ドルのシニョレッジ(通貨発行権)をもつ
アメリカという国
にだけ
世界中の富が集積するようになったのは
機軸通貨としての機能を
ドルが身に備えた
ということを
世界が
認めざるを得なかったから
戦後の復興を急ぐための
新たな枠組を決定することとなった
ブレトンウッズ会議
が招集されたのは
1944年7月
ヒットラーが自決したのは
その十か月後の1945年五月
日本の敗戦は同じ年の八月十五日
戦争の趨勢を固めた連合国は
戦後の復興計画について
一年前から準備体制
に入っていたということになる
爆撃機による度重なる空襲が
日独双方にとって
苛烈なものになっていったのは
この時の会議で決定した
合意の結果
核兵器の実戦使用が
日本だけだったのは
単に
タイミングの差
であるに過ぎない
ドルがポンドに代わって
機軸通貨として
正式に指定されたのは
ブレトンウッズ体制が始まった
その後のこと
このときからアメリカは
機軸通貨の発行益を
北米大陸へと逐次的に
積み上げていくこととなる
石油を輸入するために
ドルを必要とした国では
ローカル通貨を
為替市場で売ることにより
ドルを買っておかなければならない
アメリカはドルの印刷量を
高めるだけで
世界中の外貨を手に入れることが
できるようになっていた
ドル紙幣を
需要に応じて増刷し
直ちに供給してやるだけのことで
労せずして
大量の外貨を獲得できた
これがアメリカのもつ
決して枯渇することのない
世界に一つしかに
富の源泉
ドルと交換して得た外貨
を活用するローカル市場
がそこに成立っているのであれば
さして欲しくもない地域通貨
であったとしても
アメリカの利に叶う
外貨をドルに戻す際に
ドルの通貨価値が
相対的に下がっていれば
少ない外貨で
より多くのドル
を買い戻すことが可能となる
ドル資本には
このドルの供給と回収を
為替市場で
効率よく進め
莫大な利益を計上することが
許されている
個々に生じている奇妙なバイアス
に関する指摘を行った
とする事実を
確認しようとした痕跡
すら一例もないほどだ
ドル資本が手持ちのドル
を市場に供給する際には
高い価値を有するドル
の方が有利であり
かつ役に立つ
ドルを回収する際には
その反対に
外貨高になっている
という条件が満たされている
方が重要な因子
アメリカは印刷経費を負担するだけで
世界中の富を
ドルの通貨発行権を利用することで
簡単に獲得することができる
という特殊な身分であることを
世界に対して認めさせてきた
こうしてアメリカは
国際経済をリードしながら
獲得した利益の一部で
軍産複合体制を充実させる
その一方で
力に恃む国際政治を展開しつつ
世界の保安官役
を永年努めることが
円滑にできていた
1971年の夏
アメリカは金本位制
という枠組みから
唐突に離脱してしまい
世界中がアメリカの
一方的な心変わりに
遅れて追随する
という展開を経て
信用経済という新たなスキームを
成立させてゆくこととなる
金本位制の時代には
通貨価値の担保を
金の保有高が果たし
国家の通貨発行権を
各国がもつ金の保有高の範囲で
価値の平衡条件
を成り立たせていた
つまり
金塊の保有高が
通貨発行権の決定因子
となって時代があった
ドルショック(ニクソンショック)
と呼ばれたこの71年夏の
ドラスティックな変更が
国際間の商取引を
担保なしの信用で
相互に供与しあう連携条件
を成立させていくこととなる
こうしてドルの発行権
と供給権とを
ドルショックで青天井状態にした
ということが
国際経済を大いに刺激し
アメリカは無制限となった
機軸通貨のシニョレッジ
を最大活用することができるようになり
資本市場に新風を
吹き込んだ
世界中からドルの発行国へと
集まってきた外貨収入で
富の集積地となった
北米大陸が国際経済
を牽引する役割を果たし
市場規模を急拡大することに
寄与する経過を
経済史へと刻み付けた
洗練された信用経済に
移行するまでの経過期間では
石油・ドル本位制
などという表現が
暫時使われていたりしたもした
経済規模を膨張させた
このドルショックが
同じ七十年代に続けて二回発生した
石油危機で原油相場を更に押し上げ
決済通貨となっていたドルの
需要水準を執拗に押し上げた
ドルに過剰流動性が指摘
されるようになったのは
まさにこの頃
ドルの需要が高まっている時に
その供給を怠れば
ドルの通貨価値は
アメリカの都合を超えて
勝手にどんどん高まってゆく
想定外の意図しないドル高は
農業国であると同時に
工業国でもあるという
アメリカの輸出産業に
打撃となって直接
跳ね返る
機軸通貨としての価値を高めた
ドルの市場への追加供給が
滞れば
それは取りも直さず
望まないドル高が
制御不能な状態で
勝手に進みだすことを意味し
反対にドルを供給し過ぎれば
ドル余り現象で
リーマンショックのような
想定外の事態に
翻弄されることとなる
所謂国際金融資本は
ドルと外貨とを取り結ぶ
調整弁としての機能
を円滑に果たしている
機軸通貨の発行権は
アメリカに利益を齎したが
市場供給したローカル市場では
生産性を高めて得た利潤のすべて
をドル資本が本国へと持ち去ることを
指をくわえてただ眺めている
ことしかできなくさせた
これが貧富の差の拡大を急がせ
アフリカ諸国を中心とした
南北問題へと後に発展していくこととなる
ドルの円滑な回収を怠れば
共通化したグローバル市場では
ドル余り現象が顕在化し
ドルの新規発行が
必要条件ではなくなるばかりか
金融バブルの発生源
ともなり兼ねない
自国通貨の発行権は
ローカル市場
でのみ有効なものなのだが
為替市場を経由した場合
国際金融資本の意のままに
扱われ易くなる
MMTの限界となる課題は
通貨間の価値の移転取引を
回避することが即ちできない
というその点にある
ローカル市場だけに限れば
自国通貨の発行権は
価値の移動を伴わないため
制限なしに発行できる
個々に生じる差についての言及
が為されなければ
評価する意義は失われる
そこでビットコインのような
第三の人工通貨
の関与が
改めて必要な措置
となる
中国がたったの三年で
世界第二位の経済大国となれたのは
ドルの過剰流動性を無害化する
という秘められた目的で
アメリカが中国を
世界の生産基地にする
と唱導した時に運命づけられていた
生産財と中間財そして資本財
などが中国大陸へと蝟集する
という経過が
俄かに引き起こされた
共産党政府は
世界中の資本市場から
一斉に仕掛けられた
壮大な規模のドル売り圧力を
防遏する必要に急遽迫られ
大量の人民元を無制限に発行し
ドルの一方的な値下がり
を誘導するための
人民元の意図的な値下がり
を演出することによって
価値の安定化を進めることしか
できなくなっていた
その結果共産党政府には
莫大なドル資産を所有することとなり
供給量を大幅に高めた人民元で
獲得した大量のドルを買い
外貨準備を篤くした
中国を金満国家に押し上げたのは
他ならぬアメリカなのだ
経過の事実を承知していたのなら
米中間の経済戦争へと発展した
その経緯が
アメリカの都合で
引き起こされたもの
という理解は
夙に成り立っていた
当事国の指導体制ですら
起きている経過の意味
を未だに知らずにいる
高度化した教育制度が
問題認識能力を着実に
涵養していたのであれば
国際経済に負圧をかけている
この関税を手段とする
不毛な駆け引きに
警告することは
誰にでも容易であった
経済学の言語では
解けない問題でも
力学系の言語を用いれば
カタストロフを回避する
程度のことは楽にできていた
学力重視に特化した
高等教育のあり方に於ける
国際規模の同時多発的
一斉規模の変容が
健全な思考力を個人から奪い
批判精神を短期間で失わせ
誤った判断へと
文明を突き落とす
その代表的な事例となった
その好例となったのが
温室効果ガスの削減を進めていながら
却って有害ガスの濃度上昇
を急がせただけだった
という知識階級のもつ普遍的な
欠陥とそれを生み落した
浅はかな認識
交流と直流との混同が
温暖化を止まらないよう仕向けた
たった一つのその理由
要素抽出が不完全なら
要因分析の段階で
判断を間違いなく誤る
アベノミクスこそは
その絶好のサンプル
アメリカという国
にだけ
世界中の富が集積するようになったのは
機軸通貨としての機能を
ドルが身に備えた
ということを
世界が
認めざるを得なかったから
戦後の復興を急ぐための
新たな枠組を決定することとなった
ブレトンウッズ会議
が招集されたのは
1944年7月
ヒットラーが自決したのは
その十か月後の1945年五月
日本の敗戦は同じ年の八月十五日
戦争の趨勢を固めた連合国は
戦後の復興計画について
一年前から準備体制
に入っていたということになる
爆撃機による度重なる空襲が
日独双方にとって
苛烈なものになっていったのは
この時の会議で決定した
合意の結果
核兵器の実戦使用が
日本だけだったのは
単に
タイミングの差
であるに過ぎない
ドルがポンドに代わって
機軸通貨として
正式に指定されたのは
ブレトンウッズ体制が始まった
その後のこと
このときからアメリカは
機軸通貨の発行益を
北米大陸へと逐次的に
積み上げていくこととなる
石油を輸入するために
ドルを必要とした国では
ローカル通貨を
為替市場で売ることにより
ドルを買っておかなければならない
アメリカはドルの印刷量を
高めるだけで
世界中の外貨を手に入れることが
できるようになっていた
ドル紙幣を
需要に応じて増刷し
直ちに供給してやるだけのことで
労せずして
大量の外貨を獲得できた
これがアメリカのもつ
決して枯渇することのない
世界に一つしかに
富の源泉
ドルと交換して得た外貨
を活用するローカル市場
がそこに成立っているのであれば
さして欲しくもない地域通貨
であったとしても
アメリカの利に叶う
外貨をドルに戻す際に
ドルの通貨価値が
相対的に下がっていれば
少ない外貨で
より多くのドル
を買い戻すことが可能となる
ドル資本には
このドルの供給と回収を
為替市場で
効率よく進め
莫大な利益を計上することが
許されている
個々に生じている奇妙なバイアス
に関する指摘を行った
とする事実を
確認しようとした痕跡
すら一例もないほどだ
ドル資本が手持ちのドル
を市場に供給する際には
高い価値を有するドル
の方が有利であり
かつ役に立つ
ドルを回収する際には
その反対に
外貨高になっている
という条件が満たされている
方が重要な因子
アメリカは印刷経費を負担するだけで
世界中の富を
ドルの通貨発行権を利用することで
簡単に獲得することができる
という特殊な身分であることを
世界に対して認めさせてきた
こうしてアメリカは
国際経済をリードしながら
獲得した利益の一部で
軍産複合体制を充実させる
その一方で
力に恃む国際政治を展開しつつ
世界の保安官役
を永年努めることが
円滑にできていた
1971年の夏
アメリカは金本位制
という枠組みから
唐突に離脱してしまい
世界中がアメリカの
一方的な心変わりに
遅れて追随する
という展開を経て
信用経済という新たなスキームを
成立させてゆくこととなる
金本位制の時代には
通貨価値の担保を
金の保有高が果たし
国家の通貨発行権を
各国がもつ金の保有高の範囲で
価値の平衡条件
を成り立たせていた
つまり
金塊の保有高が
通貨発行権の決定因子
となって時代があった
ドルショック(ニクソンショック)
と呼ばれたこの71年夏の
ドラスティックな変更が
国際間の商取引を
担保なしの信用で
相互に供与しあう連携条件
を成立させていくこととなる
こうしてドルの発行権
と供給権とを
ドルショックで青天井状態にした
ということが
国際経済を大いに刺激し
アメリカは無制限となった
機軸通貨のシニョレッジ
を最大活用することができるようになり
資本市場に新風を
吹き込んだ
世界中からドルの発行国へと
集まってきた外貨収入で
富の集積地となった
北米大陸が国際経済
を牽引する役割を果たし
市場規模を急拡大することに
寄与する経過を
経済史へと刻み付けた
洗練された信用経済に
移行するまでの経過期間では
石油・ドル本位制
などという表現が
暫時使われていたりしたもした
経済規模を膨張させた
このドルショックが
同じ七十年代に続けて二回発生した
石油危機で原油相場を更に押し上げ
決済通貨となっていたドルの
需要水準を執拗に押し上げた
ドルに過剰流動性が指摘
されるようになったのは
まさにこの頃
ドルの需要が高まっている時に
その供給を怠れば
ドルの通貨価値は
アメリカの都合を超えて
勝手にどんどん高まってゆく
想定外の意図しないドル高は
農業国であると同時に
工業国でもあるという
アメリカの輸出産業に
打撃となって直接
跳ね返る
機軸通貨としての価値を高めた
ドルの市場への追加供給が
滞れば
それは取りも直さず
望まないドル高が
制御不能な状態で
勝手に進みだすことを意味し
反対にドルを供給し過ぎれば
ドル余り現象で
リーマンショックのような
想定外の事態に
翻弄されることとなる
所謂国際金融資本は
ドルと外貨とを取り結ぶ
調整弁としての機能
を円滑に果たしている
機軸通貨の発行権は
アメリカに利益を齎したが
市場供給したローカル市場では
生産性を高めて得た利潤のすべて
をドル資本が本国へと持ち去ることを
指をくわえてただ眺めている
ことしかできなくさせた
これが貧富の差の拡大を急がせ
アフリカ諸国を中心とした
南北問題へと後に発展していくこととなる
ドルの円滑な回収を怠れば
共通化したグローバル市場では
ドル余り現象が顕在化し
ドルの新規発行が
必要条件ではなくなるばかりか
金融バブルの発生源
ともなり兼ねない
自国通貨の発行権は
ローカル市場
でのみ有効なものなのだが
為替市場を経由した場合
国際金融資本の意のままに
扱われ易くなる
MMTの限界となる課題は
通貨間の価値の移転取引を
回避することが即ちできない
というその点にある
ローカル市場だけに限れば
自国通貨の発行権は
価値の移動を伴わないため
制限なしに発行できる
個々に生じる差についての言及
が為されなければ
評価する意義は失われる
そこでビットコインのような
第三の人工通貨
の関与が
改めて必要な措置
となる
中国がたったの三年で
世界第二位の経済大国となれたのは
ドルの過剰流動性を無害化する
という秘められた目的で
アメリカが中国を
世界の生産基地にする
と唱導した時に運命づけられていた
生産財と中間財そして資本財
などが中国大陸へと蝟集する
という経過が
俄かに引き起こされた
共産党政府は
世界中の資本市場から
一斉に仕掛けられた
壮大な規模のドル売り圧力を
防遏する必要に急遽迫られ
大量の人民元を無制限に発行し
ドルの一方的な値下がり
を誘導するための
人民元の意図的な値下がり
を演出することによって
価値の安定化を進めることしか
できなくなっていた
その結果共産党政府には
莫大なドル資産を所有することとなり
供給量を大幅に高めた人民元で
獲得した大量のドルを買い
外貨準備を篤くした
中国を金満国家に押し上げたのは
他ならぬアメリカなのだ
経過の事実を承知していたのなら
米中間の経済戦争へと発展した
その経緯が
アメリカの都合で
引き起こされたもの
という理解は
夙に成り立っていた
当事国の指導体制ですら
起きている経過の意味
を未だに知らずにいる
高度化した教育制度が
問題認識能力を着実に
涵養していたのであれば
国際経済に負圧をかけている
この関税を手段とする
不毛な駆け引きに
警告することは
誰にでも容易であった
経済学の言語では
解けない問題でも
力学系の言語を用いれば
カタストロフを回避する
程度のことは楽にできていた
学力重視に特化した
高等教育のあり方に於ける
国際規模の同時多発的
一斉規模の変容が
健全な思考力を個人から奪い
批判精神を短期間で失わせ
誤った判断へと
文明を突き落とす
その代表的な事例となった
その好例となったのが
温室効果ガスの削減を進めていながら
却って有害ガスの濃度上昇
を急がせただけだった
という知識階級のもつ普遍的な
欠陥とそれを生み落した
浅はかな認識
交流と直流との混同が
温暖化を止まらないよう仕向けた
たった一つのその理由
要素抽出が不完全なら
要因分析の段階で
判断を間違いなく誤る
アベノミクスこそは
その絶好のサンプル