「一方聞いて沙汰するな。」-昔からそう言われています。
これは「何か争い事があったとき、一方当事者の話だけを聞いて決めつけてはいけない。両当事者の言い分を聞いて、先入観を持たずにできるだけ証拠に基づいて正しく判断しなさい。」という戒めです。私達は裁判官ではありませんが、こういうことは日常生活でもよく起きています。
先日も
小学生クラスの休み時間にこんな会話がありました。
Aさん:○○塾の○○先生って、これこれこんな酷いことを言ったんだって・・・・
それで言われたB君は○○塾をやめたんだって・・・・。」
私:そーなんだ~?○○先生がそんなことまでいったんだ~?
Aさん:井澤先生!○○先生ってひどいでしょう?!
私:・・・・
Aさん:私許せない、B君がかわいそうすぎる・・・
私:Aさん、誰からこの話を聞いたの?
Aさん:○○塾をやめたB君。
私:私は○○塾の○○先生に今まで何回か会ったことがあるけど、理由もなしにそんなひどいことを生徒に言う先生には見えないけど・・・・。
Aさん:○○塾をやめたB君が言っているんだから本当よ。
私:まず、○○塾が嫌で辞めた人が○○塾の○○先生をほめて言うわけがないでしょう?
「なぜ○○塾をやめたの?」と聞かれれば、「○○塾を辞めた自分は正しい。」と周囲の人に思わせたいから悪く言うのが普通だね。
でもね。考えてごらん。○○塾の○○先生が何も理由もなく、突然、そんなことを言うひどい先生だったら、そんな塾はとっくに潰れているよ。生徒がたくさん集まっているのは○○先生が信頼され、教え方が上手で、高い指導実績があるからだと思うよ。
もちろん、○○先生も人間だからときには言い過ぎてしまうこともあるかもしれない。
それもね、その言葉だけを切り取って「これこれこう言われた!ひどすぎる。」と決めつけるのは違うと思う。○○先生がそういう発言をするまでにいろいろといきさつがあったかもしれないよ。
それにその人がどういう人かは、噂話ではなく、その人の日頃の発言、書いたもの、行動、長年の実績・・・など、「事実」に基づいて判断するべきだと思うよ。人は総合評価だから。―その証拠にそう思っている他の塾生の御父母様はB君についての噂話だけを鵜呑みにして子どもを辞めさせたりはしないと思うよ。
Aさん:井澤先生は○○先生の味方なの?
私:(ニコニコしながら)昔から「一方聞いて沙汰するな」って言うんだ。○○塾の○○先生にもその辺のことを聞かないで、B君の話だけ聞いて○○先生はひどいと決めつけるのは・・・・フェアじゃないね。