遊工房・雑感

日頃のあれこれを綴る日記です

安楽病棟 帚木 蓬生

2009-11-09 20:39:00 | 日本の本

途中で安楽死がテーマか!

と気づいた

最後に殺されるのは菊本さんというケーキ屋さんのおじいちゃん

それぞれのお年寄りには

入院前のエピソードが語られてあるのです

とりわけ この菊本さんには読者は愛着を持ってしまってると思う

お嫁さんはいわば玉の輿に乗ったのだけれど

そのいきさつもなかなか心温まる話だったので

この人が殺されるのはちょっと我慢がならない

それは著者の戦略でしょう

 

実際に認知症になり

家族が地獄の有様になることもあるだろうし

もともと許しがたい性癖の人が

ぼけてしまって

うっかりすると家族が殺されかねないということもあると思う

 

合併症の病が患者を痛みで責めさいなみ

見るに耐え兼ねないということもある

無益な延命治療と安楽死との境は何?

 

きれいごとではすまないことが

医療の現場にはいっぱいあるのだろうと思う

 

前にも書いたかも知れないけれど

癌で亡くなった友人の子供が

中学三年生だったとき

「お母さん死なないで!」と子供はすがった

(この友人の旦那さんは若くて癌で亡くなり

そのためそのこの祖父母との折り合いも悪くなって

子供にとってお母さんが本当に頼りだった)

苦しい抗癌治療を耐え職場に復帰した頃知り合った友人だったのです

それでも治療は続き

再発悪化したときその子は大学4年生でした

最後のころ

親子は語り合ったそうです

「お母さんはもう頑張れない

あなたはもうお母さん無しでもやっていけるね

もう頑張らずに病気に負けてしまって いい?」

その子は

「もうボクは大丈夫だからお母さんはがんばらなくていい

死んでしまっても僕は大丈夫だ」

そういって

友人は亡くなっていったのでした。

 

この安楽病棟は

認知症の人々への暖かい思いというのは自然に湧いてしまう本なのだけれど

実際の世の中はなかなかきれいごとにはいかない

それと

自分がその内側に入ったとき

自分が何が侵されてるか把握できない恐怖をどうしたらいいのさと思う

そういう情けない自分を自分ではどうできるわけでもないものね

相手次第というのが情けない

自力で生きていけなくなっていくとき

安楽死させてほしい気って

実は

私はあるのよ

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里山アトリエはいいなあ

2009-11-09 17:23:10 | 本と雑誌

いつもの里山アトリエに行こうとしたら

苦手なパジェロが停まってたので

なかんびょという武蔵の里山のほうへ行った

Imgp6520

こういう蕎麦畑のそば

この畑はよその物

武蔵がおじさんにもらった里山は

縁のほうに少し半端にあった場所で

村人は

そういう雑木林を分け合って持っている

昔 木の葉浚いというのが子供の仕事で

それで堆肥とか作ってた

Imgp6521_2

これが青葛藤の絡まってる切り株

これでは実ができなかったのです

Imgp6517

狭い草むらに

べったり腰を落ち着けお絵かき

なかなかいい

ぽかぽか暖かかったし

家では家事が気になって描けないのですもの

Imgp6524

かわいい赤い実もあるし

描いた絵はスキャンして

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安楽病棟 帚木 蓬生

2009-11-09 06:26:40 | 日本の本

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分厚い本なのでなかなか読み終わりませんが

色々考えるので

ちょいと書きます

安楽病棟というのは痴呆病棟です

ここに入るまでの患者の家庭での暮らしがまず書かれてます

どうにも面倒を見られなくなっていくのですが

それを思うと

久さんは一人でお母様を看取ってそれは大変だったなあと

改めて思います

中に一人 自分の状態を考え

(卵を真っ黒に焦がし危うく火事になりそうになる)

自分から入院した女性がいます

家族は反対する

世間体もあって そんなところに親を入れたといわれる

まだ大丈夫だろうというのです

悲しくもあったのです

どんなに子供が犠牲になっても親を看きる

というのが美徳とされる風潮はありますから

 

育児や介護を社会的に何とか工夫して

というのを受け入れない

病気の人や痴呆の人を軽蔑する

そういう空気が

ここ田舎にはあるのです

 

だんだん変るでしょうけれど

 

近所に(親戚だ その人 田舎はやたら親戚だもの)亡くなる少し前は

盗られ病でした

ハンドバックを盗られたと騒ぐので

一緒に探してあげるよとうろついてたら

憎憎しげに

「すぐこれだ!気持ち悪いったらありゃしない!」

怒鳴るおばさんがいて仰天した

 

うちのおばさんが杖をつきたがらないのも

馬鹿にされるのが悔しいからで

これまた

杖を突くと本当に馬鹿にする人がいるのです

 

Nさんは長いことお姑さんを介護して

長いこと寝たきりでしたが痴呆もありました

 

世間では

ニコニコしているNさんを

立派なお嫁さんだと誉めそやします

そういう立派なお嫁さんや

継娘さんとかいて

世間では評判なのです

 

内心私は(うへ~~私にはとても出来ない)

と思います

 

田舎は苦しいかもナァ

 

社会の中で子を育て

社会の中で終末も迎える

そういうことを色々考えさせられる本です

 

歴史は動きますからね

楽観してましょう

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