Cantando Bossa Nova/Vi Velasco
(Colpix CP438)
(Colpix CP438)
このカバーに見覚えのある方、結構多いのでは・・・?自分は初めて見たとき,一見して東南アジア系の女性だと感じましたが,何よりも「Zoot Sims」のロゴに反応したように記憶しています。この女性が主役とは思いもやらなかったのです。名前もカバーに"Vi Velasco"なんて記載されていますが、これがこのシンガーの名前とは思いもよらなかったのです。ボッサのアルバムなのは容易に想像がついたのですがポルトガル語の知識は皆無!裏をみて、これがシンガー名,そして彼女がフィリピーノであり、幼いときにサンジエゴに移住した事を知りました。今日の主役はこのVi Velascoなるシンガーです。
colpixといえば以前にアップしたズートのNew Beat Bossa Novaを思い出しますがこのアルバムでもギターを務めるジム・ホールの共演がありました。アレンジもマニー・アルバムとアル・コーンで本日アップのこのボーカルアルバムとほとんど同じです。New Beat Bossa Novaは続編vol2(Coplix SCP437)があるのですが、vol1(colpix SCP435, 実際は単にNew Beat Bossa Nova)の録音が62年8月20日,このVi Velasco盤が62年10月1.2日となっており,vol2の録音と前後して行われたモノと思います。vol2のバックカバーにはこのVelascoのボーカル盤がAdとして載っています。番号も続きですものね。
彼女のボーカルはこれでしか聴いた事がないのですが、素直な歌唱で聴きやすいボーカルですよね。彼女とズートの関係は,アストラッドとゲッツの関係にあったのではなんて想像もしてしまいます。勝手な想像ですが、アストラッドの様に売れなかったのは、やっぱりブラジリアンでない事,アストラッドに比べればややシャウト気味なところがマイナスだったのかも知れません。ズートの乾いた甘い音色のテナーソロが最高で,ジム・ホールにも充分にソロスペースが与えられ,ジャズファンも充分に楽しめる好アルバムです。収録曲もスキャットででる"Recado"などのボッサの他に,ボッサ風アレンジの"cheek to cheek"や"Exactly Like You"など渋い選曲ですよ!
ボーカルファンはもとよりズートファンならぜひ欲しい一枚だと思います。所有盤はColpixのオリジナルモノラル盤と思います。