Southern Comfort/Frank Wess
(Prestige 7231)
(Prestige 7231)
10年程前だったろうか,カウント・ベイシーが天に召されたあとになりますが,ベイシー楽団の黄金期に屋台骨を支えたフランク・ウェスはアル・グレイ,スウィーツ,ジョー・ニューマンらとともにビッグバンドで来日したことがあります。この公演での彼ら,ベイシーアイツのプレイは初めて生で聴いた本格派のビッグバンドでその迫力に圧倒された記憶が残っています。本日はこのフランク・ウェスがアレンジャーにオリバー・ネルソンを加えプレステッジに録音した好アルバムをアップします。
メンバーは,Frank Wess(fl, ts), Oliver Nelson(ts, arr), Albert Aarons(tp), George Barrow(bs), Tommy Flanagan(p), George Duvivier(b), Osie Johnson(ds), Ray Barretto(conga)のオクテットです。全曲ネルソンのアレンジでウェスはB-2の”Summer Frost", B-3の "Dancing In The Dark"の2曲でフルートをプレイします。A-1のタイトル曲はネルソンのオリジナルブルースでテナーを吹く力強いウェスのビッグトーンが健在です。また、ベイシー楽団のトランペットセクションをつとめるAlbert Aaronsのブラウニーばりのプレイも見逃せませんね。 続くA-2の"Blue Skies"の哀愁のあるテーマに思わずニンマリです。テーマの後に現れるグルービーなピアノに”誰かな?”なんてレコード裏解説を見ると”フラナガン。完璧や!”って感じですね。B面の聴きモノは前述のウェスのフルートでしょう。全編を通じてタイトなビートを作り出すDuvivier, Johnsonのサポートもさることながらバレットのコンガの乾いた響きが好きですね。
所有盤はプレステッジのBergenfield, N.J.ステレオ盤でBlack & Silverラベルです。分厚いRVGの録音で各楽器がビビッドに録れていて音色的にも最高ですね。