Hamp's Piano/Hampton Hawes
(MPS UPS-2112-9 Jp.reissue)
”うまさん”の愛称で知られるハンプトン・ホーズはGIとして日本に駐留し,黎明期の我が国のジャズシーンに多大な影響を与えたピアニストである。ブルースが得意で,帰国後吹き込んだコンテンポラリーの諸作はジャズ入門盤の解説書にはかならずと言っていいほど登場するアルバムですよね。パウエル派のピアニストですがウエストコースターならではのカラッとした語り口が特徴で,同じパウエル派のイーストコースターのピアニストや後のファンキーピアニストとは一線を画した味があるピアニストだと思います。
本日は、ホーズの比較的後期の録音から一枚アップしようと思います。オスカー・ピーターソンで有名なMPSのアルバムで、ムジーク・プロダクチオン・シュバルツバルトとなんだか舌を噛みそうなレーベル名ですね。自分はヨーロッパのジャズ事情には明るくないですが,ドイツの家電メーカーがその前身とか・・・。
オスカー・ピーターソンの録音で有名ですが、ヨーロッパではsteeple chaseと並び最大のレーベルかもしれませんね。特にピアノの録音に関しては素晴らしいものがあり,OPが絶賛したと言われています。さて、このアルバムもホーズがドイツを訪れたときに録音されたモノで,ベースにEberhard Weber, ドラムにClaus Weissというドイツ人アーチストの参加をえて、デュオもしくはトリオ形式の演奏を聴かせます。何と言ってもサイドAの"Hamp's Blues"と"Black Forest Blues"の2つのブルースにおける彼独特の乾いたブルースフィーリングがいいですね。続く,枯葉も自分が好きな演奏の一つです。9分余りの長い演奏ですが,彼のピアニスティックな魅力が充分に捉えられています。ドイツ人アーチストも思いのほかグッドなサポートですね。
ホーズの後期を代表するアルバムと言ってもいいと思います。MPSの素晴らしい録音は自分が所有するテイチクの再発盤でもそこそこ味わえてます(笑)。