Kelly Great/Wynton Kelly
(Vee Jay LP1016)
(Vee Jay LP1016)
ジャケット裏の解説でケリーの偉大さについて述べているのは、なんとマイルスバンドで同僚であったキャノンボールです。このなかでマイルスが別のピアニストを使ってアルバムを作ったとき、"Wynton Kelly is the only pianist who could make that tune get off the ground."と語った一説を紹介しており彼のコンボに於ける絶妙なアシストを絶賛しています。ご存知のように、Vee Jayには"Wynton Kelly", "Kelly At Midnite"の2枚のトリオアルバムがありますが、本日アップの"Kelly Great"はJMからモーガン、ショーターを加えたクインテットで演奏され、ソロイストとしての官能的本能的なソロももちろんですが、より伴奏者としての彼の資質が強調された仕上がりになっています。個人的には以前はピアノトリオの2枚を好んで聴いていましたが、このGREATもなかなかの好アルバムだとに認識するようになってきました。
メンバーはLee Morgan(tp), Wayne Shorter(ts), Wynton Kelly(p), Paul Chambers(b), Philly Joe Jones(ds)というクインテットで奇しくもマイルスバンドとJMの折衷バンドとなっている点が興味深いですね。A-1の自作ブルース"Wrinkles"でのピアノは彼のブルースフィーリングあふれるそろはさすがです。B-1のマイルスバンドを思わせる"June Night"の演奏も大好きだ。ここでのミュートトランペットのモーガンの出だしは極めてマイルス的で、コンプを入れるケリーのはアーマド・ジャマル的ですばらしい。ロングトーンを駆使したショーターも斬新でちょっとコルトレーン的で全体的にマイルスバンドを聴いている感じがして微笑ましいですね。B-2のモーガンのオリジナルブルース"What Know"のブリリアントなトランペットやラストの"Sydney"のリリカルなケリーも好きですね。
所有盤はVee-Jayのレインボウ/モノラル盤です。改めて聴いてみると、ケリーのソロの軽快、感覚的なタッチの素晴らしさに完全にノックアウトですね。