山頂下の駐車場に車を停め、この日の目的地、林床にカタクリが咲く雑木林に向かいました(といっても、歩いて数分の距離です)。フェーンによる強い風に枯葉などが飛ばされてきます。鮮やかなコバルトブルーのルリシジミも飛んできましたが、風に流されて行ってしまいました。
この時期の雑木林ではミヤマセセリに出会えるかも知れないと思っていたところに、風に飛ばされて茶色っぽいものが枯れた芝生に落ちるようにとまりました。「ミヤマセセリだ‼」と一瞬思いましたが、何か違います。色合いは似ていますが、チョウではなくガです。
帰宅して写した写真を図鑑などと絵合わせしていくと、どうやらニホンセセリモドキのようです。ニホンセセリモドキは、「昼間、草むらを飛んでいるのを採集されているものが多い…。出現期は3~5月、すなわち早春に採集される場合がもっとも多いが、7~8月にも採集されており、くわしい周年経過はわかっていない」(『原色日本蛾類図鑑(下)改訂新版』)ヤガ科セセリモドキ亜科のガです。また、♂は後脚のヘアペンシルからフェロモンを出して♀を誘うようで(ウェブサイト『一寸の虫にも五分の魂/ニホンセセリモドキ(2019/04/07)』参照)、写真にも毛の束が写っています。
ニホンセセリモドキは「各地で知られているもののそう普通のものではない」(『同上図鑑』)ガです。ブログの自己紹介欄に「『ふつう』と思われている生き物を記録しておくことが大切と考えています」としていることと矛盾しているようですが、普通でないものに出会うと少し嬉しくなってしまいます。

《山頂下の駐車場とニホンセセリモドキが飛んできた芝地 2019/04/05》

《強風に吹き飛ばされてきて枯芝にとまったニホンセセリモドキ(ヘアペンシルのような毛の束が見えます) 2019/04/05》
※ 昨日(2019/04/06)、図書館で借りた本です(妻の本も含まれています)。
1 『石川県能登宝達山のサンショウウオ物語ーサンショウウオに魅せられて40年ー』(秋田喜憲著)
2 『今西錦司ー生物レベルでの思考ー』(今西錦司著)
3 『自然菜園で育ちや味がどんどんよくなる野菜づくり』(竹内孝功著)
4 『春は曙光、夏は短夜』(毎日新聞校閲グループ岩佐義樹著)
5 『幸せは自分の中にあるーベニシア、イギリス貴族の娘。ー』