Buddy De Franco and the Oscar Peterson Quartet
(Verve MGV-8210)
(Verve MGV-8210)
1956年ダウンビートのインタビューでデフランコは"the mechanical man of Jazz"と評され燃えたと言います。彼のプレイが,何となくよそよそしくエモーションに欠けると評され,emotionについてプロの助けを借りようと精神科的治療を受けたと言います。彼のテクニック重視の奏法,スタイルがこういったメカニカルと言う論評を呼んだのでしょう。確かに急速調で高音域ばかりのフレーズの多用は聴き手に疲労感すら与える事もありますよね。この点,グッドマンなどのゆったりとしたウォームな低音域をふんだんに使ったプレイは同じ楽器でも落ち着いたイメージを与えます。テクニカルには優秀なのでしょうが,今ひとつメジャー(充分メジャーか?)になりきれないのはこう言った点かななんて思います。
前記の話は本日アップのアルバムにナット・ヘントフが書いたものですが,それの答えがこのアルバムという事になるのでしょうねぇ?・・・。メンバーはデフランコとピーターソン,ハーブ・エリス,レイ・ブラウン,ルイ・ベルソンのOPレギュラーカルテットとの共演です。A面は"Sweet and Lovely", "Fascinatin' Rhythm", "Love for Sale",B面が"Easy to Love", "Pick Yourself Up", "They Can't Take That Away From Me"の計6曲です。個人的には、B面のややテンポを押さえた"Easy to Love"や"They Can't Take That Away From Me"が聴きやすくemotionを感じますが、アップテンポではやはり彼のメカニカルでクールな印象は拭えませんね。好き嫌いはあるでしょうが,やはりこれが彼のスタイルなのでしょうね。
VERVEのMGMモノラル盤でT字センターラベルです。ブルーグレーのカバーは秀逸で,この時代のVerveならではのグッドカバーです。