Cool Velvet/Stan Getz and Strings
(Verve MGVS-68379)
(Verve MGVS-68379)
多作のアーチストにおいては、”いつかはやってみたいストリングスとの共演”的な考えが頭をもたげて来るのでしょうかねぇ。ストリングスとの対比的に硬 質な音色で迫る場合と、このゲッツの様にストリングスとブレンドするかのような音色で迫るケースがあるとおもいます。このゲッツのアルバムはまさに後者の 代表と思います。彼の音色、テナーではかなり個性的ですものね。このアルバムはそういった意味で成功例と思います。ノーグラン、クレフ、バーブでは多作の ゲッツですが、異色のアルバムです。ストリングスはラッセル・ガルシアで、演奏曲もスタンダード中心で時間も短く各面5曲の計10曲の構成です。A-1の "THE THRILL IS GONE"のストリングスの強いアタックの後、煙のように甘い音色で出てくるゲッツのサックスが最高です。他にもB面の"'Roung Midnight"や"Whisper Not"の真のジャズスタンダードでもストリングスとの融合で聴かしてしまうゲッツの解釈がすばらしいです。
このカバーはセカンドジャケットかもしれません。ゲッツの顔が大写しになったカバーのものが存在すると思います。このカバーは先述のピーターソンのソングブックシリーズで紹介したMERLE SHOREによるもので、このイラストカバーも捨て難いものがあります。センターレーベルはT字MGMです。Getzはじめ当時のVERVEのラインナップ、凄いですねぇ!!!