Dizzy Gillespie and Stuff Smith
(Verve MGV-8214)
(Verve MGV-8214)
ジャズバイオリンとなると,ステファン・グラッペリやレイ・ナンスの名前が上がりますが、50年代後半グランツが積極的に売り出していたスタッフ・スミスの名前も忘れることができませんね。このクラシック畑の楽器で、強烈なスウィング感を醸し出す彼のプレイについては以前”SWINGIN' VIOLIN”にアップしています。ここではVERVEのハウスリズムセクションとも思えるピーターソン、ケッセルのリズムセクションを相手に快演を聴かせてくれますが、本日はフロントにトランペットの重鎮ガレスピーを加え,ウィントン・ケリーの楽しいピアノが聴ける快演盤をアップしますね。
メンバーはDizzy Gillespie(tp), Stuff Smith(vln), Wynton Kelly(p), Paul West(b), J.C.Heard(ds)の5重奏団でB面最後の"Oh, Lady Be Good"ではGordon Familyのボーカルを加えて録音されています。A-1の中東ムード漂う"Rio Pakistan"はGillespieのオリジナルでエキゾチックな雰囲気にスミスのバイオリンがうまくフィットした佳曲です。A-2の"It's Only A Paper Moon"ではこれは真骨頂とも言えるケリーのピアノが聴けるもっとも好きなトラックです。B面の"Purple Sounds"はマイナーなテーマが美しく,ガレスピーのハイノートとスミスのバイオリンのコントラストがいいですね。こう言ったマイナーテーマのミディアムスウィング曲はケリーは最も得意な曲調で当然ながらケリー節が最高です。B-2の"Russian Lullaby"のロマンチシズム溢れるバイオリンのテーマが泣かせます。B-3のGordon Familyのボーカルコーラスをフィーチャーした"Oh, Lady Be Good"は蛇足ですがご愛嬌ですね。
決して有名盤ではないですが、こんな企画でアルバムを作った当時のヴァーブの余裕を感じさせるアルバムですね。こんなアルバムでもケリー節が聴け、当時のケリーの人気が伺い知れます。ケリーファンには見逃せないですよね。所有盤はトランぺッターラベルのモノラル盤です。