こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

知 者 の 痴

2016-09-24 19:06:11 | Weblog
経済成長を望むなら

エネルギー消費の増大

を急がなければならない

生産が効率的にできれば

消費を刺激して

資本の流動化

が可能になり

投資が集まって

其の国の市場は活気づく

とされてきた


エネルギー資源を確保することができなければ

経済の持続的成長は

不可能

石油消費国の総ては

地下資源を確保する目的で

産油国と長期輸入契約を結んできた


エネルギー資源を決済するための通貨

となっているアメリカのドルは

世界中の石油消費国からの需要を満たすために

為替市場で

外貨と交換することで

その供給量を増やし続けてきた

ドルの供給量は巨大化しつづけ

ドル余り現象を

国際経済の反応場で

潜在的に保持し続けることを

アメリカの義務とした


ドルと交換する外貨の魅力が高ければ

ドルの供給量は単純に増え

その国のローカル通貨の価値は

買われて高くなる


農業国のローカル通貨なら

当該国の市場に成長余地が少なく

ドルの供給者の目に魅力的とは映らない

このケースではドルは売り惜しまれて

プレミアがつきその価値を逆に髙める



為替相場には

強いドル



弱いドル

との二種類のドルがあるのだ

この差を経済に持ち込んだのは

ドルの供給を担当してきた

複数の組織体

嘗てドル資本とよばれていたのだが

ユーロが誕生したことによって

国際金融資本と総称される

身分となった

この時から

ドルの相場を資本供給量で

自在に演出することができる

権能を身に着けた


石油消費量が最大化

した石油ショック後の80年代には

ドルの通貨価値は

当局の制御を逸脱して

市場の都合で勝手に高騰するようになり

強さを増したドルは

その価値を一層高め

農業国であると同時に

工業国でもあった

アメリカの貿易輸出をドル高状態が圧迫し

その後のドル安政策をアメリカに取らせる

きっかけとなったプラザ合意へと

行き着いた


当時の主要国であるG5に

一斉協調介入を働きかけたアメリカが

ドル安政策に対する合意を引き出し

即日実施へと持ち込んだ


ドルに対する需要が

世界規模で

大いに高まっている状況下で

価値を高めつづけるようになったドルを

元の水準へと戻すためには

協調介入という方法しか

当時残されていなかった


現在のようなドルの押し売り

と呼ぶべき行為など

誰一人思いつきもしなかった

このような牧歌的だった経済

があったのどかな時代が

やがて資本の論理を先鋭化させていった


この時の学習効果が

信用経済で統一された枠組みを



強い力で追い詰めている

反動形成

を侮ってはならない


石油の需要を増やした途上国などが

決済通貨となっていたドル

の価値を引き上げたということが

プラザ合意の成立を急がせた


アメリカのドルは世界中に

残る隈なく浸透するようになっており

その状態がドルを

過剰流動性と呼ばせていた


アメリカがドルの大量供給を

長期間実施してきた

ということが

ドル安政策の実施を急がせ

ドルを売ったその代わりとして

大量の円へのシフトを導いた

日本ではこうして土地神話を前提とする

不動産バブル経済が発生し

過剰流動性の唯一の仕向け先

と位置づけられたことにより

巨額の資本が日本を目指して

輻輳する時代を連れてきた


バブル経済を勝手に潰したのは

国会の不見識と不手際

バブルが崩壊したことを悟った

国際金融資本は

企業買収へと土俵を変えつつ

新たなドルの仕向け先を探しあぐね

アメリカの国内市場へと

国際市場で大量に余っていたドルを

積極的に北米大陸へと呼び戻し

大量のサブプライムローン契約を

低所得者層にまで拡大したことにより

償還期を迎えた2008年に

大量の焦げ付きを引き起こすに至り

リーマンショックを発生させ

IMFの心胆を大いに寒からしめた


その次に

過剰流動性の仕向け先となったのが

世界の生産基地を目指す

という旗幟を鮮明にしていた

中国大陸だった


人民元を高値に誘導したい立場のアメリカと

安値安定を志向する中国の元安志向とのはざまで

ドル余り現象を解消しなければならなかった

米政府の思惑とがそこで交錯し

大量の過剰流動性を移動させはしたものの

人民元の通貨価値を高めることがついにできず

ドル買いを押し進めるための

人民元の大量印刷に

共産党政府を専ら走らせる結果を招いた


その背景にあったのは

アメリカの意を汲み

それによる利益の拡大を謀った

国際金融資本のすべて



市場原理に基づいた

阿吽の呼吸とよぶべきタイミングで

巨額のドルを

中国市場へと集中的に上陸させた


その結果中国大陸には大量のドルが集積することとなり

中国を世界最大の債権国へと

たった三年で押し上げた

共産党政府を金満国へと導いたのは

アメリカが発効し過ぎたドル

の過剰流動性に他ならぬ


国際金融資本による人民元高誘導は

共産党政府による

それ以上に大量の人民元売り

を誘発することとなり

ドルを買い進めざるを得ない状況

へと共産党政府を追い詰めた

人民元の増刷を却って急がせる破目となり

その通貨価値を安定化させることに寄与

する皮肉な事態を呼んだだけでなく

中国政府に買い取らせた大量のドルが

共産党体制を強化するための

外貨準備高を一方的に押し上げて

信用力を更に高めた中国が

AIIBの創設へと走る経過

を産み落とすに至らしめた


このアメリカが仕掛けた通貨戦略によって

中国は大量のドルを労せずして手に入れ

ドル建ての長期債の保有残高を高め

中国を世界最大の債権国へと

アメリカ自らが導く

という皮肉な経過を齎した

その結果中国共産党員の資産が急激に増え

世界中で爆買い

と呼ばれる消費行動を惹起させたのは

今年初めにかけて起きた

世界的規模の奇怪な現象



その少し前には

足りない軍事力を向上させようとして

出遅れていた海洋進出を急ぎ

空母をドルで買うことで

米国債購入の比率を引き下げ

米政府を利することにしかならない投資をやめ

自国の海軍力の増強を選択する

という反転した経過を産み落とし

落ち着いていたミリタリーバランスを

損う結果を国際社会へと俄かに与え

不要な緊張関係を発生させ

南シナ海の領有権に執着し

政治経済の安定性を

一連の変節が大いに損なう

という時代を確定させた


中国を最大の債権国へと押し上げのは

アメリカのドルがもつその属性

であるところの

過剰流動性に他ならない


ドル余り現象は

世界中が経済成長を急ごうとして

地下資源の消費に勤しみ

それが大気中のCO2濃度を引き上げ

温暖化とそれによる気候の変動

で生命と社会資産を失う経過を

世界中で生み出した


一連の流れを振り返ってみると

地下資源の決済通貨となったドルが

過剰流動性を生み育て

地下資源の大量消費が

半世紀に満たない短期間で

温暖化現象を

のっぴきならないものにした


COP21で採択された枠組みが

有効化する見通しは

まだ何一つとして得られていない

目標とするCO2排出量ゼロ

という状態の実現は

長い時間をかけたとしても

99%実現不可能

問題解決を先送りするための

ただの方便


地下資源を関与させない

未知の発電技術が登場する時代がくるまで

産業と消費の低迷が

事実認識を怠った指導階層に

止まらない温暖化とそれによる

有効需要の喪失

となる環境政策の失敗による

財務体質の劣化を与え

損失の山の頂きをこれから

もっと高くする


教育を高度化したことで

考える力を失った文明は

実効のない対策を闇雲に連ねることで

貴重な資本を無駄に費やしつづけている


有効需要が不在のままの政策を

どれほど長く続けたとしても

状況の改善を期待することは

固より

できない

アベノミクスはこの経過を先導する仕組み

の謂い

知識があっても思考力が乏しければ

所期の成果など手に入る訳がない

不毛な現実は当然すぎるほど当然

の帰結


国際経済のデフレ化という現象は

思考力を失った文明の仕業

地下資源を必要としないエネルギーの開発は

環境の劣化と経済の停滞

を同時に解決する能力を持ち

有効需要の創出を可能ならしめて

環境の復元を実現させる


未知のエネルギーを取り出す術を活用すれば

核の廃絶を実現させ

戦争が生む一切の損失を

ゼロにする

のはいとも容易


未来型の環境負荷のない

エネルギーコストが最も低い新電源は

平和の価値を基礎とする

ヒトと地域を対象に

ビジネスとしてではなく

繁栄の主体

となることを目指す意識の集合体

として機能するシステム

所有権の移転を伴わない

平和の利益を主眼とする方法で

ゆるやかな普及を目指す


利益誘導

を目的とする欲望の高さ

というものが

資本制度の飽和を逆に急がせた

文明は核の脅威を知っていながら

それを

抹消することが

永久にできない

愚か者の報酬

とはこのようなもののこと


戦後の枠組みとなることを目指した

ブレトンウッズ体制は

ドルの過剰流動性で

世界市場を惑溺させ

気候変動のリスクを希釈することなく

自然災害と核廃棄物を増大させ

生命の多様性を否定する

時代へと文明を連れ込んだ


サイバーマネーに期待するのは

通貨発行量に制限がある

というその一点

ドルが青天井で供給されてきた

ということが信用経済の基礎となり

それが生む過剰流動性の起源となった

ドル余り現象が生む予測不能で

有害な未知の変化に

FRBは以前から警戒心を募らせていた


公定歩合の引き揚げ予告は

過剰流動性を回収するための

意味のない手段

加熱した景気を冷やし

投資を抑制する効果を

金利を引き上げることで

アメリカ本土へと呼び戻す

ために機能していたその方法が

いまや

過剰流動性の散逸

を防ぐ目的で専ら使われるようになっている


景気が減速しているときに

利上げはできない

放置された過剰流動性が

この先

どのような変化を生むのか

ということがいよいよ

深刻な問題の種となった

一連の変化は

すべて

アメリカの都合が引き起こしたもの

原因を与えたアメリカの意向で

国際経済の今後の帰趨が決定する
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