こ と の 端

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国 の 不 作

2014-11-30 10:11:24 | Weblog
既存の経済政策のすべては

バブル経済崩壊以降

90年から2014までの間

何の効果も挙げ得ていない

損失

だけが残された

国が負った莫大な規模の借金



貧困化を募らせていくこの現況は

まさしく

その結果として与えられたもの

政策判断の誤りを放置し続けてきた過去が

現在に祟っている


有効解は見出されるときを待っている


政策決定機関を構成する成員のすべてが

問題を問題として

認識することが

できずにいる

解決すべき問題は

未解決のまま放置され

外科的措置も

内科的措置も

共に無効となっていた


この現実を訝しいとも思わなかった


デフレから速やかに抜け出すためには

インフレへと戻してやればよい

そう考えた単純思考の内閣は

アベノミクスで失敗を重ねた末に

解散総選挙で体勢の立て直しを

目論んだ


政府内閣がこの先どう変わっても

有効な経済対策を導入する

その確率は

きわめて低い


問題認識能力の不在が

あらゆる対策から実効を奪っていた

その事実にさえ

未だ

まったく

気づかない

この国の劣化は

国会の愚かさに

帰因する

デフレ経済へと陥った次第を顧みずに

インフレへの転換を

単に急いだ

起きたのは円安への復帰



それによる輸入物価の上昇だった


問題の所在を

正しく

理解することが可能だったのなら

不具合の一切は

政策実施一年程度で

概ね解消されていなければならなかった

すなわち

止まらなかった温暖化は反転し

財政状態は健全化へと向かっていた

現実との乖離はどうなっているか

をみれば効果のほどは

すぐわかる


現実に学ばなければ

政策の有効性は引き出せない

無効な需要をどんなに増やしたとしても

それは損失の規模だけを膨らますのみ


経済が拡大基調へと転じていたのであれば

総需要は間違いなく増加し

底堅いダイナミズムを形成していた

上昇志向が導く

正のインフレメカニズムを

日本経済へと連れてくることは

できていた


要するに

経済成長のメカニズム



不毛な政策の強行で

断ち切ってしまった

ということが

バブル経済を破裂させ

その後の失われた十年を

倍の二十年へと拡大させただけでなく

デフレ経済を日本へと呼び込み

その対応策となる筈の

アベノミクスで

格差の拡大を

反対に速めさせようとしている


経済メカニズムというものは

統合されたシステムが生み出す

胴体に頭と手足を接合すれば

ニンゲンになる

という理屈は成り立たない


そこに欠けているものを

補ってやらなければ

どんな指導体制であったとしても

国の健康を取り戻すのは

不可能


選挙結果がどうであれ

国会にひとが不在なら

国民の不幸は

ただ単に

肥大する


全体の潮流が

拡大基調で維持されている時代には

メカニズムは所期の成果を導くが

システムの一部が

何らかの理由で外れ

円滑に機能しなくなっているのなら

全体を統合する根源となる

メカニズムの成立は

不首尾に終わる


消えてしまったメカニズムを再生するのは

無論

容易ではない

巨大なエネルギーを

新規に

与えてやらなければ

動き出す筈のものも

動き出せまい


一次エネルギーの与え方に

不備が隠されていたことから

アベノミクスは成果を導けられずに

国民の間にあった格差を却って広げ

輸入物価の上昇

という円安効果が生み出した局所的なインフレで

国民の可処分所得を

逆に

圧縮してしまった


まことに粗末な結果だけが

こうして

とり残された

個人消費が伸びていかなければ

GDPの拡大はない

全体の6割弱を占める個人消費の動態に

拡大方向の転換が起きなければ

経済は成長できずに失速し

リセッション

という負の結果

だけが

近視眼的なインフレ効果の申し子

として残される


国会に経済認識能力がなかったのだったからこそ

外部の「権威ある経済学者たち」に諮問し

個別に容喙させる

という経過を生み

専門分野に限られた

狭い見通しの数々を寄せ集めることにより

自発的な経済成長が

一向に起動しないパッチワークに

皆勢ぞろいして

戸惑っている

という現状を引き出した


コンポーネントの一つひとつ

がどんなに優れていたとしても

統合されたシステムとして

全体を機能させることができなければ

動かないロボット

と同じ

国民を生かす政治でなければ

国が劣化するのは

当然の帰結


システムとしてものごとを起動させるには

たましひ

というものが必要なのだ

自動車は極めて完成度の高いシステムなのだが

ドライバーが運転席に座って

意味のある操作をすることができなければ

ただの鉄の箱

でしかない


生体もまた同じ

細胞組織を有機的に組み上げることができたとしても

それだけでは

動かない

死体と生体とを分けるものが

そこに関与していなければ

どのような変化も生じ得ない


経済メカニズムを構成する主体であるニンゲンを

要素として取り込んでいなかったのだから

高度な理論を寄せ集めてみたところで

メカニズムを生み出すための個別の条件

を満たすことができたとしても

システムとして

それを機能させることは

できない


たましひ不在の肉体を

亡き骸

と呼ぶ

アベノミクスに魂はなく

理論の寄せ集めで着飾って得た

上辺だけのインフレ効果で

却って全体の劣化を

急がせた


その結果が

プラス成長している筈のデータで

年率換算したときに

マイナス1.6%の減少となって

表れた

この事実は

経済政策の失敗を

実によく伝えていた


問題認識能力のない国会であり続けているのなら

経済の復興を

国民は期待すべきではない

実効のない対策のすべては

資本の浪費に終わるのみ


その累々たる失敗の塚が

千兆円を突破した国の債務

となって残された


国会はバブル経済を破裂させただけでなく

その後の経済政策を延々と誤り続け

デフレ経済を国民に押し付けて

財政状況をひたすら悪化させてきた

一連の経過と結果とは

おしなべて

国会の不明に帰する


知識獲得の間口を広げるための教育というものは

思考力を退化させ

問題認識能力を奪い去る

知識がもつ意味を掘り下げる学習を怠ってきた

ということが

判断力のない選良と

国益を顧みない狭量な官僚の

生みの親


大局観の不在が

問題の本質を知識階級に

悟らせることを

分厚い壁が阻んでいる


モンダイの姿かたちをみなければ

有効な対策を導くことは

で き な い


まずはバブル経済を成り立たなくさせた

その経緯

の分析と解明から

改めて

始める必要があるだろう

その後に

デフレ経済を導いた判断の誤りへと進み

しかる後に

インフレへの転換を図る方途を

絞り込んでいくべきだった

失われた20年とは

失敗の歴史の謂い


原因を放置したままであったのだから

有効なメカニズムを起動させるのは

もとより不可能


対象を捉えても

己の不備を見なければ

粗末なこと極まりない

望ましからざる拙い結果が

粛々として押し寄せてくる


バブル経済を潰した時を起点とする

過去の24年間は

教育によって劣化した

思考力不在の時代であった


教育の在り方を見直せば

温暖化は既に止まっており

経済は有効需要の創出で潤い

ロスなく

経済発展に勤しむことが

夙に

できるようになっていた

国会はこの逆の行為を

血税から得た資本を大量に投じて

積極的にやっていた


無知ほど恐ろしいものはない


知識の量的拡大を競っても

その使い方を知らなければ

どんな成果も引き出せない

アベノミクスはその絶好の

見本

となったのである


教育制度と政治資質

の夫々の課題が重なり

負の相乗効果で

現在の日本となった


選良と官僚が知識によって汚染されているのだから

国民がその除染をしなければならない

というのは

なりゆき上の新たな義務

国の再生は

国民の覚醒に依存する


失ってしまった思考力を取り戻せ
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