67camper's Blog

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テナー奏者としてのゴルソン

2007-09-18 00:04:57 | jazz & vocal
Take A Number From 1 to 10/Benny Golson
(Argo LP681)


 有名なゴルソンハーモニーで最盛期のジャズメッセンジャーズ、ジャズテットの屋台骨となった分厚いアレンジ,あるいは音楽監督の仕事で注目されることが多いベニー・ゴルソンですが,彼のテナープレイにスポットがあたることは比較的少なく軽視される傾向に有るのではと推測いたします。本日アップのこのアルバムをご存知でしょうか?

 とても面白い構成のアルバムです。A面6曲,B面4曲でA-1の"You're My Thrill"のゴルソンのソロプレイから、A-2の"My Heart Belongs To Daddy"のゴルソンとTommy Williams(b)のデュオとトラックごとに楽器を一つづつ増やして行き最後のB-4(10曲目)でテンテットとなる構成です。増やして行くプレイヤーもA-3( Albert Heath:ds), A-4(Cedar Walton:p), A-5(Freddie Hubbard:tp), A-6(Curtis Fuller:tb), B-1(Sahib Shihab:bs), 次のオクテットのB-2からフロントメンバーがかわりGolson, Nick Travis(tp), Hal McKusick(as), Sol Schlinger(bs), Bill Elton(tb), Willie Ruff(frh)となりピアノレスとなります。B-3のノネット(Bernie Grow:tp), B-4のテンテット(Art Farmer:tp)と極めて多彩です。策を弄しすぎたと言われても仕方がない構成ですが,ゴルソンディレクターらしい発想ですよね。この構成力に耳が行きやすいですが,ソロからSahib Shihabの加わるセプテットまでの演奏は各自のソロが素晴らしく聴きモノですよ。特に,前述のA-1.2のソロとデュオ、ホーキンス,ウェブスターばりのゴルソンのサブトーンをまじえた豊かな表現力が最高です。もしお聴きになっていなければトライしてみてください。

 所有盤はアーゴのモノラルオリジナルでグレイのセンターラベルです。☎のダイアルを模した,美しいコーティングカバーもいかしていますね。