Julie Is Her Name/Julie London
(Liberty LRP3006)
いつだったか東芝が狂ったようにジュリー・ロンドンのLPばかりを発売した事があった。あれは一体どういう企画だったのでしょう。後にも先にも一人の アーチストに固執して10枚前後のアルバムを一期に発売した事例はないと記憶している。マイルスデイビスぐらいのジャズジャイアントなら話はわからないで もないが、対象はジャズ歌手とも言い切れないSINGER&ACTRESSのジュリーロンドンである。よっぽどプロデューサーの好みだったか、金銭がらみ か、この理由については自分には謎である。もしご存知の方がおられたら情報が欲しいものです。
さて、今日のアルバムはそのジュリー・ロンドンです。初リーダー盤でクライミーアリヴァーを収録したアルバムとして知られており彼女の出世作です。伴奏 はあのギターの巨人バーニー・ケッセルとベースのレイ・レザーウッドのギターデュオです。初リーダー盤にオーケストラではなく、このシンプルで難しい フォーマットをもってきたのはプロデューサーの辣腕を評価すべきか単に伴奏陣に払うギャラがなかったのかは定かでありません。伴奏のケッセルのギターがす ばらしく、ハスキーでセクシーな彼女のヴォーカルはファーストレコーディングとはおもえない名唱となりました。子供時代の友達であるArthur Hamiltonによって彼女のためにこのとき書かれたと言うクライミーアリヴァーは、収録された他のスタンダード曲と比較しても出色の出来でのちのち彼 女の代名詞となっていきました。
Julie Is Her Name vol.2/Julie London
(Liberty LRP3100)
第1作と同じフォーマットで録音されたのが、この第2集です。ギターのHoword RobertsとベースのRed Mitchellと言う第1集同様ジャズファンにはうれしい伴奏陣です。ここでもロンドンのセクシーボーカルを堪能できます。 ジャケットは第1集は初々しいやや緊張した表情にベアトップのドレス、第2集は笑みを作った余裕の表情で黒のセーターといういでたちで、ほぼ同じ角度で撮影されています。いずれも彼女のflaxen hairとblue eyeがうつくしいですね。
ともにリバティのレインボーのセンターレーベルでモノラル盤です。