Jimmy Raney featuring Bob Brookmeyer
(ABC-paramount ABC-129)
昨日のスタンレイ・タレンタインのCTIレーベルを起こしたCreed
Taylorが手がけたレーベルにABC-paramountがある。テイラーはこのABC-paramountの前は、Bethlehem
labelを手がけており、この流れを汲む渋めのラインナップが並ぶ、自分に取っては愛すべきレーベルです。
今日はそんな中から一枚UPします。Jimmy
Raneyは同じギターリストでもケニー・バレルやグラント・グリーンのようにあまりブルージー印象が薄く、どちらか言うとタル・ファーロウ
的な印象のあるプレイをするギターリストで、60年台の日本ジャズギターシーンでもビリー・バウアー(この人も渋いギターリストですねぇ!)とともにプ
レーヤーに人気のあったいわゆるPlayer's
Playerであったといいます。1956年の録音でここではバルブトロンボーンのボブ・ブルックマイヤーが全面にフィーチャーさ
れ、いつものもこもことしたボントロを聴かせてくれます。これにレイニーがおとなしめのシングルトーンを中心としたギタープレイで絡んでいく構成です。ピ
アノは白人の
ディック・カッツとこういった渋めのセッションでは抜群のセンスを発揮するハンク・ジョーンズが曲によって参加する格好です。ベースはこの時代に活躍の多
いテディ・コティック、ドラムがオシー・ジョンソンとこれまた通好みのラインナップです。
このころ名をなしたギターリストはケッセルをはじめほとんどが白人プレーヤーですよね。みんな大好きなウェスはもちろん、バレルはかけ出し、グリーンも名
前すら出てきてない時代のジャズ・ギターのスタイルを示した好盤と思います。クリード・テイラーらしいアルバム造りのコンセプトのようなものを感じます
ね。
ABC paramountのオリジナルと思いますが、A-1,
B-1に残念ながらのskipありです。カバーはなかなかアーティスチックで鑑賞に堪えますよね!