日本ではディーゼルエンジンは窒素酸化物(NOx)を多量に出し、大気汚染につながるということで特に大都市周辺で規制され、ディーゼル車がずいぶん減りました。かわりに技術革新をすすめ燃費の良いハイブリッド車や排気ガスゼロの電気自動車を発売して大ヒットしています。
他方ここ15年くらい欧州では燃費が良く、燃料代も安いディーゼル車全盛時代を迎えていました。クリーンディーゼルと称し、排気ガスはガソリン車と変わらないほど綺麗で、経済性に優れ、かつ走行性能も良いという売り文句でした。だから、現在欧州で走っているほとんどの車がディーゼル車です。
ところが、販売台数で世界1、2位を争うあの超大手企業がとんでもない不正をしていたことが明らかになりました。
なんと2~3年間に1回しか行われない排気ガスの検知テストを役所がするときだけ排気ガスを浄化し、それ以外の通常の走行時にはほとんど浄化していなかったのです。
だから、この会社のディーゼル車は窒素酸化物も垂れ流しで日々大気を汚染しており、クリーンディーゼルなんて大嘘でダーティーディーゼルだったのです。これでは何のための排出ガス規制なのか?マイスター制度もあり、真面目で誠実な仕事ぶりで名高いドイツの会社とも思えません。「利益のためなら、バレなければ何をしても良い。」ということなのでしょうか?「人々の健康よりも利益さえ上がれば良い。」そういう社会性の乏しい企業の製品は怖いです。一事が万事といいますから、他にも嘘、ごまかしがあるかもしれません。
ところで、こういう「とんでもない不正をしてもバレなければ良い。」という考えの経営者達は自分の子どもになんと教えているのでしょうか?
「自分さえ良ければいい。」「世の中調子よくわたるほうが賢い。」「悪いことをしてもバレなければいい。」「バレてもシラをきり通せ、動かぬ証拠を突きつけられるまでは絶対に認めるな。」「捕まっても証拠がなければ大丈夫。だから証拠を残すな。」-まさかこんなことを我が子に教育してはいないと思います。しかし、くだんのドイツの会社経営幹部達はこういう醜く、酷いことを図らずも自らの背中で我が子に教えてしまったのだと思います。
とても残念です。