こ と の 端

散文でロジックを
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自 業 自 得 ③

2010-02-20 09:43:11 | Weblog
温暖化対策の有望な方法のひとつとして

火力発電から原子力発電への切り替えが

いま真剣に検討されている


全体の約30%になっている原発を

これから

もっとふやして

60%を占めている火力発電所を

その分減らしていくと

日本が生み出している二酸化炭素の48%を

削減する効果が得られる

ということになる

電力業界だけで

ほぼ半分に相当する量の

二酸化炭素を吐き出しているのだから

火力を原子力に置き換えると

それだけで

国が目標として定めた25%を大幅に超える温室効果ガスの削減が

可能になる


核廃棄物の最終処分が

未だ

定まっていないということや

放射能の漏洩事故がおきない

という仮の前提条件を根拠として

原発をこれから大幅に推進していったとした場合

どのような変化が地球におきるのだろうか


見落としてはならない要素として

原発の発電出力が

一定の水準に保たれていなければならない

ということがひとつある

つまり

出力調整をすることができない

という制約が生み出すことになる

その

こと



顛末を

すべての国民は

知っていなければならない

ということ


30%の原発と火力発電所の約半分にあたる30%の燃焼炉

で生み出している電力は

出力調整をしないことが決まっている

ベース電源の発電機が作りだしたもの

需要の半減した深夜になると

供給量の方が上回る状態になってしまうのだ

そこで

電力会社では

深夜電力料金制度を導入し

ひとが寝静まっている頃に消えている

電力需要

の底上げを図らなければならなくなったのだった


電気料金を50%近くに値引きしてでも

発電した電力をカネに換えなければならない

というのがこの業界のおかれている立場

エコキュートを導入しても

その普及は状況を変える力にまでは達していない

需給バランスが相均衡するようになれば

供給価格を元の水準にまで戻すことが可能になる

深夜電力料金制度が生き残っているうちは

供給過剰の状態が続けられている

ということなのだ


すべてのエネルギー資源が

無償で手に入る訳ではない

資本の力学を成り立たせているのは

利潤を増幅させていくその変化が生み出す能力の



割引料金をいつまでも続けているのは

株主に対する背信行為に他ならない


温暖化を止めるために

原発を増やしたとしても

二酸化炭素が減る代わりに

消費されないまま地下へと直行する電力は

却って増大するだけになる

消費者が電気を使う使わないにかかわらず

接地電流は恒常的に発生している

だからこそ

オール電化にすることが必要であったのだ


10%の水力発電を差し引いて

残りの90%を原発に切り替えていったとすると

電力の受給ギャップは最大で45%にまで達する

日中と夜間の電力需要の乖離が

全国平均で約50%になっている

ということは

公表されている既定の事実

ベース電源の比率が65%になっているので

15%の電力が深夜使われることなく

そのまま地下へと落ちていく結果になっていた


その内の3%は

水力発電で再利用するための電力として

無理やり消費されるようになったのだったが

水力の発電単価を最も高いものへと押し上げてしまった

貯水池をもう一つ作らなければならなかったからである

エコキュートで

幾許かの深夜電力の需要を満たす外は

すべての電力が

有効利用されずに

接地点から地中深くへとただ落ちてゆく

さだめ

交流送電のこれが宿命である以上

原発の増設が生む電圧の上昇で

接地電流を単に増やして

地球に吸わせる電荷量を拡大する経過をとる

世界中で原発の導入が促進されると

この星が吸収できる電荷は

いつか

どこかで飽和する状態となるはずだ


地球が吸い込むことになる電荷がこのまま

これからもどんどん増えていくのであれば

どういう変化がこの星におきるようになるのか

というそのことを

前以て

いまから

点検しておく必要があるだろう


炭素資源の大量消費が

二酸化炭素濃度を高めさせ

温暖化を募らせてきたこの現実が夙に確定しているように

需要を超える電力を供給し続ける原発の増設が

地球を

最終的に

電気の星へと換えてしまうことになっていくだろう

物理的な量が

勝手に消えてしまうようなことはおきない

水の惑星そのものが

大きなひとつのコンデンサ


交流送電は接地をとることによって
 
そのシステムを成り立たせているという

特異なモデル

変電所ごとに接地して

大電流を二次的に誘導発生させているのだからこそ

定格電流を大きな損失なしに

高圧で

遠くまで輸送することができるようになっている


接地がとられていなければ

大量の電力を

大きな損失なしに

遠くまで運び届けることは

できない

二酸化炭素を増やすのも

捨てている電流の量を増やすのも

共に

文明が行き着いた最も近い岸辺であった

一方は温暖化という現象を導き

他方は負荷平準化という問題を深刻化させている

国と業界が後先を考えずに

効率を優先させてきたことによって

引き起したその結果だったのである


経過と経緯が既に分かっていることを

承知して

それを続けていってはならない

気候の変動は

地球からの

厳重な

最後通告

であった


火力と原発のどちらを選択したとしても

それは

自業自得となる行為

生命が大きく失われるような状況になったとしても

後の祭りというものなのだ 
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