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ブログ開始100本目の記事記念_パロディ童話 「鶴の恩返し」

2011年07月31日 09時29分39秒 | ブログの12年のあゆみ

Turuno_ongaeshi_kp

イラストはクレヨン則さんからの提供です。

育った町「延岡」。宮崎市に居住して21年目になるも、延岡弁がまだ抜けません
そんな延岡弁をつかって「パロディ童話」をつくってみました。
延岡弁を知らない方は意味不明なところがあるかと思いますが、想像しながら見てください。


むかしむかし、あるところんお爺さんとお婆さんが住んじょったげな。
ある日のこつ、お爺さんが畑のしごつが終って、うちに帰ろうと村ん道をさるきよったらと、草むらの方から何か「ゴソゴソ」と音がしたちゃげな。何じゃろかいとお爺さんは草をそっとかき分けち、音んのする方へ近よったら、そこん一羽の白い鳥が、いのししの罠に足をとられちかい、苦しんじょったげな。

お爺さん:「おーこりゃ、こりゃ痛ぇしてたまらんじゃろ。わしが放しちゃるわ。何かいいこつがあるかんしれんかいね・・」そう言うちお爺さんは、その鳥を逃がしてやったげな。家に戻っちかいお婆さんに鳥を逃がしたの話をしたちゃげな。
お爺さん:「今日よね、一本橋のとこじ、鳥がいのししん罠にかかっちょったとよ。もぞなぎーかい、逃がしてやったっちゃが」
お婆さん:「そりゃいいこつしたわ、あんたもたまにはいいこつすっじゃねーけ」
お爺さん:「あんたも口が減らんね~たまにはは、よざんじゃわ」
お婆さん:「じゃけんどんが、あんたも何か欲なこつ考えちょったちゃろ、鳥が恩返しに来るかもしれんと思っちょたちゃねーけ。」と言いながらも、婆さんはこめー頃聞いた「鶴の恩返し」を思い出して、お爺さんと一緒になっち、そん鳥が恩返しに来るのを待っちょったげな。

お爺さん:「恩返しにこんね。遅せーね、まだこんちゃろかい。どっか寄り道しよちゃねーじゃろかい」
お婆さん:「あんたもせっかちじゃねー。そんげなこつをいいよったら来るもんもこんわ!」
ところがその晩も遅くなった頃、期待通りひとりの娘がたずねてきたげな。

若い娘:「こんばんは~。旅の途中、足を怪我しました。どうか一夜の宿をお貸しください」
お爺さん:「どんげしたっけ?外は真っ暗でおじーこつねかったけ?」と娘のこつも考えんで、延岡弁丸出しで言ったげな。でも何とか通じたようで、お爺さんとお婆さんは、その娘を厚くもてなしたげな。
そして次ん日の朝、その娘が言うたげな。

若い娘:「お爺さん、お婆さん、大変お世話になりました。お礼に機(はた)を織ってさし上げたいと思います。どうか機織りを貸していただけませんでしょうか・・・」 お爺さんは待ってましたといわんばかり、ニコニコしながら言うたげな。

お爺さん:「いーど、いーど。そんで機を織っている姿をけっして覗いちゃいかんちゃろ」とお爺さんは聞いていないことをズバズバいうたげな。
若い娘:「どうして、私が言おうとすることがわかるんですか」
お爺さん:「"気は心"ちゅーじゃねーけ。あんたん気持ちはわかるちゃが!のぞかんかい心配しなんな」と何かと一言多いお爺さん。
若い娘:「お爺さん、お婆さん、お心遣いありがとうございます。それではお借りします」と言って娘は機織り部屋に入っていったげな。

お婆さん:「お爺さんや、これでおっどんのくらしも楽になんねー」
お爺さん:「そうじゃとも婆さん。わしも畑仕事をせんでん、左団扇でくらせるかん知れん」

ふたりは、美しい織物が出来上がるのを今か今かと待っちょったげな。しかし、いっこうに機を織るような音が聞こえてこんげな。ところが何やら「ガタゴト」と物音が長く続いたちゃげな。そんで心配になった爺さん。
お爺さん:「婆さん、どんげしたっちゃろかい。ちゃんと織りよっちゃろかい。そっと覗いち見よかい」
お婆さん:「待っちょこや~。ちっと我慢すっや。ここで覗いたら元も子もなくなるもしれんよ」
お爺さん:「そんげなこつ言うても。わからんごつ、ちょっとだけならいっちゃねーけ」
お婆さん:「あんたホントにせっかちじゃねー。どんげなってん知らんよ・・」

そんげな婆さんの声に耳も貸さないお爺さんは、お婆さんが止むるのも聞かんで、そっと部屋を覗いたげな。

そこには、一羽の鳥がでーじな家財道具を唐草模様の風呂敷につめちかい飛び立とうしている姿があったげな。ひったまげたお爺さんは、「何しょっとけ~。ドロボー」でもその時はもう遅かったげな。鳥は、他の鳥達と一緒にサッサと運び去って、おらんごつなってしまったげな。


結局、お爺さんが助けた鳥は"鶴"じゃねーしてかい、"鷺(サギ)"じゃったげな。
詐欺集団にでじな家財道具を取られたお爺さんとお婆さんは、3日3晩くやしーしちかい寝られんかったげな。(おしまい)


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