Philly Joe's Beat/Philly Joe Jones
(Atlantic SD1340)
(Atlantic SD1340)
"Playing loud doesn't mean being noisy. You can play loud musically." これは評論家ナット・ヘントフがフィリー・ジョーのドラミングを語った言葉です。フィリー・ジョーはその名のごとく、フィラデルフィア出身で既に名をなしていたジョー・ジョーンズと区別するために生地の名称を冠したことはよく知られていますよね。ドラミングスタイルはジョー・ジョーンズとは異なり、ダイナミックな素早いスティックさばきが特徴ですよね。50年後半のマイルスバンドのリズムセクションはGarland/Chambers/Philly Joeですが"The modern Jazz rhythm section of the decade"として有名ですし、このユニットでペッパーと共演したこともよく知られています。当初マイルスとクラブに出演したとき、うるさすぎる(Too Loud)と評され、すぐにマイルスが解雇するだろうと思われていたようですね。実際は自己のグループ形成のため退団したのですが、Milesのfavorite drummerであったようですね。本日はこのPhilly Joe Jonesのアルバムをアップします。
メンバーはフロントにMichael Downs(cor), Bill Barron(ts), リズムがWalter Davis(p), Paul Chambers(b), Philly Joe Jones(ds)のクインテットです。各面冒頭に"Salt Peanuts"(A面), "Two Bass Hit"(B面)のドラマーのショーケース的作品が取り上げられています。無名ですがフロントのユニゾンがいい"Salt Peanuts"がすきですね。A-3の"Dear Old Stockholm"も決定的名演があるので軽視されがちですが、録音自体が少ないですから貴重ですよね。B-2のJimmy Garrison作の"Lori"でのリリカルなWalter Davis、Downsのプレイも見逃せませんね。
ドラマー色が強くなると、どうも聴きづらくなりますが、フィリー・ジョーのアルバムはさほどドラム色が強くないので聴きやすい感じを持っているのは自分だけかなぁ・・・。所有盤はブルー/グリーンのatlanticのステレオ盤です。コーティングカバーがうれしいですし、フィリー・ジョーの表情が抜群です!。