旬刊商事法務2013年1月5日号に,河合芳光法務省民事局商事課長「商業・法人登記制度をめぐる最近の動向と展望」がある。
目に付いたところをピックアップすると,
① 会社数は,平成23年末の現在で,約344万社で,前年から約4万社が増加している。
※ 清算会社の数は,いかほどでしょう? 相当数ありそうだが。
② いわゆるマイナンバー法案が今後の国会に提出されることが見込まれているが,関連整備法案においては,商業登記法の改正も内容とされる予定であり,「登記簿には,法務省令で定めるところにより,会社法人等番号を記録する旨の規定が設けられ(これまでは,根拠がなかった?),併せて,商業登記法により添付書面となっている法人の登記事項証明書について,申請書に会社法人等番号を記載した場合には,添付することを要しない旨の規定も設けられる予定である」ということである。
※ ただし,適用場面は,多くはない。このような改正をするのであれば,不動産登記法等により添付書面となっている場合にも拡張すべきであろう。とはいえ,司法書士としては,申請代理の前提として会社の実態を確認すべきであるから,ぜひにとは言わないが。
③ いわゆる商業登記所は,平成24年末時点で,全国428登記所のうち,95となっている。
④ インターネットを利用した商号調査方式を導入することを前提に,アクセス登記所に存置してきた商号調査端末については,廃止の方向で検討している。
※ 「インターネットを利用した商号調査方式を導入」はよいことであるが,コンピュータ化前に解散している清算会社についても,登載すべきであろう。また,従来の調査端末の廃止はともかくとして,「インターネットを利用した商号調査」をすることが可能な端末は,代替として設置すべきであろう。
⑤ いわゆる登記事項のオンラインによる提出方式においては,重ねて申請書にも登記すべき事項を記載しなければならず,無用な負担であり,法律上の根拠を設け,申請書に記載すべき事項を要しないようにするのが望ましい。
※ 登記事項のオンラインによる提出方式は,取下げ等をせずに,何度でも送信できるので,提出番号を取り違えないようにしないとね。
⑥ 特例民法法人の移行の登記については,平成24年4月1日付で受け付けた約5000法人を含め,9000ほどの法人につき,移行の登記が完了している。
※ 平成25年4月1日と平成26年4月1日という二つの大きな山が未だ残っている。