からすを嫌いな人はいても、好きだって言う人は少ないでしょう。

色が黒いから?
大きくて怖いから?
頭が良くて、ゴミを荒らしたり人を襲ったりするから?
もしからすが、七色の羽を持っていたら。
もしからすが、かぁ~ではなくて、きゅ~んって鳴いたら。
もしからすが、人間の言うことを理解して犬のように従順だったら。
もしかしたら、からすだって本当は仲良くしたいのかも知れない。

確かに間近で見ると、予想外に大きくて黒光りしていて獰猛な印象は
否めないけれど、よく見ると目は優しそうで、話せばわかるような顔をしている。
鳴き声もそれぞれ個性があって、不器用そうなの、人懐こいのと色々。
つまりは一方の思い込みや勝手な都合次第で、その関係は決まってしまう
怖さがあるってこと。
せっかくこの地球に同じように生きるものとして、それは申し訳ない気がする。
人間だけの住みやすさを求めていて、いいんだろうか。。
人間が一番、一人では生きて行けない生き物なのに。
フランスの哲学者ヴォルテールの有名なことば・・
「私はあなたの言うことには反対だ。だがあなたがそれを言う権利を私は
命にかけて守る」
そんな風に一人一人が、凛として思えたら。
意見が違うから「はい、さようなら」としていたら、大事なものを守れなくなる。
大事なもの・・。
たくさんありすぎて、どこから手をつけたらいいのかと、ため息が出てしまう。
でも、結局何も手をつけず文句を言うばかり・・なんて、嫌われ者のからすより
寂しい気がする。
嫌われているなんて気にしないで、たくましく生きているからすに出会うたび、
心を揺り動かされている。
私だってほんとはからすと一緒に遊んでみたい。

