67camper's Blog

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デスモンド/ジム・ホールのトーチソング集

2007-09-22 02:32:32 | jazz & vocal
Glad To Be Unhappy/Paul Desmond
(RCA LPM-3407)

 アルトサックスの音色というのもいろいろあるモノですよね。ソニー・クリスの鳴らしきるサウンド,マクリーンの泣きのアルトそしてフリーキーなトーンも個性だし,ジョニー・ホッジスの芳醇で揺れるようなサウンドも素晴らしいですよね。本日主役となるデスモンドのアルトも例に漏れず,ソフトで美しい音色は一度聴いたら忘れない音色です。デスモンドと言うと,ブルーベックのテイクファイブに見られるようなジョー・モレロの硬質なドラムを相手にしたプレイが耳について離れないのですが,本日アップのジム・ホールを相手にしたピアノレスのサウンドも忘れ難いモノがありますね。RCAの諸作のうち最後に発表されたこのアルバムはトーチソングやバラードのみを集めて、限りなくソフトで力の抜けた雰囲気を醸し出しています。

 あらためてメンバーを紹介するとPaul Desmond(as), Jim Hall(g), Gene Wright, Gene Cherico(b), Connie Kay(ds)からなる四重奏団です。A面はタイトル曲の"Glad To Be Unhappy"で始まりますがこのアルバムのリラックスしたムードを代表する演奏です。次の"Poor Butterfly"のみがベースがジーン・チェリコにかわりますが美しいデスモンドのアルトとジムのコードプレイ,丸いトーンのシングルノートプレイともに好調です。B面の"A Taste Of Honey"は甘美なメロディを持つ佳曲で,ビートルズなども取り上げていますよね。ここでも原曲の美しさを損なわないデスモンドのアルトが最高です。ラストの”Angel Eyes”もそうですが、全編を通じてデスモンドのアルトに巧みにコード,単音を絡めていくジムのギターを堪能できるアルバムでもありジム・ホールファンにも評価が高いのでは思います。

 所有盤はRCAのモノラル,オリジナル盤で”Mono Dynagroove”の表示が見えます。パーカー色の全くないデスモンドのアルトもこれまた個性的ですよね。