以前頂いたご相談の「ご家庭だけで指導していて、ついイライラして子供を叱ってしまう。」
の対策について
私事にはなりますが、うちの娘の中学受験の話をしますね。
私は長年塾教師をやっていますので娘が中学受験をするときも、その気になれば御三家合格レベルの4科目指導が出来ました。しかし、敢えて娘を某塾に入れました。
その理由はいくつかあります。
最大の理由は親子でやっていると段々煮詰まってくるからです。
例えば、先週教えて理解させたのに、今週やらせたら全然出来ないというとき、塾では生徒達に「イイんだよ。また、教えるから。今度はお家でしっかり勉強してこようね。」とニコニコしながら語っていますし、本当にまた丁寧に教えています。それがプロの塾教師だからです。
ところが、娘を自宅で教えていて出来ないと、「なんでできないの?」とつい叱ってしまうことがありました。親子なので娘のほうにも甘えが出てくるし、私自身も「自分の娘なのに・・・・情けない。」と思い、イライラしたりしました。その状態が続くと勉強も進まなくなりますし、親子の関係も悪くなってきます。
そこで、小4になってからは娘の志望校に多数合格させている某塾に入れて、4科目の授業(指導)はその塾の先生に任せて、自分はフォローにまわることにしたのです。普段は娘の努力を褒めたり、すぐに結果が出なくても励ましたりしていて、娘がわからない問題があるときにだけ休日に自分で教えるのです。
そうすると娘も嬉しいし、私も娘に対してまったくイライラしなくなりました。いわば鬼コーチから応援団に変わったからです。
この意味で他の塾の先生に子供を預けることも意味があるのです。
他の某塾に入れた2番目の理由は
同じ私立中学を目指すお嬢さんがたくさんいる環境で勉強させたかったからです。小4からスタートしても中学受験をするまで約3年もあります。その間、初めはやる気に燃えていても途中でやる気をなくすことがあるかもしれません。そういうとき励みになり、原動力となるのが同じ私立中学を目指すお友達の存在です。自分がやる気をなくしつつあるときに、同じ塾の仲間は頑張っている。そういう姿を見て、いい意味で感化されて、「また頑張ろう!」と思うことがあるのです。逆にやる気を失いそうなお友達がうちの娘の頑張りを目の当たりにして、やる気が復活することもあるのです。お互いの存在がお互いの励みになりイイ関係が築けるのです。高いレベルで切磋琢磨が実現できるのです。
この意味で長丁場だからこそ、家庭で孤立無援となるのは危険なので、塾に入れる意味があるのです。
他の某塾に入れた3番目の理由は
娘が志望していた私立中学の合格者数が日本一多いその塾にはその塾ならではノウハウや中学受験専門塾として受験情報があるはずです。それは個人ではなかなか手に入れられないものです。だから、最新の受験情報を得るためにも塾に通ったほうが有利なのです。
そして、専門塾では新しい情報が入るとすぐに手を打つのでその年の受験に間に合うのです。個人ではその受験情報を手に入れたとしても、その対策を打てなければ、せっかくの情報が活かせず意味がありません。
以上の理由から私は娘を実績ある某塾にいれたのです。そして、その塾の先生方には本当にお世話になりました。結果、第1志望校はもちろん全受験校に合格しました。娘はその中高一貫の女子校を卒業し、今は大学生で、良い仲間達とともに希望の職業につくため勉強中です。
手前味噌になりますが、私立小学校受験でも専門塾に預ける意味があると思います。