Presenting Art Tatum/Art Tatum
(Verve MV2021 jp.reissue)
パウエル、モンクからモダンジャズのバップピアノはポピュラーとなって多くのプレイヤーを生んで行った訳ですが、バップ以前で重要なスタイリストはアート・テイタム、アール・ハインズ、ナット・キング・コール、エロール・ガーナー、テディ・ウィルソンあたりでしょうか。中でもアート・テイタムはGENIUSの名を欲しいままにした名プレイヤーです。1910生-1956没ですのでハードバップエラにはもうこの世にはいなかった訳ですね。その豪華絢爛とも言える装飾音は特徴的でこの影響はピーターソン、ビリー・テイラー、フィニアス・ニューボーン・Jrなどにも及んでいるのではと思います。クレフに代表されるようなソロもいいですが、本日はverveのトリオ盤をアップいたします。
メンバーはArt Tatum(p). Red Callender(b), Jo Jones(ds)のトリオです。アップテンポでの縦横無尽なテクニックあふれる演奏はまさにGENIUSの面目躍如というところです。A-1の"Just One Of Those Things"からぐいぐいトリオを引っ張っていくピアノは素晴らしいですね。ジョーンズのブラシのうまさにも唸る筈です。バラードのうまさも特筆もので、A-5の"More Than You Know"やB-4の"I'll Never Be The Same"などの装飾的なフレーズを交えたピアニスティックなプレイに納得です。テイタム自体、あまり聞かれることがないですが、ベン・ウェブスターとの共演盤とともに押さえておきたいアルバムではないでしょうか?
パブロからでた盤もありますが、所有盤はポリドールからでた国内盤reissueです。パブロのモノクロカバーもイカしてますが、このカバーも捨てがたいGOOD COVERの一つと思います。