ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

エスコートで知った老化の現実

2017-12-26 06:02:37 | 雑感
 ついこの間、耳の老化について記事にしたばかりですが、今回は脚の老化についての話です。市役所前兼駅前が話の舞台です。

 駅脇を通る幹線道路には踏み切りがあり、普段ならよく遮断機が降りて車の渋滞が発生するところです。その幹線道路に面した駅前のタクシー乗り場の端で、先日、杖をついた老女がひとりで立っていました。歳の頃は80代後半のようでした。どうやら道を横断しようとしていたらしいのですが、数珠つなぎの車はノロノロながらも動いていて止まってくれる気配はありませんでした。私も老女の側に立ち止まりました。

「あなたはどこに行くの?」と、その老女が私に聞いてきました。
「真向かいの信用金庫です。おばさんは?」
「わたしゃ、その隣のコーヒー店。」
「じゃぁ、一緒に渡りましょう!」少し離れた信号が赤となったので、すかさずその間に渡ることにしました。

 さぁ渡ろうということで手を繋いでみると、彼女の素手はカサカサして冷えていました。その手をしっかり握りしめて車の間を横切り始めたのですが、そのとき初めて彼女の足取りが殊の外遅いことに気づかされました。

 自分の歩幅でいつも通りに歩こうとした私なのですが、彼女が私を後ろに引っ張ろうとしたのです。いや、引っ張っていたのではなく、彼女の脚が追い追い付けなかったと言った方が正確でしょう。歩数からすると精々11~12歩ぐらいの道幅なので、彼女も精一杯歩こうとはしていたのです。ところが脚の方はと言うと、一向に言うことを聞いてくれなかったと言うわけです。

 どうにか渡り終えたので、彼女は深々と頭を下げて「ありがとう」を繰り返していました。私の方はと言えば、聞きしに勝る老化の現実に吃驚でした。老いが進むと足に1~2 kgの重りを付けたような感覚だとは聞いていましたが、こんなにも重く遅い足取りになろうとは私の想像力を遙かに超えていました。

 以前に比べたら私も随分歩くのが遅くなりました。元々身体が硬いこともあって、どことなく動きがぎこちなくなってきています。思い通りに足が上がっていないらしく、間合いが取れずよく躓きもします。30分以上歩き続けると、決まって足が重たくなってきます。随分老けたものだと自分なりに自覚はしているのです。

 そんな私ですが、身をもって老女の厳しい現実を体験し、今更ながら老いの行く末に覚悟を新たにした次第です。もうじき67歳になる年の瀬の出来事でした。



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