ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

“空白の時間” にも “無力”?

2018-09-28 06:40:00 | 病状
 自助会AAのミーティングでは毎回テーマが立てられて、原則、そのテーマに沿って体験談が語られます。たとえテーマが同じでも、その時々の何かによって想うことが違うことがよくあります。これもAAのミーティングのおもしいところでしょうか。

 先日のテーマは、『アルコールに対し “無力” であること』でした。これもよくあるテーマです。この言葉は、酒に対する自制心が効かなくなって “どうにもならなくなった” 状態を象徴する言葉で、「再び飲酒したら、またボロ雑巾のような無様な姿なるよ」という戒めが込められています。

 その日の私が想ったのは、どういうわけか “空白の時間” でした。再飲酒を防ぐためには、“最初の一杯” を飲まなければいいわけで、“最初の一杯” に誘う最大の危機はやはり “空白の時間” だろうという理屈でした。“空白の時間” による生活リズムの乱れを恐れたわけです。

 お陰様で断酒歴が丸4年と10ヵ月過ぎた私です。今では週単位の生活リズムが確立し、よっぽどのことがない限りその日何をすべきかに迷うことはなくなりました。それでも、思いもしない出来事が起きてその日の予定が立たなくなりでもしたら、せっかくの生活リズムが崩れてしまいそうで心細くなることがよくあります。

 最悪だったのは、楽しみにしていた予定のドタキャンで、覿面にうろたえてしまうこと、つい最近証明されました。2ヵ月前の7月上旬に西日本を襲った集中豪雨のときもまさにそれで、4日間は行動の自由が効かなくなって大変往生しました。

 昨年の秋、大腸のポリープ切除で入院したときも同じでした。たった1日の点滴さえも我慢ならず、タバコも吸えないと怒りを爆発させてしまいました。入院時の注意事項をよく読んでいなかったため、想定外の点滴にうろたえてしまっただけの話です。

 と言うようなわけで、生活リズムが確立したことによって、最近は想定外の出来事に却って過剰に反応しがちになっているようです。予定が突然狂いでもしたら、戸惑ったりうろたえたりするのは健常人でも同じことで、何もアルコール依存症者に限ったことではないと思います。ただ、それが少し過剰になりがちなのが依存症気質の所以なのでしょう。

 家で一人、ジリジリ・グズグズ・モヤモヤし始めたら危険信号です。下手をするとそのまま内に籠もってしまいそうで、とても落ち着いてなどいられません。

 そんなときは不安を振り払うために、即、外に出て道のゴミ拾いを始めることにしています。5分もしないうちに “空白の時間” など忘れてしまって作業に没頭できます。

 その外出も叶わない場合は、思い切って一眠りすることを最後の手段にしています。何の気兼ねもなしに何時でも寝れるというのが退職者ならではの特権なのです。

 “下手な考え 休むに如かず” 一眠りした後は何事もなかったかのように事が捗ります。やはり、“果報は寝て待て” なのですネ。


            *   *   *   *   *

「どうしてゴミ拾いを? なかなかできることではないですよ~!」ゴミ拾い中、道で人にこう言われたら、以前は「なぁに、趣味みたいなものですから」と応えていました。が、最近はずばり「趣味ですから」と言い切ることにしています。どんなときでも直ぐに没頭できることを趣味と言うならば、ゴミ拾いは私にとってまさしく趣味なのです。

 それにしても人生って皮肉・諧謔満載なんですね。現役バリバリの頃はあんなに暇な時間を欲しがっていたのに、退職を期に暇を持て余して酒浸りとなり、その挙げ句の果てがアル中末期の体たらく。命からがら酒を断ったら、今度は暇になりそうというだけで怯える始末。これを皮肉と言わずに何と言うのでしょう。



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コメント (2)
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