こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

有 効 需 要

2014-01-19 07:41:47 | Weblog
川のある地域に

今までなかった橋を架けると

人の行き来が

新たに

うまれる

高速鉄道をそこに走らせると

交通の便が良くなるのだから

ヒトとモノの移動は繁くなり

その変化が

資本の移動となって表れる

景気を刺激することになるそのきっかけ



当該地域へと与える

というよい効果がこのようにしてひきだせる

これを有効需要と呼ぶ


新規の需要がそこに生じれば

すぐに供給がそれに追い付く

この需給関係の成立が

ものと資本の移動とを

一層活発化させる


このとき

そこに存在していなかった

利益というものが生みだされ

需要と供給の関係が

より緊密なものとなる

個人の持つ消費意欲が高まれば

需要が増え

供給が生じて

そこに追加の利益までもが生まれ出る


利益があがるところに資本は

好んで集まる

人が群がる地域には

モノと資本とが押し寄せてくるものなのだ


道が新しくできたとき

物流は拡大し

巨大な資本が未開の地域へと訪れる


ひとが人を呼び

カネが金を呼ぶ


求心力という名のメカニズムの有無で

需要の有効性を知ることができる


求心力を生み出さない需要は

景気を刺激する能力そのものがなく

資本を大量に投じたとしても

一時的な効果しか得られない

やがて沙汰やみ

という結果を招くことは

これまでの経済政策がよく証明していることである


アベノミクスがこれからその代表例となるだろう

うわべを着飾っただけの経済政策に

実効性は宿らない

プラス方向へと拡大する需給の循環

を生みだすことができていなければ

乗数効果は得られない


デフレ経済は

この需要の減退

が起点となって引き起こされたもの

そこに量的緩和を強制して

資本を大量に投入をしたところで

新規の需要を生み出せなければ

投下した資本が滞留し

静脈瘤のように

銀行の金庫を一方的に膨れ上がらせる


担保能力を持たない

それ故に資本の流入を渇望する組織に

血流が満たされることはおきず

過去の努力の一切が

またしても水泡に帰す

それだけのこと


失われた20年と呼ばれていた期間を通じて

国は有効需要を生み出すことが

何一つできていなかった

認識能力の劣化

が国会を支配していたからである


さまざまな助成措置を講じていながら

景気を力強く反転させることが

できないまま

平然と過ごしている

拙い認識というものが

補助金頼みの経済政策という位置づけを

国の政策へと定着させた

そのことが

国の累積債務を20年で五倍にした


無効な需要に大量の資本を投下していたことにより

あらたな需要を生み出していないことを知りながら

無効な投資

を続けていけば

国の借金は増え続ける


バブル崩壊の起点となった1990年四月からかぞえて

これまでの23年間は

無駄な投資の山を築いただけなのだ

そして

1000兆円を突破するあの膨大な借金の山を

納税義務を持つ国民に

官僚と国会とが

意図的に押し付けた


量的緩和が利いている間に

有効需要を創出することができなければ

またぞろ

損失を

それ以上に積みあげる

今回の緩和は

次元を超えたレベル

だとされている

損失が確定したその場合

膨大な規模の国富が

追加の債務となって

国民へと更に残される


これまでちっとも減っていなかった

それどころか

却って増え続けている温室効果ガスの濃度をみていれば

温暖化対策のすべてに

実効が不在であったという事実を

国民は

政府より先に

理解し得る立場にあった


効果のない節電や省エネ努力に

膨大な量の資本を投じていながら

二酸化炭素濃度の着実な増加

という粗末な結果に

まなざしを向けることすら

してこなかった


効果のない投資を止めることだけで

損失を応分に減らせることはできる

それは債務負担の低減へと

繋がることなのだ

効果のない投資は

無効な需要を拡大し

空疎に満たすためだけのもの

だから景気が20年以上の長きにわたって

一向に回復しなかった

問題の本質は

実に単純

勝つ素朴


節電して発電所で燃やす化石燃料が減った事実は

一切ない

調べる気になれば

誰にでもすぐ分かること

検証を実施しないで

環境的に意味のない節電に

ひたすら励んできた

それが文明の実際の姿


温暖化対策に有効性がもし備わっていたのであれば

石油の消費は確実に減っていた

地下資源の利権に群がる勢力にとって

温暖化という問題を巧みに避けながら

石油の消費を増やすことが

利益を獲得し続けているための

唯一の手段

共通の前提条件となっていた


石油の消費を拡大していくためには

温室効果を止めたことにすることができる

何らかの効果と思しきものがありさえすれば

それでよい

温暖化を止めた積りにさせておくことが

できるのだから


異常気象のかずかずが

世界中で観測されるようになったのは

当然の報い


一向に減らない二酸化炭素の濃度は

発電で消費した地下資源が

節電していたその分だけ減らせる

とした法律を通過させていた国会が

安心して

石油を消費できるようにするための算段として

採用したというイキサツを

錯誤の背景として

永遠に持ち続けていなければならない


温暖化対策の有効性を

検証する義務を果たす努力を

これまで怠ってきた政策決定者たちは

効果のない対策であることを知りながら

すっかり

温暖化を止めた積りになっている

実に愚かなことである


強風が吹き荒れるようになり

集中豪雨はその密度を

過去に類例のない規模

と気象庁に言わしめるほど

急速に悪化させている

自然災害で落命した人の数は

年ごとに増えている


効果のない節電であったからこそ

電力会社にとっては

損失を直接高めるものとなり

二年後からは

節電努力を国民に求めない

という姿勢へと自らの姿勢を改めた

この変節ぶりには

まことに雄弁なものがある


節電に地下資源の燃焼を抑制する効果など

まったくない

蓄電池などの直流電源でなければ

節電効果は得られない

消費者にとって節電のメリットといえるのは

電気料金の請求金額を引き下げることが

少しばかりできるだけ


これが電力業界の収益を圧迫する要因の一つとなった

原発から火力へと電源を変更したということが

燃料費の高騰をもたらしたという理由は

みせかせのものに過ぎない

尤もらしく見えるものこそ

最も怪しむべきものなのだ


有効需要を生み出す効果があったのであれば

電力会社は

石油とガスの輸入量を大きく減らすことが

十分にできていた

燃料コストを削減したその分だけ

経常利益を増やす程度のことは可能であった

現実をながめると

電気料金は高まり続けており

二酸化炭素の大気中濃度は一貫して増えつづけている

温暖化を止める効果は

まったく得られていなかった

このことから

これまでの温暖化防止対策のすべてが

無効な需要となっていた

ということが見えてくる


橋を掛け替えただけなら

そこに新たな需要は生まれない

崩落事故を未然に防ぐための

新規の利益を生むことのない

それは後ろ向きの投資

でしかないからだ

これが有効需要には結びつかないとする

その理由


景気を回復させるためには

有効需要を生み出して

乗数効果を発揮させることが

効率的に

できていなければならない


バブル経済崩壊後にとられたあらゆる経済対策は

その悉くが

無効な需要を生み出すための対策となっており

不毛な結果を生み出した状態のまま



終わっていた

という事実が山のように残されている


今回の量的緩和が奏功したとしても

有効需要の創出に結び付かなかったのであれば

それは損失にしかなり得ない

無意味な経済政策を推進するための行為だということを

確定する時の到来は

近い


インフラが既に整備されている現状で

有効需要を生み出すのは

まさに

至難の業

生半可な認識で

対応できるレベルの話ではないだろう


経済が既にグローバル化しているのだから

国民所得を増やせば

相対的な変化を生み

コスト高という状態が誘導され

輸出競争力を殺ぐ

という結果を自らの行為で引き寄せる


価格競争力が低下するのだから

所得水準の上昇という

国民にとって望ましい結果は

一過性のものとなる

市場シェアを自ら狭める行為となって

産業全体にかかる負圧を

より高めただけ

という結末が意味として定まるのは

そう遠くない


労働賃金の上昇を期待することができない以上

生産コスト

流通コスト

販売コストなどの諸経費を効率化して

圧縮する以外に

有効な方法はない

そこで注目されたのが

これまで不可能だとされていた

エネルギーコストの圧縮であった


電気代が下がれば生産コストも下がり

タダの電気で走る移動体が普及することによって

流通コストを押し下げれば

販売コストにもその影響が波及する

環境負荷のないエネルギー創出法は

温室効果を減らすためのコストさえ

低下させるものとなり

災害で社会資産を復旧させるコストをも

減らす効果を発揮する


新規の需要を期待することができない

粗末な経済環境の下で

有効需要を生み出すためには

コスト効率を再点検することで

活路を切り開く道を

模索することができていなければならない
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