旧制中学２年生時の漢文熟語を例証して

　朝は早めに玄関を出た。道路向こうには、息子と孫がタクシーを待っていた。声を掛けて、私はバスで何時もの如く登学するつもりで居たところ、「一緒に乗ったら」と勧められて乗車し同道して、最初に孫を途中で下ろし、渋谷では次に降り分かれた。息子は駅頭に向かって行った。それ故に、早めに学校へ着いて朝礼の準備を整えることが出来た。机の中に旧制中学時代の漢文熟語一覧が出てきたので、その内朝礼に適当な熟語を披露し乍ら、皆の学校を皆で盛りたてようと教員各位に感謝した。吾々が１５歳頃の時代、既に、この程度の箴言や修養訓話や、そして日常的な故事俚諺などが、通例的に、授業で使われていたわけで、懐かしくもあり貴重で、改めて良い勉強となった。肝胆相照らす、虚心坦懐、牽強付会、事大主義、櫛風沐雨、当意即妙、頂門の一針など、などである。
　これらの熟語を披露旁々、最後は、皆で心を合わせて良い学生を育成に努めましょうと結んだ。思い切り師走を控えて、志を一つに透明性を保ち、互いに共通理解を深めて行こうと強調した次第である。
　午前１１時頃には同僚理事が来室して、予て依頼を受けていた人事に就いて、基本的な専任教員の要件を説示し、現場からの必要で講ずべき教科目と時間数など、当事者を想定して議論した。非常勤講師として学科目の選定調整など、当人との話し合いを持って、今後の対応を決めたいとの話となった。懸案事項は緒から現実的に進める事となった次第である。