Evolution/Teddy Charles
(Prestige 7078)
(Prestige 7078)
blog仲間のNOTさんのところで、今回テディ・チャールズがアップされました。なんかコメントを書いてやろうと思ったのですが、どうもテディ・チャールズのことがつかみきれておらず、もう少し知識を蓄積しないとと考え、自分の棚をひっくり返しておりました。以前に当ブログでアップしたアトランティックの"Word From Bird”のところで書いたように、テディが演奏者として優れていることと、コンポーザー/アレンジャーとしても優れた2面性を持ち合わせ、実験的な音楽表現にたけていたことはおぼろげながらわかっていたのですが、彼が白人プレイヤーであることは今の今まで知らなかった(黒人とばかり思っていました)というていたらくです。先日のNOTさんのblogにでていた10インチ盤のカバーを見たら白人であったことは容易に想像がつく訳ですが、自分の中ではインテリジェンスあふれる黒人バイブラフォニストというイメージが完全に支配していた訳です。という訳で本日はNOTさんが提示した10インチ盤の12インチ化した"Evolution"をアップいたします。
この12インチ盤は2つのセッションからなります。一つは53年8月、西海岸の録音であり、古いながらもややアヴァンギャルドな様相を呈しているセットの演奏です。メンバーはJimmy Giuffre(ts), Shorty Rogers(tp), Teddy Charles(vib), Curtis Counce(b), Shelly Manne(ds)という布陣で、タイトル曲"Evolution"と"Free"が収録されています。もう一つのセットはNOTさんがアップした10インチのセット、すなわちN.D.(new directions) Quartetの55年1月の演奏です。こちらはよりメインストリームに近く、演奏自体も聴きやすくてプレイヤーとしてのTeddyを味わうことができます。メンバーはTeddy Charles(vib), J.R.Monterose(ts)【ここでは"e"がきちんと入っています】, Chalie Mingus(b), Gerry Segal(ds)のカルテットです。Teddyの独特のクールでメタリックなサウンドは健在で、太い音のMingus、既にカサカサトーンでこさえ意を発揮しつつあるJ.R.のプレイが聞き物です。歌モノ2曲、"Speak Low"と長尺の"I Can't Get Started"の各人の個性的なプレイが楽しめるのではないかと思います。
所有盤はPrestigeの"446 W. 50th St. N.Y.C." のオリジナルです。カバーはダメージがありますがコーティングが効いた印象的な黄色いカバーも秀逸ですよね。今回はNOTさんのおかげで勉強させていただきました(笑)。