こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

こ と の は

2012-01-01 07:16:44 | Weblog
むかし

言葉には力というものが宿っていた

いま

それはどこか

遠くの

みえない世界

へと消え去ってしまった


さして意味のない

上っ面だけの言語で

人々はさまざまに会話し

何かを分かった積りで

安心しきっている

重さのないふわふわした

ことば

それは

もはや記号に過ぎない


空疎な情報をやりとりすることで

日常が営まれている

意味の重みのない話だから

語られた内容の殆どは

実を結ばない

不稔性の会話が

いたるところで行われ

時だけが

傍らを

ただ

通り過ぎてゆく


意味の消えた情報が

無数に飛び交い

そのうちの

大多数が支持するものだけに

肉体が群がる

価値を決める権利があるのは

マジョリティ

数の多さが真実を裏付ける根拠

となっている虚ろな世界

大多数が認めたものだけが

価値の基準と看做される

この世では

真実

というのは相対的な関係にあるもののこと

対象が変化すれば

判断基準は自動的に切り替わる

絶対的な真実は従って存在せず

価値は相対的な関係の中でのみたゆたう


ことばの軽さを埋めるために

より多く表現することで

足りなくなったものを補い

早口でかつ饒舌

であることが牽引力を引き立てる

こうして意味の抜け落ちた情報が

次々に伝播してゆく


不正確な知識が

エモーションを煽るとき

状況は一途に劣化する

政治経済の現状をみれば

目に余るものがある

教育とメディアが負うべき責は

はるかに重い


止まらない温暖化

ドルの過剰流動性

国家債務の一方的増加

国民の貧困

軍拡を進めるための理由になっている

仮想敵という名の不在の実態

テロル

拡散する核

ドル経済圏を支えるための外貨のすべて

過剰消費と階級格差の拡大


これら

すべての項目には

歴とした必然性があった

判断が正しいものであったのなら

不具合を生み出す余地など生じる筈がない


知の成果

が連れてきたものたちこそが

災いのタネだった

運用の正当性を検証しないまま

システムを保守しようとしてはならない

過ったことを知りながら

有効な手を打たない

これが過ちの本質であることを

その昔

孔子は既に語り終えていた


文明はたしかに進歩したのだったが

決して進化してなどいなかった

2500年前の識知が

その事実を現代によく伝えている


誤った事実をそれと悟らない人類に

地球は

安定していた気候の条件を

奪い去ることで報いている

この変化は

文明に対する警告なのだ

すべての問題は

相互にかかわり合っている

そのうちのひとつでも片付けることができれば

残された課題の一切は

一斉に鎮まる


ことだま は

知に基づかず

それを使う肉体にのみ

宿る
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