Demon's Dance/Jackie McLean
(Blue Note BST84345)
(Blue Note BST84345)
アルトサックス界の話になると,カーター,ホッジズ,ウィリー・スミス系を除いたハードバッパーを中心に聴いて行くと何れのプレイヤーにもパーカーの影はつきまとっていますよね。初期のマクリーンも勿論そうですよね。当時の泣きのマクリーン節はアート・ペッペーと並び日本でも最も人気のあるアルトプレーヤーと言っても過言ではないと思います。マクリーンに関して言うと、フリーキーなトーンをまじえてプレーし始めたワンステップビヨンド以降のマクリーン激しいプレイもとても魅力的だと感じています。この辺りのブルーノートの諸作はどれも粒ぞろいの好演です。本日はこの後期ブルーノートの最後の名盤と言うべき"Demon's Dance"をアップしますね。
このアルバムの素晴らしいところはA-1タイトル曲をはじめ根底に流れるアバンギャルドなプレイ、A-2の美しいトーンで迫るバラード"Toyland"、オマスズの"Play Fiddle Play”とタイトルは違いますが同じ曲と思われるB-1の"Sweet Love Of Mine"が収録されている点だろうと思います。"Sweet Love Of Mine"については当のオマスズが「自分のほうが先だった!」とコメントしていたと言う記事ををどこかで読んだ記憶があります。皆さんもこの曲には相当に思い入れがあるのではないでしょうか?67年の録音でメンバーも当時の俊英ぞろいです。ホレスのグループで活躍したWoody Shaw(flh, tp)を始め, Lamont Johnson(p), Scott Holt(b), そしてマイルスバンドでも活躍したJack DeJohnette(ds)の五重奏団です。特にジャックはマイルスバンドでトニー・ウィリアムスの後釜をつとめますが,考えてみればトニーの発掘もマクリーンであったことを考えますとこの起用には因縁めいたものも感じますね。
所有盤は,リバティ,ステレオ盤です。ブラックマジック的なカバーは敬遠されがちですが,後期マクリーンでは絶対はずせないアルバムと思います。