青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

月の光の消える夜

2021年01月24日 09時00分00秒 | JR

(乗り得列車・321M静岡行き@興津駅)

このコロナ禍の中、先日春の臨時列車のダイヤが発表されていましたが、長い事親しまれていた「ムーンライトながら」について廃止となる事がJR東海のHPで通告されていましたね。前身の「大垣夜行」から続いた伝統の東海道筋の夜行列車の終焉には、同世代を中心にした皆さんも色々と物思うところがあるようで、若き日の思い出を肴にTwitterのタイムラインもひとしきり賑わいを見せておりました。かくいう私も・・・と言いたいところなのですが、実際のところはそこまで乗ったことがない(笑)。まあ2,3回くらいは経験ありますけど、混んでるし暑いし周りはグループが騒いで煩いし減灯しないしでちっとも寝られなかった記憶しかない。たまらず浜松の運転停車で駅のホームに飛び出して、ホームのベンチで仮眠してたら車掌さんに声掛けられて思わず乗り遅れそうになったというのが思い出と言えば思い出かな・・・そんな感じだったんで、割と大学生で免許取ってから、東名間の移動と言うのは圧倒的にクルマが多かったんですよね。高速代ケチって下道でしたが、夜中は国道1号線のバイパスが無料になりましたんでねえ。あのMLながらの居住性の悪さを考えたら、自分の運転で深夜の浜名バイパスをかっ飛ばす方がよっぽど精神的には良かったように思います。そう思うと、どっちかと言うと静岡の車両区にいた373系がMLながらのために東京に送り込まれる運用(338M)や、東京に到着したMLながらが静岡車両区に返却される運用(321M)のほうが良く使ったよね。特に321M、横浜を早朝に出ると静岡まで乗り換えなしなんで便利だった。そのまま乗り継げば名古屋にお昼前くらいには着けたので。

大垣夜行〜ムーンライトながらの終焉は、「普通座席で運行される夜行列車」が日本から消える事でもあって、これも一つの時代の終わりを感じます。そこには、JRの公式発表的な「生活様式の変化」も確かにあるんでしょうね。この時代にモバイルの充電も出来ない車両ってどうなのよってのはあるし。大垣夜行やMLながらってのは、安く旅行したいというニーズの高い若年層の世代(18歳〜30代半ば)をコア層としてたと思うんだけど、その世代が大して価格が変わらない割に設備も居住性も良い夜行高速バスに流れるのは当然の理のように思う(もっと安くしたいなら格安ツアーバスってのもある)。まあ、JRも少子高齢化で若い世代の人口が減る中で、付加価値のないただの移動手段としての夜行列車に将来的な需要が見通せなかったってのはあるんだろうな。JR側の働き方改革じゃないけど、夜間の労働力を確保するのも大変だろうし。

じゃあ80年代から90年代中盤にかけて、あれだけ大垣夜行やながらを埋めた団塊ジュニア世代はどうしてるのか?ってーと、時は流れてもうみんな40半ば以上のおっさんですからね。さすがに体力的にもあの貧民列車で移動なんか出来ないんじゃないかと(笑)。どうせ今はみんな新幹線でしょ?

コメント
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