こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

自 己 責 任

2016-05-22 09:59:33 | Weblog
国際経済の推進役



戦後

一貫して務めてきたアメリカで

政策金利の引き上げ

を中央銀行であるFRBが行うと

国内経済をコントロールする

ための選択肢は増えはするものの

ドル経済圏を構成する国家群のすべて



ドルを買い戻すための

自国通貨売り

を意味するドル高状態

が俄かに高まることとなり

海外からかつて

継続的に流入してきた巨額の資本が

投資国の市場から急遽引き揚げられ

元のドル

の姿へと戻ろうとする

機運が大いに高まる


低利で大量のドルを調達し

成長が見込める海外市場へと

それを投入し

そこで得た収益を

ドルで出資した企業や個人へと

効率よく分配することで

運用成績を高めた上

再投資の意欲を更に引き出すことで

資本の循環を加速させ

自らもまた高い利益を確保する

という仕組みを

ドル資本の一群は

国際金融資本と名を変えたいま

投資機会を模索していた

世界中に分散する組織と個人などから

資本を大量に吸い上げ

マネーゲームで莫大な利益を確保しながら

過剰流動性を手段とする積極的投資を行ってきた

利上げ実施による利幅の減少を避けるには

借入金の清算を急がなければならない


その動きが急であればあるほど

急速なドル高が発生すると同時に

投資対象とされてきた国のローカル通貨は

大量に売られて

急速に値下がりする破目となる


ドルを組織的に操っている組織

即ちドル資本と呼ばれている総体は

金利差と為替差とを

同時に得られるその立場を利用して

損失が発生する前に

複雑な通貨交換を巧みに行い

己の利益を

いつも

しっかりと

確保する


ドル売り圧力を受けて

ドルの流出を強制された

被投資国のすべては

望まない通貨価値の下落を強要され

輸出産業にとっては追い風だが

輸入産業にとっては向かい風

となる逆風の嵐に見舞われる

輸出産業が未成熟な市場で

ドルの海外流出が起きるとすると

輸入超過で貿易赤字が急速に膨らむ

市場の縮小は投資には不向き

負の循環はこうして始まる


ドルの発行国であるアメリカでも

ドル高の事情は同じ

急峻なドル通貨の上昇は

輸出産業に貿易赤字を積み上げさせ

輸入産業を育て育む


自動車の輸出が有利となるドル高は

日本では歓迎されるが

一次産品の輸入では逆に不利となる


中國の鉄鋼輸出にドル高は

アメリカにとって有利だが

財を輸入に頼るしかない中国では

資本財や生産財

などの分野で

支払額が増えて一層不利になる


米政府が円安に神経をとがらせているのは

自動車産業が生み出す経済効果と

各種の農産物やライセンス料など

が生み出す経済効果との乖離が広がり

国際収支をマイナスへと動かす惧れから


中国政府に対しては寛容だが

輸出部門で競合する関係にある日本に対しては

不寛容

というのは

まさしくものの道理


地下資源を決済するために

大量に供給した過剰流動性を希釈するには

外貨を大量に買って

資本洗浄効果のある海外投資

のために資本を仕向ける

というのが最も効果的な手法


これらの複合効果で

日本では理由のない

とされてきた異常な円高の

持続的昂進

がおきるようになり

ドルを売って買い取った大量の円が

再投資の手段となって

バブル経済を急速に膨張させた

日本市場で土地神話が崩壊した後

嘗てのドルは日本円となったまま

M&A(企業買収)へとシフトし

株式を公開している企業に

おしなべて

ホールディングカンパニー(持ち株会社)の傘下

へと組み入れることで保護し

企業の意思決定権を確保することが

流行となった

そのきっかけを与えた事例が

ホリエモンによるフジテレビの買収工作


大株主だったニッポン放送の株を大量に取得し

議決権を握って

テレビ放送を

投資企業の資本力で制御しようと試みた


一連の経緯は刑事事件へと発展することとなり

その後のドル資本の動向に

少なからぬ影響を及ぼした


リーマンショック以降

ドル余り現象と呼ばれるようになった

過剰流動性にまつわる

経済的変化のさまざまな様相は

中国市場を世界の生産基地にする

とした中国共産党政権に

大量のドル建ての投資を浴びせかけ

中国の通貨政策を

変動相場制へと組み入れようと図っていた

アメリカの利益がドル売りを支援した


だが

共産党政府はこのドル売り圧力の高まりを

大量の人民元を売ることで対応し

それが中国を短期間で

大量のドル資産

の保有国へと押し上げた

アメリカにとっては

誤算となったこの経過が

中国を軍事大国となるよう

その後方向づけたのは

紛れもなく皮肉な結果


売りつけられた大量のドルを買っても

それは米政府が自由に使える資本の供与に他ならず

敵に塩を送る行為

であることを悟った後

米国債を買うのではなく

出遅れていた海洋進出を急ぐための

害軍力の増強

を図るための手段として

ウクライナから中古の空母を買い入れ

安定していたミリタリーバランスから

平衡性を失わせ

アメリカの安全保障政策に

重大な悪影響を及ぼしただけでなく

南シナ海で恣意的な埋め立てを急がせもした


この転機となった出来事を境に

中国大陸からドルの大量流出が先鋭化し

ドルの本国回帰を抑制する目的で

人民元の通貨価値を意図的に引き下げ

ドルを買い戻せば為替差損が発生する

レベルにまで通貨価値を

自らの手で引き下げるよう導いた


人民元の通貨価値が下がり過ぎれば

ドル資本によるドルの買戻しは

為替差損を発生させやがて終息する

これが中国を為替操作国と見做す

というアメリカの警告を呼ぶこととなり

ドルの海外流出を

共産党政府では止められないようにした


下がり過ぎた人民元の価値

を元の水準へと

高めようとして

共産党政府は人民元の買い戻し

を行わざるを得なくなり

外貨準備を取り崩し

ドルを大量に市場で売り

人民元の通貨価値を引き揚げなければならない立場へと

引き戻されて追い詰められた

というのもまた皮肉な経過というべきこと


人民元を無制限に発行し続けることができていたのは

買い取ったドルという名の資産が大量にあったから

資産のない国が自国通貨を大量に発行すれば

通貨価値はたちまち下落して

ハイパーインフレを引き起こす


中国政府が短期間で豊かさを手に入れたのは

ドルの持つ過剰流動性が

然らしめたものであるに相違ない


中国政府にドル資産がある限り

人民元の通貨発行権は

その範囲内で

安全に保持できる


人民元の発行量が増えすぎて

保有するドル資産を量的に超えた時

中国市場にインフレの嵐

が押し寄せる

ドルに過剰流動性が付随したように

大量に供給された人民元にもまた

過剰流動性が付いて回ることになる


これを希釈する目的で

人民元経済圏の成立を急ぐ必要が

中国市場に俄かに生じ

アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設を

共産党政府に急がせた


バックグラウンドの変化を点検すると

政治と経済の駆け引きの実態が

芋づる式に見えてくる

問題の本質は

ドルの過剰流動性の昂進

という事態にあり

それを生み出した地下資源の決済通貨

としての役割が

巡り巡って

ドル経済圏だけでなく

人民元経済圏構想をさえ

生み出すに至らしめた

というプロット

が視覚化されて浮き上がる


一連の変化は政治と経済の分野

だけでなく

環境の分野においてもまた

温暖化という現象を

先行させた


経済成長を急ぐためには

エネルギー消費は欠かせない

地下資源を輸入する必要性の高まりは

石油消費国にドルを買わせる動機を与え

高くなり過ぎたドルの価値を

米政権が引き下げる目的で

ドル安政策の実施を85年にG5へと義務付けた

日本のバブル経済はその直後から発生したものであり

90年四月まで続いた

政府内閣が不動産融資に関する総量規制

を半年前の89年10月に決定していた

ということが

バブル崩壊という劇薬となることなど

知る由もないほど無能だった国会が

日本経済を失速させ

不作為の三年と

それに続く失われた十年を呼び込んだだけでなく

更にその期間を倍にするという

余りにも愚かな経過さえ残すこととなった


これにより金融機関は再編を余儀なくされ

メガバンクを誕生させて

不良債権を消す目的で

融資を引き揚げて公的債務を完済し

新規貸し付けを拒んで貸し渋りを生み

それが中小企業経営者を

自死するよう追い詰める結果となった


この経緯を未だに理解できない国会の成員すべてが

国民の暮らしから豊かさを取り上げておきながら

その責任を自覚せず

効果のない対策を推し進めるために

血税を財源とする予算を組み

無駄な投資に明け暮れて

一向に浮揚しようとしない経済を変えようとして

またしても効果のないことが分かっていた

所謂アベノミクスを導入し

累々たる失政の屍の山を積み上げてきた


国をこれほどまでに衰えさせたその原因とは

国会に犇めいている

頭脳は明晰だが

自覚のない大馬鹿ども

の所業であった

それ以外に何一つとして

理由など

存在しない

これこそが

教育の失敗を証すために

人に気づかせるための避けがたい損失

という意味をもつその経過


知識だけあっても

その意味を理解できなければ

教育投資は

ただの無駄


環境投資の失敗と

教育投資の失敗とが

重なりあって

有効需要となる筈の経済効果を自ら潰し

無駄と損失の山を

91年春以降

累々と積み上げてきた

国の借金が膨大になり

国民の暮らしから豊かさを奪わせたのは

指導者層を構成する

頭は良くても使い方の悪い

己の無知を悟れずにいる

高等教育の犠牲となった

大量のばか



それを再生産する困った仕組み


いまや

その影響は

企業経営者へと及んでおり

大企業のトップが

連なって頭を下げる

景色に事欠く日は稀

というありさま


問題認識能力の欠如は

知育偏重へと特化した

既存の学力重視型教育

の普遍化

に帰すべき事案


いずれの課題も

思考力があれば

回避することは難なくできていた

自覚なき指導者が

止まらない温暖化と

デフレ経済による消費の抑制

と増税が生むその相乗効果

そして

テロによる政情不安

と大量の戦争難民

更に

一向に実現しない

アベノミクスなどを

こぞって

いま

まとめて生み出す事態へと

至らしめた
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