問題点を指摘してこなかったすべての野党にも
同等の責任がある話なのだ
政権が交代したところで
これまでの政策を継続していこうとするのなら
国民の不幸はこれからも更に続く
国内経済はドル資本の跳梁を許し
市場を提供してその収益を持ち去るがままに放置した
その結果市場にカネが回らないようになり
低いとはいえ
経済成長が続いていた間を通じで
国民のすべてはその余沢を些かも受けることなく
衰弱を繰り返すのみの循環へと陥っていったのである
国の劣化は
紛れもなく
為政者が政策判断を誤ったことから引き起こしたものなのだ
日本が失った富で
アメリカの金融制度は急成長したのだったが
制御不能の状態へと自ら陥ってしまったのである
その過程で株高と原油高が同時進行するようになり
世界中がインフレの昂進に苦しむようになっていったである
資本の論理を極めたその果てに待っていたのは
金融システムそのものの自己崩壊という実に愚かな結末であった
これを先人たちは 自業自得と呼んで蔑んできた
世界中が
等しく必要とするものの供給権を
逸早くもてば よい
アメリカは戦後
それに成功した国であった
原油を必要とする国は
アメリカの通貨であるドルで決済しなければならない
世界中から掻き集めた富の使い方を
歴代の米政府は誤り続けてきたのだった
そのために
核の拡散を伴う軍事予算の増加(軍拡)と
テロによる破壊活動とを
結果として
同時に生み出す時代を引き寄せたのだ
石油資源を必要とする国では
自国通貨を売って
ドルを為替市場で調達しなければならない
この事情が石油・ドル本位制というものを成り立たせている
ドルを得るために売り渡したその国の通貨は
ドル資本の手によって
当該国の市場で生み出された収益と
もともとそこにあった固有の資産とを
ドルを持つ者の手へと
引き渡すためのビジネスとして使用される
ドルを買った国が等しく貧しくなっていったというのは
必然の帰結であった
中国市場では その経済成長が衰えたときから
13億人以上で成り立っていた消費市場も停滞する
バブル期の日本経済が強い螺旋状の経済成長を遂げていた間
ドル資本は
日本市場へ再投資するという循環作業を果てしなく繰り返していた
ドル資本がやってきていながらも
日本が貧困化していなかったのは
収益の本国への還流がおきずに
日本市場への再投資がおきていたからであった
バブルが潰れた後になってからは
失われた十年を経て
日本の景気は
いざなぎ越えを記録したほど長期間に及んでいたのだったが
国民にその実感は
まったく なかったという事実を思い出すがよい
外資が日本市場で獲得した収益を
すべて持ち去っていったからであった
ドルを調達する金利よりその国の経済成長率が低いとき
当該国の通貨は周期性を帯びた乱高下を繰り返し
株式市場でも予測不能な資本の流出がおきるようになる
このようにして
国外からやってきた流動性は
ローカル市場から逃げ出すのだ
利益を確定したそのあとで
余ったドルを用いたドル安政策で
資本の再流入がおきると
外貨の価値が高められ
資本の回収をより有利に進めることができるようになる
日本の国内市場でカネが回らなくなったというのは
資本の流出を止められなかった政府の無思慮が原因となっておきたこと
労働階級がそのシワ寄せを真っ先に受け
賃金の増加ではなく
その反対である収入の減少を
こぞって甘受せざるを得ないような展開へと陥ってしまった
外資導入を政策として掲げ
実行してきた当時の政府内閣が
日本にワーキングプアを誕生させ
国際金融資本の収益率を昨夏最大化したのだったが
その同じ年の秋には
もう
当のその国際金融組織が
呆気なく破綻してしまったのだった
その後 国際経済は
百年に一度という未曽有の不況へと突入することとなったのである
ドル資産を大量に抱え込んでいた国のうち
経済的に余力の残されていた国が集まって
G20と呼ばれる対策を討議するための会議を開いたのだったが
ドルの過剰流動性を点検せずに
資本の供出だけを参加国に行わせるよう仕向けたアメリカの意向に沿って
資本の増強だけが実施されることとなったのだ
急場を乗り切ろうと謀ったアメリカの意向を知らないすべての参加国は
国際経済の牽引役になるチャンスとこの危機を捉え
率先して資本の供出に応じたのである
国際経済は
ドル安政策の実行を是としたのだったが
産油国がもつドル資産が大きく目減りしてしまったことから
米政府はドル安政策を実施していなかがらも
その一方で
強いドルを望む
というステートメントを発表し続けるようになったのである
見え透いたリップサービスを真に受けなければならないほど
ドル経済圏を構成していた国々は
目減りする一方のドル資産を抱えて
それを処分することもできないという状況に喘いでいる
米国債を保有するという行為は
外貨準備高を増やすという意味をもつ
このため
国際市場で信用力が高まるのだ
だが
ドル安政策の実施でその通貨価値は
目減りする一方となる展開をたどることになる
帳簿上ではドル建ての価値に換算されているので
損失がでていてもそれは数値として確定したものではなく
国民の知るところとはならない
日本の場合
一ドルが360円だった時代に政府日銀が買った米国債は
いまでは90円の値打ちしかなくなっている
270円に相当する価値がドル安政策の結果
アメリカの債務残高から消え去ったということなのである
たとえ利息がついていたとしても
それが売ることができない処分不能の不良資産であるのなら
それは債権保有国にとって
何の意味ももたない
円高状態のときに
ドル資産を円転しようとするのなら
為替差損を同時に引き受けなければならない
その反対であるドル高円安の状態になっている場合にだけ
在外資産を取り戻すことができるのである
資本の流出がおきて困る米政府は
ドルが強くあるべきだと口では言いはするものの
実際には
ドル安政策をこれからも延々と続けていかなければならない立場なのだ
発行し過ぎて市場でダブつくようになったドルは
どこかの貿易黒字国に押し付けてしまうのが 手っとり早い
余ったドルでその国の通貨を買えば
それだけでドル安の状態が簡単に導ける
ドルを売って手に入れたその国のローカル通貨は
国に固有の資産であるところの不動産や農産物
加工品などのビジネスを一時的に活発化するのだが
その国の市場が生み出した収益の悉くが
ドルを提供した者の元へ向かって出てゆくのである
配当を実施する義務を
ドル資本は負っている
これが貧困を生みだしていたメカニズムの正体だったのだ
日本という国では
困ったことに
政府自らが外資を呼び入れ
国内市場を提供しただけでなく
円高となる状況を輸出産業に受け容れるよう強制していたのだった
この外資導入政策によって日本の輸出産業が蒙った損害は
計り知れないものがある
この損害を埋め戻す目的で
財務省と日銀は
為替市場へと率先して介入し
高くなった円を売って
ドルを買い
元の水準へと円の通貨価値を引き下げていたのである
この操作を繰り返した結果として
外貨準備高がどんどん高くなっていったということなのだ
無策以外のなにものでもないだろう
アメリカに従順な政府をもつと
国の産業と労働環境が同時に衰えるだけでなく
出生率までが下がっていくのだ
人口の減少は年金制度を根底から揺るがし
政府の税収全体を大きく引き下げるものとなる
こんなことを与党がこぞってやっていたのだったから
国が繁栄する道理はなかった
このことは 特定の政党だけの責任だけではない
問題点を指摘してこなかったすべての野党にも
同等の責任がある話なのだ
政権が交代したところで
これまでの政策を継続していこうとするのなら
国民の不幸はこれからも更に続く
国内経済はドル資本の跳梁を許し
市場を提供してその収益を持ち去るがままに放置した
その結果市場にカネが回らないようになり
低いとはいえ
経済成長が続いていた間を通じで
国民のすべてはその余沢を些かも受けることなく
衰弱を繰り返すのみの循環へと陥っていったのである
国の劣化は
紛れもなく
為政者が政策判断を誤ったことから引き起こしたものなのだ
日本が失った富で
アメリカの金融制度は急成長したのだったが
制御不能の状態へと自ら陥ってしまったのである
その過程で株高と原油高が同時進行するようになり
世界中がインフレの昂進に苦しむようになっていったである
資本の論理を極めたその果てに待っていたのは
金融システムそのものの自己崩壊という実に愚かな結末であった
これを先人たちは 自業自得と呼んで蔑んできた
