Time For 2/Anita O'day
(Verve V-8472)
昔の人気TV番組に”太陽に吠えろ”と刑事ものがありましたが,この番組の最後にボスの裕次郎が事件を解決した後,決まって行くスナックの映像が挿入さ
れていましたが,ここの壁にアニタの唄っている姿を捉えたかなり大きめのポスターが飾られていたのを思い出します。若い頃のアニタの、そのビジュアルにも
十分耐えうる美しい美貌と、ロングドレス,帽子,手袋をつけたそのファッショナブルなスタイル(Vogue
Styleって言うんでしょうか?)は映画”真夏の夜のジャズ”のハイライトシーンとなっていましたよね。ビジュアルにも素晴らしいのですが,そのホーン
ライクな歌唱は彼女のトレードマークであります。エラにも言えますが,聴衆を引き込んでいくライブでのステージのうまさも特筆ものですよね。
初期のアニタのアルバムはジャズボーカルクラッシックと言うべき名盤が目白押しなのは皆さんご存知のとおりです。本日のアルバムは1962年の録音です
からピークをやや越えた時期のモノですが,カル・ジェイダーのバイブをfeatureした四重奏団との共演です。他のメンバーはLonnie
Hewitt or Bob Corwin(p), Freddy Schreiber(b), Johnnny
Rae(ds)です。演奏曲もやや渋めかな?サイドAでは"Thanks For The Memory", "Just In
Time"などの人気曲の歌唱は言うに及ばず,ラブリーなテーマをもった"Under A Blanket Of
Blue"を唄うアニタが好きですね。サイドBの"An Occasional Man"や"The Party Is
Over"のラテンリズムに載ったボーカルもききものですよね。アニタのアルバムはVERVEに絶頂期があり、多くのアルバムがリリースされていますが,
駄作が少ないですよね。このアルバムは決して有名ではないですがジェイダーのラテンバイブとの絶妙なブレンドが楽しめるので時々聴きたくなる盤ですね。
MGMのT字レーベルです。パンチホールがありますが、愛すべきアルバムです。アニタ万歳!