「母の日のプレゼント、何がいい?」
母の答え、いつも一緒だった。
「あんたが健康で元気で幸せに暮らしてくれたら、それが一番のプレゼントや。」
私も母も、洋服やアクセサリーが大好きで、一緒にショッピングをしたことを懐かしく思う。
5年前、他界した母の遺品整理で、
大量の洋服を号泣しながら処分した。
持ち主のいなくなった母のアクセサリーたちは、ガラスケースの中に飾ってある。
三週間ほど前、数年ぶりに私の夢の中に母が出てきた。
夢の中の母は、心配そうな表情で私に何かを言おうとしていた。
そんな母に
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
と、謝った。
自分自身を責めて、自分自身をがんじがらめに縛りつけ、自分自身を追い詰めていた…。
喪失感から立ち直り、ようやく自分自身を取り戻した現在…。
残りの私の人生を、
あなたから引き継いだ生命を、
もっと大切にして生きて行くと誓った
そう言えば…
私はコボン(息子)にも、
毎年、母と同じ事を言ってる。
「あんたが元気で無事で、幸せに暮らしてくれたら、それが一番嬉しいプレゼント。」
母の日のケーキ、今年は買わなかった。
食べてもらいたい母は、この世には存在しないから。
母の遺影に、
昔、私がプレゼントしたネックレスをかけた。