誰も教えていないのに生まれつき絵が上手に描けるお子様もいますが、ほとんどのお子様は上手に描けません。何も教えないと上手に描けないのが普通です。
では、どうしたら良いのでしょうか?
結論
絵の描き方のコツをお子様に教えれば良いのです。
例えば動物の描き方ですが、
お母様:ライオンはこうかけばライオンに見えるよ。いっしょにかいてみようね。
お子様:かけない・・・・
お母様:ここをこうかけば・・・・・ほら、ライオンにみえてきた。
お子様:(ニッコリして、うなずきながら)ほんとうだぁ~、ライオンになった。
お母様:つぎはなにをかこうか?
お子様:うさぎさん
お母様:どうかくとうさぎさんにみえるかなぁ~
お子様:おみみがなが~くて、・・・ぴょんぴょん・・・
お母様:こうして、こうかくと・・・・おみみがなが~くなって・・・うさぎさんにみえるよ。
こんな感じです。お気づきと思いますが、
「ライオンをかきなさい。もう~・・・ぜんぜんライオンにみえない。へたなんだから・・・」
というもっていきかたはしていません。
一人で絵を描くとライオンに見えないのはお子様自身百も承知なのです。だからこそお子様の描いた絵を全否定してはいけないのです。
お子様の描いた絵が全然ライオンに見えなくも「じょうず~、こうかけばライオンにみえるよ。」と言いながらライオンの描き方を教えるのです。
しかし、こんな「耳障りのイイ意見」を言う人がいます。
「お子様に絵の描き方を教えるべきではない。そんなことをすれば一人ひとりのお子様の芸術的個性を潰してしまう。本来芸術は一人ひとりの才能を伸ばし開花させるものだ。だから、『○○はこうかきなさい』と教えるべきではない。我々大人はもっと忍耐強くお子様の才能を開花するのを待つべきである。」
-ごもっとも?
-こう言われると反論する人が子供達の個性を潰す悪人みたいです。
たしかにお子様の個性を「枠」にはめてはいけないと思います。お子様の個性を潰す画一化は危険ですし、怖いものがあります。
しかし、何にも動物が描けないお子様に何も教えず、忍耐強く待っていたら上手に描けるようになるのでしょうか。おそらく上手にかけないので絵をかくことが嫌いになり、ますます絵をかかなくなる。絵を描かないのでますます上手にならない。多くの子供達がこういう悪循環に陥ると思います。百歩譲って、忍耐強く待てば上手になるお子様もいるかもしれません。しかし、数年かかったのでは、私立小学校受験には到底間に合わないと思います。
お子様が絵を描くことを好きにさせ、楽しくなるように誘導することは必要だと思います。
それに、くだんの理想的な意見を語る方はお子様の受験絵画の指導をされたことがあるのでしょうか?おそらくその経験がないと思います。
子供達に受験絵画の指導で、「キリンはこう描けば良い。」と教えても、5人いれば、5人ともまったく違う絵を描きます。お手本としてキリンの絵を見せても見事に全員違う絵を描くのです。描き方を教えても個性がしっかり出ているのです。つまり、絵の描き方を教えたくらいで消えてしまうほど人間の個性はやわ(柔)ではないのです。
-こんなことは実際に一度でも子供達に絵画指導をすれば気付くことです。
このように世の中で正しいとされている考え方の中には、「机上の空論」のようなものがけっこうあります。こういう「聞き心地の良い意見」ほど疑ってかかるべきです。
その意見って実際の教育現場を知らない「イイ人と思われたい評論家?」の「机上の空論」かもしれませんよ。