The West Side/Patti Page
(EmArcy MG36136)
(EmArcy MG36136)
テネシーワルツで全世界的な知名度をもつポピュラーシンガー,Patti Pageのなかで最もジャジーで好きなアルバムがこれです。当初はこのWEST SIDEの意味はウェストコーストと解釈していましたが、どうもそうではなくNYのウェストサイドの意味らしい。というのも参加ミュージシャンがPete Candoli, Don Fagerquist(tp), Larry Bunker(vib), Alvin Stroller(ds), Red Mitchell(b)の名がクレジットされていたからに他なりません。後にこのアルバムと対をなす「The East Side」(下に掲載)を入手してハッと気がついたわけです。West Sideではインティメートなジャジーな雰囲気なスタンダード,East Sideでは古いBroadway Hitsを集めたスタンダード集となっており、ともにピート・ルゴロのアレンジ,指揮での歌唱となっており、彼女の最高傑作と考えても良いのではとおもいます。艶のある高音,低音部でのハスキーな唄い回しで、ときにうまいフェイクを見せる歌唱はパワフルではないですが,ボーカルファンには堪らない魅力がありますね。
The East Side/Patti Page
(EmArcy MG36116)
(EmArcy MG36116)
West Sideでは、とくにA-1の"No Moon At All"とB-2の"Gone With The Wind"が特に素晴らしく,ルゴロのマリガン風のアレンジが聴きモノです。また"No Moon~"は個人的に大好きな曲で、マリガン風のアレンジからパティのボーカルが出るくだりにはゾクゾクしますよ!他にも"I'm Glad There Is You", 'Nice Work If You Can Get It", "The Masquerade Is Over", "Lullaby In Rhythm"などスタンダード集らしい選曲も素晴らしいです。一方,East SideではA-3の"Detour Ahead"が白眉です。この曲も,自分が特に思い入れのある曲ですが,Mary Ann McCallやIrene Kralの名唱に優るとも劣らない好唱だと思います。
所有盤は,ともにマーキュリーロゴのブルーラベルの再発ですが,イーストでは「Park Ave.」、ウェストでは「西52丁目,一方通行」のストリートサインがかかった街灯を配した対をなすカバーも最高です。CDでは2枚組ですかねぇ?ぜひLPで2枚揃えてほしいアルバムですね。