Western Suite/Jimmy Giuffre
(Atlantic 1330)
(Atlantic 1330)
このレコードは、ひょっとお持ちの方がいるでしょうか?レコード屋で見つけても,ジミー・ジュフリーと聴いただけで今回はスルーしておこうと思われるのが一般的ジャズファンの想いではないでしょうか。どうもジュフリーは実験的な事をやっているのか,進歩的な事をやっているのかタコ耳/凡才の自分にはついていけないと言う思いは拭えません。ましてやアルバムタイトルがWestern Suite(ウエスタン組曲)と来たモノです!大体,ジャズメンが大風呂敷を拡げて,~組曲(suite)とやったもので面白い物に出くわした経験が皆無なのです。やはり自分の耳があるいは脳みそがフレキシブルでないのでこう言う演奏にはついていけないのでしょう。じゃあ,なんでそんなものアップするか・・・?
メンバーがジュフリー(ts, bs, cl)、ボブ・ブルックマイヤー(tb)、ジム・ホール(g)のトリオなのです。これじゃ、期待薄!ベースもドラムもいないんじゃスウィングしないだろうと店頭で見たらまず思うのが当たり前です。しかしアップに値する点はB面のトプシーとブルーモンクの2曲にあります。タイトルともさほど関係あるとも思えないこの2曲のジム・ホールのプレイが個人的にとても好きなのです。メンバーにドラム,ベースはいません。しかしながら、甘い音色のコードストロークで抜群のスィング感を一人で作るジムのリズム・ギター!聴いたらやめられません。ある意味,エヴァンスのアンダーカレントに似てるのですが、相方が完全な管楽器です,和音はでません。これでもジムはソロもやるのですが,ソロよりもトリオをスウィングさせるストローク,ジュフリーのクラリネット,ボブのボントロのバックでの品のいいスウィンギーなリズムギターに唸る筈です。とても地味なアルバムですが,B面は一聴の価値があると思います。
アトランティックの再発輸入盤でGreen & Orangeレーベルですが,コーティングのきいたカバー、タイトルに因んだサボテン,アリゾナあたりの抜けるような青い空、周囲のグリーン系のグラデーションとロゴの色使いが抜群です。一見ゴミ盤なのですが隠れ愛聴盤の一枚です。