Two Loves/Duke Jordan
(Steeple Chase SCS-1024)
(Steeple Chase SCS-1024)
なんとも言えぬ哀愁漂うピアノを弾くDuke Jordanは自分にとっては特別な存在です。初めて彼のピアノを聞いたのはヨーロパにわたって、デンマークのSteeple Chaseに吹き込みを始めた頃でした。開店したばかりの新潟のジャズ喫茶「フラッシュ」では毎晩のようにジョーダンの"Flight To Denmark"がターンテーブルに載っていました。こんな哀愁漂うピアニストはそんなにいるもんじゃない。この頃ピアニストというと自分のお気に入りはクラーク、ケリー、ガーランド、トミフラが四天王の状態で彼らの演奏ばかり聞いていました。ここで初めて聞いたジョーダンは四天王のようなファンキーなプレイはなかったものの美しい録音から繰り出される哀愁漂うピアノに魅了されっぱなしでした。Steeple Chaseのジョーダンのアルバムはくだんの"Flight To Denmark"を除けばカバーが味気なく、いわゆるジャケ買いファンにはスルーされそうなカバーが多いのは事実でしょうが演奏はどれも一級品でありピアノファンにとっては堪らないアルバムがいくつもあるように思います。久しぶりに"Two Loves"を聞いたので本日はこれをアップします。
メンバーはジョーダン、Mads Vinding(b), Ed Thigpen(ds)のトリオです。A面はBluesの"Subway Inn"から始まります。ブルージーなプレイが本当にいいですね。Vindingのハイポジションを駆使したソロ、名手Thigpenのブラッシュワークも素晴らしいですね。こういったブルースのうまさもさることながらつづく"My Old Flame"のようなバラードでは独自の哀愁感に満ちたプレイがいいですね。Aラスのタイトル曲やB面トップの"Embraceable You"でも同様のプレイで物悲しい雰囲気が美しい録音とともに迫ってきますね。B面最後の彼のオリジナルでは超有名な"Jordu"もいいですね。
所有盤はSCのオリジナルステレオ盤です。デンマーク盤は当時国内盤より安かったですがこのペラジャケがあまり好きでなかったので"Flight To Denmark"などはあえて国内盤をGETした思い出がありますね。バカですね。リアルタイムでしたからデンマーク盤もゴロゴロあったんだけどなぁ・・・