In Person!/Tony Bennett
(Columbia CS8104)
アメリカを代表するジャズ系男性シンガーというと、シナトラ、サッチモ、ナット・キング・コールを別格とすれば、白人シンガーではメル・トーメと並び忘れることができないのがこのトニーだと思います。過去にも"I Left My Heart In San Francisco"をはじめアップしていますが、共演者としては最重要なのはラルフ・シャロンであることはいうまでもありません。本日は重要な共演者の一つ、カウント・ベイシーとの共演盤をアップしますね。どこかで読んだのですが、1958年ベネットはフィリーのLatin Casinoにベイシーとともに出演していたらしいのですがテクニカルな問題で録音が出来ず、プロデューサーのMitch Millerが改めてスタジオセッションを計画し、その後に拍手をオーバーダビングしたというものです(1959年)。そしてピアノにはやっぱり盟友ラルフ・シャロンが座っていたというのです。本日はこのベネット/ベイシーの共演盤をアップしますね。
A面の"Just In Time"~"When I Fall In Love"~"Taking A Chance On Love"から張りのある声でスウィンギーに迫るベネットに圧倒されますね。やたら手を広げての歌唱スタイルが目にうかびますね。A面ラストの"Solitude"のバラードも素晴らしいですね。アルバム最大の聞き物はB-1の"Pennies From Heaven"でしょう。ゆっくりとしたルバートで出て微細なニュアンスでリスナーを魅了するスタイルは最も得意とするスタイルですよね。ラストのコンガが活躍する"O'l Man River"も聴かせますよね。
所有盤はコロンビアのステレオ盤再発です。ドリルホールがあり5ドルもしなかった代物ですが、ベイシーを向こうに回しても全く臆することがないベネットの好唱が聴けるアルバムだと思います。