こ と の 端

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発 電 原 理

2012-03-25 09:48:07 | Weblog
電気を生み出すための一般的な方法は

電磁誘導の法則を基本とすることで成り立っている


これ以外にたくさんの発電技術があるのだが

普及しているのは

回転機方式の発電機の方が抜きん出て高い

効率がよいものであるからだ


変化する磁場中に置かれた導体には

電流を生み出す起電力が発生する

導通のない条件設定になっているところでは

電流が誘導されることはない


磁束密度と磁場変化の割合を設計してやれば

そこから一定の電力が取り出せる

電力とは

電流と電圧を掛け合わせたもののこと

100ボルトの電圧で1アンペアの電流である場合

100ワットの電力を消費できる能力がある


回転する仕組みの発電機は

磁場変化をそこに惹起するために

熱エネルギーを必要としている

化石燃料を燃やして

高圧の蒸気をつくり

それでタービンを回すことで

磁場変化を生み出すためである

水は地表に於いて

常圧で通常100°Cまでしか上がらない

ところが

蒸気を圧縮していくと

もっともっと高い熱が

取り出せるようになる

産業革命の原動力となった蒸気機関は

蒸気を圧縮することで

高い熱エネルギーを取り出すことを可能にし

巨大な動力を引き出していた

鉄道が大量の物流を可能にしたことにより

大量生産で絶大な経済効果を生みだした


電力分野で最先端とされる

原発の蒸気発電では

約280°C程度の熱で発電機を回しているのだが

火力発電ではその二倍ほども高い蒸気が求められている

蒸気を圧縮して動力を取り出すには

化石燃料を常時燃やし続け

蒸気圧力を一定の状態に保っていなければならない


回転式の発電機は

永久磁石と銅のコイルとで作られる

回転軸に永久磁石を取り付けることにより

磁束密度を高め

磁場変化を与え続けることにより

安定した周波数をもつ交流電流を生み出している

回転運動を行なっている条件が狂うと

電力品位は劣化して使い物にならなくなる

このため

火力発電所の燃焼炉では

発電の有無に関わらず

安定した化石燃料の消費が維持されていた

電力需要がいつ急増しても

即座に対応することができるための配慮が

化石燃料の消費を高止まりさせている


コイルは磁場変化があることによって

一定の電力が

いつでも発生できるようになっている

変化する磁場は

導体であるコイルに電流を誘導する起源となる

磁場変化の割合が高ければ高いほど

誘導される電流は増え

また

コイルの総延長距離が長ければ長いほど

誘導される電圧は高まる


50ヘルツの交流は

永久磁石を毎分3000回転させることで得られる

60ヘルツなら

3600回転という訳である

磁場変化の量が多い60ヘルツの方が

誘導できる起電力は高くなり

発電効率も向上するということなのだ


直流はプラスとマイナスが入れ替わらない

このため変化の割合は応分に低い

変化の比率という観点からみると

NとSとが切り替わる交流の方が

遥かに大きく優れたものになっている

交流の特徴の一つは電圧の制御が容易である

というその点にある

電圧を高くすることができれば

電流はその分だけ小さくなる

電力が電流と電圧の積であることから

一方が増加すれば

他方が低下するという関係になっている

変圧器で電圧を高めてやると

電流値は連動して低下し

送電線で生じる電気抵抗を受けて

失っていた電流の損失を減らす効果が引き出せる

送電線を太くする必要がないというだけではなく

高圧化したことによって

ロスなく遠方まで貴重な電力を輸送することが可能となった


だが

この交流送電の特徴が

温暖化を急がせている最大の原因でもあったのだった

消費者が節電しても

遠くにある発電所では

一定の回転数を維持していなければならない

このため化石燃料の消費を

発電所では常に続けていなければならなかった

つまり

節電には温暖化を止める効力そのものが

備わっていなかった

ということになる話なのである


最も低い電力会社側の送電電圧は

50ヘルツの地域で6600ボルト

60ヘルツなら7700ボルト

この電圧の違いは

磁場変化の割合の相違に基づいてあたえられたもの

要するに起電力の差の現れなのだ

毎秒50回転する磁場変化より

毎秒60回転する発電機の方が

その起電力は当然ながら高くなる

ものの道理とはこのことである


この発電と送電とを成り立たせている方法の意味を知らないと

効果のない温暖化対策に

国民の血税をやみくもに注ぎ込み

温室効果ガスの濃度をひたすら上げ続ける

という実に拙いサイクルへと自らはまり込む

国の財政状況の劣悪化というこの現状は

検証プロセスを蔑ろにしてきたすべての者たちの手によって

必然的に産み落とされた結末だったのだ

国民は指導者たちの不明に苦しみ

ただ黙々と効果のない節電に励むことしかできなくなっていく

経済環境と労働環境の一方的な悪化とは

その帰結であることを意味していた


問題は電力会社の秘密主義と

それに気づくことができなかった知識階級の

誤った認識が原因となっていた

というその点にある

発電原理を知れば

温暖化が何故止まらなかったのか

ということは理屈抜きですぐ判る


真実を知られて困る電力会社がもつその背景の一端を

誘導法則から窺い知ることができる

実に低劣な行為がまかり通っているこの世の中こそが

生命に負圧をかけている

状況が好転することなど

はじめからなかったのだった


問題の所在を知れば

どうすればよいのか

という程度のことはおのずから見えてくる


効率的な電源のあるべき最終相というものは

電磁誘導の法則の中に

はじめからちゃんと仕込まれていた

発電の原理を知った者は

有効解へと一歩だけ近づくことができるだろう


自然エネルギーが無効であったその理由も

同時に見えてくるはずだ

太陽光で交流を出力することが技術的に可能でも

100ボルトの電力を

6600ボルトの変圧器にまで戻すことはできない

ここが分かっていなかった


風力発電機の課題は

周波数を安定化させておくことがそもそもできない

というその点にある

直流出力になっていながら

蓄電装置も周波数変換装置もみられない


電力会社が買い取っているからといって

それが有効利用されているということはできない

火力発電所にかかっている負担が

自然エネルギーを導入したその分だけ

低下していることを示すデータは

どこにも存在していないのだ

化石燃料は常時安定的に消費されており

発電量を増やすことはできても

出力変動を起こさずに

国民が節電して浮かせた電力相当分を

化石燃料として減らすなどということは

本来できないことだった


地下資源を消費する割合は

今後ますます増えてゆくばかり

温室効果ガスの濃度は

同じ比率で増加していく一方となる

温暖化防止に関する全ての対策には

意味というものがおしなべて欠けている

それは

損失だけを

ひたすら生み出すという

最も愚かなシステムになっている
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