青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

雨の日は 駅のアロマが 薫り立ち。

2022年10月14日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(雨は強く激しく@横江駅)

台風由来の雨は止む気配もなく、むしろ激しさを増して降り続いていた。ほぼ土砂降りと言ってもいい横江の駅、思わず足元を長靴に履き替えて駅前に出る。結局、この日は最後まで長靴を脱ぐことは出来なかったですね。横江のイメージも自分の中では「雨の駅」なので、暗い朝に濡れそぼる古い木造駅舎、というまた情感たっぷりな雰囲気を味わう事が出来ました。

駅の待合室のベンチに座って、降りやまない雨の空を見上げる。横江の駅に限らないんだけど、こう古い木造の駅って独特の木の湿った匂いと言うか、防腐用に染み込ませてるクレオソートが溶けだしてるのか、少しのカビ臭さとホコリ臭さと合いまったような「古い木造駅っぽい匂い」としか言いようのない独特の匂いがしますよね。雨の日は特にそれが強く薫り立つというか、もうこれは木造駅舎が醸し出すアロマみたいなもので。

思えば、初めて訪れた頃の横江駅は、もう少し荒廃していてみすぼらしかった記憶がある。その時と比べれば、今も建物こそそのままですけど、入口の引き戸周りが修繕されていますし、駅の看板は掛け替えられたし、入口の蛍光灯も取り換えられたりと地道な補修はされているのですよね。そして何より、駅前にきれいな水洗トイレが出来て、パークアンドライド用の駐車場が整備されたのが特筆出来る所。駅の近くの尖山(とがりやま)に向かうハイカーにも合わせて整備されたものらしいですが、しっかりと地に足を付けた形での駅の利用促進に向けた取り組みは続いているようです。

駅舎の瓦屋根とトタンに打ち付ける雨の音は激しいまま。
立山行きの16010形が、車輪の音も雨音にかき消されて静かに横江の駅に入って来ました。

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