No Count Sarah/Sarah Vaughan
(Mercury SR60116)
(Mercury SR60116)
「どんなフォーマットの伴奏者が来ようとおかまいなし!」のサラのボーカルは本当にいつ聴いても素晴らしい。広い音域,乗りの良さ,器楽的なスキャットのうまさ等どれをとっても一級品の歌唱力ですよね。ルーレットにベイシーバンドと共演したアルバムがあり,これの出来も素晴らしいですが、本日はこのタイトル通りの御大抜きのベイシーバンドとの共演盤をアップしますね。このカバーデザインが好きなんですよ!「NO」の「O」の中に細身の(失礼!)サラが写ったデザインの素晴らしさは特筆モノで、ブログと言う視覚優先ならということでこのアルバムになっちゃいました。
御大抜きのピアノの椅子に座るのは、Ronnel Brightです。他のメンバーは,当時のベイシーバンドそのものでWendell Culley, Thad Jones, Eugene Young, Joe Newman(tp), Henry Coker, Al Grey, Benny Powell(tb), Frank Wess, Frank Foster, Billy Mitchell, Charley Fowlkes, Marshall Royal(sax), Freddy Green(g), Richard Davis(b), Sonny Payne(ds)のそうそうたる面々です。このアルバムの選曲の素晴らしさも人気の大きな要素でしょう。A面はイントロが洒落ている"Smoke Gets In Your Eyes"で幕を開け,次いでシルバーの"Doodlin'"、サックスとラッパのオブリが美しいバラード"Darn That Dream",スウィンギーな"Just One Of Those Things", 再びバラードへの巧みな対応を聴かせる"Moonlight In Vermont"の5曲です。B面は一転してブルースの"No 'Count Blues", ここでのスキャットはアルバムのハイライトですね。フランク・ウェス(?)のフルートが活躍する"Cheek To Cheek"もいい出来です。続く"Stardust"ではロンネルのピアノに導かれて始まるソプラノのスキャット,そして通常の歌唱に移って行く構成はperfectですね。やっぱりサラはいいですね。白人ではこんなボーカルはあり得ない!そんなアルバムですね。
それにしてもベイシーはどうしてたんでしょうね???所有盤は赤ラベル,ステレオ盤(両溝)です。