Singin' & Swingin'/Betty Roche
(Prestige 7178)
(Prestige 7178)
エラ,サラは黒人を代表するジャズシンガーですが、彼女らもハーレムアポロ劇場のアマチュアナイトの出身者だったと言うのをどこかで読んだ記憶がある。 このアマチュアナイトはスターへの登竜門と言われるコンテストでジェームス・ブラウンやマイケル・ジャクソン、日本人では平井堅を生んだことでも知られて います。90年前後だったと思いますが67camperはこのアポロ劇場のアマチュアナイトを現地で観ていました。スゴイ熱気で、次から次へとダンス, 歌、演奏などが繰り出されるショーに唖然としていました。まさに,アメリカ芸能界の底辺の広さを感じる素晴らしい一夜でした。
今日の主役、Betty Rocheもこのコンテストの優勝者だったようです。彼女はエリントン楽団のボーカルをつとめ,"HiFii Ellington Uptown"では"Take the A Train"ですごいスキャットを聴かせてくれていた実力派です。その後ベツレヘムに吹き込み一旦は休業状態にあったようですが、ここで共演しているギ ターのBill Jenningsの取り計らいでプレステッジへの録音が可能になりカンバックをはたします。その記念すべきアルバムがこれです。ジミー・フォーレストのテ ナー,ビル・ジェニングスのギター,ウェンデル・マーシャルのベース、ロイヘインズのドラムに加え,何とジャック・マクダフのオルガンがバックをつとめ、 やや控えめながら的確なコンピングを入れてBettynのボーカルをサポートしています。収録曲もスタンダードばかりで聴きやすく、A面はCome Rain or Come Shine, A Foggy day, Day By Day, When I Fall in Love,B面はBlue Moon, Where Or When, September song, Until The Real Thing Comes Along, Billie's Bounceのラインアップで、ハスキーでウォームな声で時にはスキャットとを交えて唄いきっています。カムバックにかける意気込みの伝わる好アルバムと 思います。
Prestigeの黄黒センターレーベルのモノラル・オリジナルです。コーティングカバーで渋いグリーンのモノトーンのカバーデザインも秀逸です。